【現代思想とジャーナリスト精神】

価値判断の基軸は自らが判断し思考し実践することの主体であるか否かであると考えております。

再説・日本共産党が反安倍自公政権勢力の一翼となるために

2015-11-21 20:03:33 | 社会・政治思想・歴史
再説・日本共産党が反安倍自公政権勢力の一翼となるために
                  櫻井 智志




【前説】
現在の日本共産党は一年前に私が書いた文章を見事にクリアしている。それだけの見識のある指導部と日本共産党員に敬意を表したい。




【資料】
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日本共産党が反安倍自公政権勢力の一翼となるために
2014/5/17 櫻井智志
 日本共産党は、「軍国主義復活めざす“安倍暴走”と対決 開拓者の精神で強大な党を」と党幹部会が躍進月間を呼びかけた。
 そのよびかけは、以下のとおりである。
-----------------------------日本共産党は15日午前、党本部で幹部会を開き、同日から7月31日までを期限として「党創立92周年・いっせい地方選挙勝利をめざす躍進月間」をよびかける決議を全会一致で採択しました。午後には、「躍進月間」成功に向け都道府県委員長会議を開き、志位和夫委員長が幹部会を代表して決議の内容を報告しました。
 決議は、安倍政権の暴走の一歩一歩が矛盾を大きく広げ、とくに解釈改憲で集団的自衛権の行使容認をたくらむなど、「海外で戦争する国」づくりへの暴走は、「あからさまな軍国主義復活への暴走」にほかならず、保守の人々も含めた国民との矛盾、世界との矛盾を激化させていると指摘。この暴走と正面から対決して奮闘する決意を表明しています。
 政党状況をみると、かつての日本軍国主義による侵略戦争が、日本共産党以外のすべての政党が「大政翼賛会」に合流して進められたように、国会の「翼賛化」ともいうべき事態が深刻になり、「自共対決」の政党地図が鮮明になっています。このなか、多くの国民が安倍政権の暴走に危機感、不安感を募らせ、そうした気持ちを託せる政党を模索していますが、これにこたえられるのは日本共産党をおいてほかにありません。決議は、情勢は党の躍進を強く求めているとし、今こそ開拓者精神を発揮し、国民の中に広く打ってでて、強く大きな党をつくろうとよびかけています。
 「躍進月間」の課題と目標は、(1)党大会決定の「3文献」の全党員読了をめざしつつ、少なくとも党費納入党員を超える党員の読了をやりとげる(2)すべての支部が、党大会決定にもとづき、「政策と計画」を具体化し、「車の両輪」の活動(国民運動と党建設の活動)に踏み出す(3)党員拡大を根幹にすえた党勢拡大を安定的前進の軌道にのせる―の3点です。
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 安倍政権が自民党現役幹部からさえも、そして国中から批判されるようないい加減な行政を強権的に進めている。それに自覚的に対して躍進をめざすことは、抵抗政党でもあり、国民的政党でもあり、労働者と勤労国民のための労働者政党である日本共産党にとって、当然の自覚的営為であると考える。
 党員の質量ともに実力をつけて、日本共産党が開拓者精神を発揮して「強く大きな党をつくる」ことには、異論どころか応援のエールを送りたい。私にとり気がかりなのは、日本共産党が今以上に、せめて1960~1980年代の国会議席や首長選挙の成果を獲得することは、現実的に政治変革の実効力を発揮するだろう。
 しかし、私は考える。日本共産党の実力が現在の勢力であっても、市民運動と連携して、大衆運動から尊敬を集め、「共産党がそう言うなら」と国内の政治団体や政党に影響力を与えるような視点は考えられないものだろうか。候補者ご本人は限界を超えた選挙運動に取り組んだ京都府と石川県の知事選挙を例にとろう。
 京都府も石川県も、相手候補は、自民公明民主などほぼ主要政党の連携だった。一方日本共産党が推薦する候補は、政党としては単独であった。この選挙で棄権者は、60%、70%台にも及ぶ。大雪の中の激戦となった東京都知事選は、46%の投票率だから、棄権者は54%前後である。日本共産党が強大になれば、投票率も増えるだろう。だが、なぜ多数の与党系政党VS日本共産党の構図の選挙で、多くの棄権者が多いのか。政策の協定もおろそかな政党の野合に、国民が幻滅感をもっている。
 私が強調したいのは、日本共産党の発言や政策が、多くの日本国民に届き、無党派民主主義の市民たちが、勝手連的に共産党を支持して、大きなうねりになぜならないのか。そこにある問題が解決されていかなければ、暴走する安倍政権の今後も続く無軌道な日本国憲法破壊政治にストップをかけるブレーキは結果として役には立たない。もしも簡潔に言うなら、それは「統一戦線をどうめざすか」という課題となろう。
 日本共産党第26回党大会決議において、明確にこう示されている。
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第3章 自民党政権の反動的暴走と対決し、新しい日本をめざす
(20)統一戦線の現状と展望について
 前大会以降の顕著な特徴は、この数年来、原発、TPP、消費税、憲法、米軍基地など、国政の根幹にかかわる問題で、一致点にもとづく共同――「一点共闘」が大きな広がりをもって発展していることにある。広大な無党派の人々、従来の保守といわれてきた人々との共同が各分野で大きく広がっている。文化人、知識人、宗教者が新たに共同に参加する動きも広がっている。これは未来ある画期的な動きである。
 この動きを発展させ、日本を変える統一戦線をつくりあげていくうえで、次の諸点に留意して奮闘する。
 ――わが党は、どの分野でも、一致点を大切にして「一点共闘」の発展のために誠実に力をつくすとともに、必要なときには縁の下の力持ちとして粘り強い努力を重ねてきた。この姿勢を今後も堅持することが何よりも大切である。
 ――同時に、どんな問題でも、根本的打開をはかろうとすれば、綱領が示した国政の民主的改革が必要になることを、太く明らかにする独自の活動に取り組むことが大切になってくる。この点で、革新懇運動が、草の根から国民の要求にもとづく多彩な共同の取り組みをすすめるとともに、自民党政治を根本から変える「三つの共同目標」(①日本の経済を国民本位に転換し、暮らしが豊かになる日本をめざす、②日本国憲法を生かし、自由と人権、民主主義が発展する日本をめざす、③日米安保条約をなくし、非核・非同盟・中立の平和な日本をめざす)を掲げて国民多数の合意をつくるために奮闘していることはきわめて重要であり、この運動が情勢にふさわしく大きく発展するよう力をそそぐ。革新懇 運動を支える自覚的な民主勢力が、広大な国民と結びつき、その活動と組織を前進させることが、強く期待される。
 ――統一戦線をつくるうえで、労働運動が果たすべき役割はきわめて大きい。この点で、連合指導部の特定政党支持路線と労資協調主義路線という二つの重大な問題点が、深刻な矛盾にぶつかり、変化が起こっていることは注目すべきである。消費税増税、原発推進、公務員賃金削減など悪政を推進した民主党に対する労働者の怒りが広がり、連合系労組で特定政党支持の締め付けがきかなくなりつつあり、民主党一党支持を正面から掲げられなくなった有力単産も生まれた。職場からナショナルセンターの違いを超えて要求にもとづく共同を強め、特定政党支持を打ち破り、労資協調主義を克服するたたかいをすすめる。労働組合への組織率が、労働者全体の18%まで落ち込んだ事態を重視し、党と階級 的・民主的労働運動が協力して、広大な未組織労働者の組織化に取り組む。労働者の要求にもとづく共同行動を発展させるうえで、全労連の果たす役割はいよいよ大きくなっており、その発展が強く期待される。
 ――日本共産党は、単独政権でなく、民主連合政府という連合政権をめざしている。その場合の連合の相手はどこから出てくるか。革新懇型の共同――日本共産党と無党派の人々との共同が、いよいよ本流になってくるだろう。同時に、いま「一点共闘」をともにたたかっている人々のなかからも連合の相手が生まれてくるだろう。
 そして、そうした動きともあいまって、政党戦線においても、日本共産党との連合の相手が必ず出てくると、私たちは確信するものである。そのさい、私たちの連合の対象となる相手が、従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流であることも、大いにありうることである。日本共産党は、社会主義・共産主義の日本を展望する党だが、当面する変革の課題は、資本主義の枠内で「二つの異常」を正し、「国民が主人公」の日本への変革をはかることにあると考えている。将来的な展望の違いがあっても、「二つの異常」を正すという当面する課題での一致がえられるならば、統一戦線をともにつくりあげることは可能であり、共同のために努力する。
 日本共産党が、あらゆる分野で国民と深く結びつき、強大な組織力をもって発展することは、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させるための決定的な条件となる。そこにこそ新しい日本への扉を開く保障があることを銘記して奮闘しよう。
-----------------------------
 以上の叙述は、私には極めて共感を覚えるし、「一点共闘」、「縁の下の力持ちとしての粘り強い努力」、「無党派の人々との共同」、「従来の保守の流れも含む修正資本主義の潮流との連合であることもありうる」などの指摘に、賛意を表する。
 問題はこのような統一戦線の展望の中にあるわけではない。これほど明確な統一戦線の展望をもっている日本共産党が、なぜ支配体制と闘う国民各階層から共闘の支持を得ることがやや弱いのかということにある。
 日本の反動的政治風土は、日本的反共主義を根深くもっていることは、間違いあるまい。日本的反共風土とそれを悪用した反共デマゴギーは、解決すべきひとつの大きな課題である。しかし、日本共産党はどのようにすれば根深い日本的風土に根ざして反共風土を克服して、国民的な統一と協同の事業を成就しうるか。
 最初に紹介した「軍国主義復活を阻止する強大な共産党建設」は、「あらゆる分野で国民と深く結びつき、新しい政治への国民的共同と統一戦線を発展させること」と相俟ってこそ、ともに実現しうるのだと考える。このような2つの大きな戦略的課題をどのようにして両輪として機能させていくか。
 唯一の国民的規模の抵抗政党である日本共産党が、自らの政策を実現する上で、そのことは運動の過程において絶えず振り返りを求められていよう。そのような政治的運動こそ、日本共産党が国民から道義的政治道徳的にも尊敬を得る要点ではあるまいか。(2014年5月17日未明)
=====資料・引用終了=========





【総括】
現在、おのが党の得票率や議席にこだわる以上に、反ファシズム勢力=安倍・橋下同盟に、大阪で「大阪自民党」から共産党まで「オール日本」として闘っている日本共産党は、以前は自ら呼んだことがあるが、こだわりなく私は「護民官」「救国と革新の政党」として、日本共産党を讃えたい。
民族の良き伝統を継承して、おきなわから北海道まで、「オール日本」の取り組みは、私のめざしてきた「国民的統一戦線」にきわめて近似した実践的集団的主体の現実態であると言えよう。
(2015/11/21)

安倍晋三の考える政治構想はすべてが非人間的な発想によって構築されている

2015-11-21 10:29:07 | 転載と私見
非情な安倍総理、前にもこのような屈辱的な日程設定をしているが、今度は内閣の沖縄担当相でさえ、以下のように表明せぬほど非情冷酷な決定をした。
安倍晋三の考える政治構想はすべてが非人間的な発想によって構築されている。(櫻井 智志)








【東京新聞転載】

6・23沖縄慰霊の日に参院選公示案 島尻担当相「なじまない」
2015年11月21日 朝刊

 島尻安伊子沖縄北方担当相(参院沖縄選挙区)は二十日の記者会見で、来年夏の参院選をめぐり六月二十三日公示の日程が取り沙汰されていることについて、「沖縄にとって慰霊の日は鎮魂の一日であり、公示にはなじまない」と述べた。与党に対し、自民党県連会長として「この日は避けるべきだという話はできると思う」と、日程を決める上で配慮するよう働き掛ける考えも示した。
 六月二十三日は、先の大戦で最大の地上戦となった沖縄戦の組織的戦闘が終結した日。県は条例で「慰霊の日」と定め、戦没者追悼式を毎年開催している。
 政府は来年の通常国会を一月四日に召集する方針。六月一日までの会期が延長されず、さらに選挙権年齢を「十八歳以上」に引き下げる法律が適用される場合の最短の日程が「六月二十三日公示、七月十日投票」となる。

安倍自民党総裁の二重拘束戦術~大阪ダブル選挙対応の本質

2015-11-21 02:21:05 | 言論と政治
安倍自民党総裁の二重拘束戦術
            櫻井  智志


11月22日の選挙に安倍総裁はやっとひとつき前に推薦状を交付した。別のところで記したが、安倍総裁は二股をかけ、自身はおおさか維新の会と連携し続けている。
二人の知事・市長候補は、二重拘束ダブルバインドにかけられた。「推薦するよ、でもぼくはきみらと違うおおさか維新のほうに当選させたいんだ」
子育てでダブルバインド二重拘束で子どもにのぞむと子どもは間違いなくトラウマをせおって、思春期に痛切な挫折を味わう、精神科医の北山修さんは早くからこのことをラジオや講演会、コンサートなどで力説している。
大阪府民も、安倍晋三の二重拘束を見破らないと、自共一緒なんて、とか共産党が支持しているなら投票しないとか、共産党支持者に自民党を推しているなら、と消極的となる。
ここが今回のダブル選挙の最大の安倍高等戦略である。おそらくこんな高度な戦術を考えたのは、安倍であるはずがない、私は情報コントロール担当の世耕弘成参院議員・内閣官房事務担当と考えている。小泉政権当時から世耕は、ずっとこの役目を見事にこなしている。なお、このことは東大教授の小森陽一東大教授の『心脳コントロール社会』ちくま新書に詳細に小泉総理時代を背景に的確に分析されている。

都市作りの住民運動の事務局長もつとめた元京都府大総長の広原盛明氏の見解はきわめて重厚な知見

2015-11-20 23:31:08 | 転載
都市作りの住民運動の事務局長もつとめた元京都府大総長の広原盛明氏の見解はきわめて重厚な知見と私は考える。
                              櫻井 智志

【広原盛明氏のつれづれ日記】続編
2015-11-16


大阪ダブル選をめぐる自民党の複雑怪奇な「ねじれ」、維新2勝0敗=首相官邸、反維新2勝0敗=自民大阪府連、維新・反維新1勝1敗=自民党本部――どれが本音かわからない「ねじれ選挙」のなかで有権者は大いに戸惑っている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その9)Add Star


08:02
私が聞いたなんば高島屋前の谷垣自民党幹事長の応援演説はそれなりに「まっとう」なものだった。「大阪都構想は5月の住民投票でもう終わった。憎しみと対立はもうやめにしよう。大阪は(都構想で)大阪市を廃止するのでなく、他都市と連携して目標を決め、そのリーダーとして頑張ってほしい。自民党は本気だ。石にかじりついてでも必ず勝利に結び付けるよう全力を挙げる」と栗原・柳本両氏の前で声を大にして叫んだのである。この演説だけを聞くと、自民党本部は両候補に(本気で)肩入れしているようにも見える。


谷垣幹事長はまた11月10日の党国会議員あての文書でも、「党本部も持てる全ての力を大阪に投入する」と各議員に支援を要請した。この文書を見た大阪市議団幹部は「自民党支持層を固める効果があった」と語ったという(朝日新聞11月15日)。
だが、事態はそれほど単純ではない。一刻も早く候補を決めたいと焦る自民大阪府連の要請を無視して散々手こずらせたのは、ほかならぬ谷垣氏が指揮を執る自民党本部だった。そして漸く安倍首相(自民党総裁)が両候補に推薦状を手渡したのは、大阪ダブル選の投開票日11月22日の僅か1か月前、10月20日のことである。大阪ダブル選のような重要な首長選で1か月前にしか候補者が決まらないなど、通常の政治感覚では理解できない。そこには表面には表れない複雑怪奇な内部事情(党内政治闘争)があったとみるのが自然だろう。


以前にも書いたが、実はこの間、自民党本部では橋下氏らと大阪ダブル選で「政治取引」することが公然と話し合われていたという。朝日新聞はそのことを「自民党の谷垣禎一幹事長は(10月)27日、11月の大阪府知事、大阪市長のダブル選の対策を協議する党内の会合で、党執行部内で一時、橋下徹・大阪市長側との協力を探ったことを明らかにした。『市長選は我々の候補者、知事選は向こう、という分担を模索された向きもなきにしもあらずだった』と語った」(10月28日)と報じている。


毎日新聞もまた自民党大阪府連幹部の言葉として、「党本部は『ダブル選は市長選だけでいいのではないか』と言っていた。『松井知事はつぶすな』という官邸の意向だろう」(10月29日)と伝えている。自民党本部では首相官邸の意思を忖度(そんたく)して、橋下氏らと自民党が手打ちする可能性すらあったのであり、そんな複雑怪奇な「ねじれ」が候補者決定を遅らせ、とりわけ知名度のない栗原候補が決定的に不利な情勢に置かれたのである。

このような経過をたどって漸く反維新の両候補が決まったものの、その後の経過はさらに思わしくない。今年5月の都構想住民投票を「オール大阪」で戦った竹本大阪府連会長がなぜか超タカ派の中山泰秀氏に取って代わられた。府連会長に就いた中山氏は開口一番、「5月の『大阪都構想』の住民投票のように、イデオロギーが相反する政党と一緒に街宣活動をしてはコアなフアンを失う」と反共主義丸出しの姿勢をあらわにした。


中山氏は、どうやら都構想住民投票が「首の皮一枚」を残した薄氷の勝利だったことを忘れているようだ。住民投票は文字通り政党を超えた「オール大阪」の市民運動として展開された。それでも僅差でしか勝てなかったのは橋下氏らの影響力が大きく、いまだ政治勢力としての力が衰えていないからだ。しかも今回のダブル選は、党派を超えて「オール大阪」で戦った住民投票とはわけが違う。無所属とはいえ栗原・柳本両候補はれっきとした「自民党推薦」であり、他党派は勝手連的な支援活動しかできない。大阪ダブル選は都構想住民投票の時よりもはるかに党派性が強く、それだけ自民党嫌いの無党派層や革新支持層の支援は減ると考えた方がよい。


もし自民党本部や大阪府連が本当に大阪ダブル選に勝利したいのであれば、現在の選挙体制を根本から変えなければならない。自民党だけが選挙カーを独占していくら「反維新」を叫んでも、自民党嫌いの有権者はそっぽ向くだけだ。逆に稲田氏や荻生田氏など安倍首相側近の幹部が来れば来るほど、革新無党派層の票は逃げていくと考えた方がいい。中山氏の言う「イデオロギーが相反する政党と一緒に街宣活動をしてはコアなフアンを失う」という情勢分析は決定的に誤りで、それとは逆に「イデオロギーが相反する政党と一緒に街宣活動をしなければダブル選には勝てない」のである。
11月22日の投開票日まであと僅か1週間しか残されていない。栗原・柳本両陣営が本当に勝利したいと思うのであれば、「オール大阪」体制に戻るほかはない。いまこそ都構想住民投票の教訓に学ぶべき時なのである。


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私見
 まだ土曜日いちにちある。
勝敗に負けても力を尽くして負けよう。
勝敗に勝つなら、全国の反安倍・橋下ファッショ同盟を震撼さむからしめる闘いを全国から大阪に届けよう。
これは「大阪晩秋の闘い」として、日本の民主主義闘争史に残る闘いとするのがわたしたちの使命なのだ。

「大阪自民」と「安倍自民」、実際は分裂した安倍自民が「おおさか維新」の支え

2015-11-20 23:15:10 | 転載
【広原盛明のつれづれ日記】転載と私見
2015-11-18


自民支持層は水と油の「安倍自民=吉村・松井支持層」と「大阪自民=柳本・栗原支持層」に分裂している、自民「大物」の投入は柳本・栗原支持層の拡大につながらない、ダブル選の帰趨は「大阪自民+共産・民主・公明=オール大阪」の連携に掛かっている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その10)Add Star
04:29



 11月22日に迫った大阪ダブル選投開票日を前に、マスメディア各紙が16日朝刊で14日から15日にかけて行った大阪府民を対象とする世論調査結果を一斉に発表した。それによると、知事選、市長選ともに大阪維新候補が自民党推薦候補をリードしており、しかもその差が開きつつあるとの驚くべき結果が出た。具体的な数字は報道されていないが、各社の調査結果はほぼ一様に「知事選では松井氏が優勢、栗原氏が追う展開」、「市長選では吉村氏がやや先行、柳本氏が激しく追う」となっている。
私自身はこれら記事の微妙な表現の違いがわからないので関係者に問い合わせたところ、「松井氏が優勢」というのは10ポイント以上のリードを示し、「吉村氏がやや先行」というのは数ポイントぐらいのリードだろうと教えてくれた。いずれも無視できないほどの維新側のリードであり、このままいくとダブル選は「維新2勝0敗」という衝撃的な結果になりかねない。半年前に行われた大阪都構想住民投票の結果も、維新の党の分裂騒ぎもまるで何事もなかったかのようだ。
政党支持率については、産経が「大阪府全体で見た政党支持率では、11月2日に設立したばかりで、今回調査で初めて対象となった新党『おおさか維新の会』がトップとなった。政党交付金などをめぐる維新の党との分裂騒動の影響が注目されたが、自民党などを上回る支持を集めた」と伝えている。ちなみに各党支持率は、おおさか維新の会28%、自民24%、民主5%、公明・共産4%、維新の党2%などである。
また読売新聞によれば、「国政の支持政党別では、おおさか維新支持層の9割が市長選で吉村氏、知事選で松井氏と回答。自民支持層では、市長選で6割が柳本氏と答えたものの、知事選で栗原氏と答えたのは5割弱で、4割近くが松井氏と回答した」とある。つまり政党支持率第1位の「おおさか維新」支持層の大半がセットで吉村・松井氏に決めているのに対して、第2位の自民支持層は5割前後しか柳本・栗原氏に決めていない。これでは差が開くのは当然だろう。
問題はなぜおおさか維新支持率が自民支持率を上回り、しかもおおさか維新支持層の結束が固いのに対して、自民支持層の支持が割れているかということだ。私は、安倍首相・菅官房長官をはじめとする首相官邸が実質的に吉村・松井氏を支援していることがおおさか維新支持層を元気づけ、自民支持層を分裂させていると考えている。つまり自民支持層は均質ではなく「安倍自民」と「大阪自民」に分裂しており、「安倍自民」が吉村・松井氏の側に回っているのである。理由は以下の3点である。
第1は、自民党本部が首相官邸の意向を忖度(そんたく)して候補者決定を意図的に遅らせたことが、自民支持層の「迷い」と「分裂」を招いていることだ。自民党大阪府連は一刻も早く候補者を決めたいと党本部に再三再四要請したが、党本部が一日延ばしに決定を引き延ばし、安倍首相(自民党総裁)が柳本・栗原氏に推薦状を手渡したのは選挙戦が始まる僅か2週間前の10月20日のことだった。候補者の決定が遅れれば遅れるほど支持層の力も入らないし、選挙体制の準備もままならない。大阪ダブル選のような重要な首長選で告示2週間前にしか候補者が決まらないなど通常の政治感覚では理解できないが、そこには表面には表れない複雑怪奇な内部事情(党内政治闘争)があった。
第2はこのことと関連するが、自民党本部が候補者決定を引き延ばしている間、実はダブル選の候補者選びに関わって党本部と橋下氏らとの間で「密室の政治取引=裏取引」が模索されていたことだ。朝日新聞はそのことを「自民党の谷垣禎一幹事長は(10月)27日、11月の大阪府知事、大阪市長のダブル選の対策を協議する党内の会合で、党執行部内で一時、橋下徹・大阪市長側との協力を探ったことを明らかにした。『市長選は我々の候補者、知事選は向こう、という分担を模索された向きもなきにしもあらずだった』と語った」(10月28日)と報じている。毎日新聞も自民党大阪府連幹部の言葉として、「党本部は『ダブル選は市長選だけでいいのではないか』と言っていた。『松井知事はつぶすな』という官邸の意向だろう」(10月29日)と伝えている。官邸の意向に沿って橋下氏らと自民党本部が(知事選で)手打ちする可能性すらあったのであり、そんな裏取引話が柳本・栗原支持層に「嫌気」を与え、革新支持層を離反させたことは否定できない。
第3は、このような経過をたどって漸く自民推薦候補が決まったものの、都構想住民投票を「オール大阪」で戦った竹本大阪府連会長がダブル選直前になって官邸に近い超タカ派の中山泰秀氏に取って代わられ、中山氏が自民単独でダブル選を戦う方針を打ち出したことだ。その言い草は、「5月の『大阪都構想』の住民投票のように、イデオロギーが相反する政党と一緒に街宣活動をしてはコアなフアンを失う」というものだったが、中山氏の情勢判断は決定的な誤りだった。中山氏は自民支持層が「安倍自民」と「大阪自民」に分裂していることが理解できず、自民支持層さえ固めれば「勝てる」と思っていたのである(もし「勝てる」と思っていなかったのであれば、中山氏は官邸から送り込まれた「トロイの木馬」ということになる)。
「おおさか維新」支持層の側には「コアなフアン」がいても、自民支持層の側にはそんな「固い支持層」はいない。大阪都構想住民投票のときでも自民支持層の約半分が「賛成」投票をしていたことでもわかるように、国政レベルでの自民支持層の約半分は「安倍自民」であり、官邸が支援する吉村・松井氏に対して必ずしも違和感を持っていない。むしろ政治感覚はおおさか維新に近いのであり、自民支持層の中から少なくない部分が吉村・松井氏に流れるのはこのためだ。
11月22日の投開票日まであと僅かしか残されていない。栗原・柳本両陣営が本当にダブル選に勝利したいと思うのであれば、自民支持層に依拠するだけでは不十分だ。自民支持率はおおさか維新支持率よりも低く、しかもその中で「安倍自民」と「大阪自民」に分裂しているのである。「大阪自民」は都構想住民投票に結集した「オール大阪」体制に戻って共産・民主・公明支持層との連携を深め、都構想反対派の結集を図るほかはない。自民単独方針にこだわるか「オール大阪」体制に戻るか、いま栗原・柳本陣営は勝敗の岐路に立っている。

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私見
 私は広原氏の見解に賛成である。
そして日本共産党が誠意をこめて全力で応援していることはきわめて有効な効果をもたらすと考えている。
 まともな政治的貢献ではなく、駆け引きと陰謀に近い安倍政権は、いままで不思議な選挙の勝ち方をしてきた。それは水面下の謀略や駆け引きの連続と心理的工作に長けているからと思う。
このような安倍政治が世界になんら評価はされていない。
私はできる範囲で力を注ぎ、安倍自民でなく大阪自民の住民投票以来のまともさを、日本共産党など自民党外の民衆とともに応援する。


「大阪自民」と「安倍自民」、実際は分裂した安倍自民が「おおさか維新」の支え

2015-11-20 23:15:10 | 転載
【広原盛明のつれづれ日記】転載と私見
2015-11-18


自民支持層は水と油の「安倍自民=吉村・松井支持層」と「大阪自民=柳本・栗原支持層」に分裂している、自民「大物」の投入は柳本・栗原支持層の拡大につながらない、ダブル選の帰趨は「大阪自民+共産・民主・公明=オール大阪」の連携に掛かっている、大阪ダブル選挙の行方を考える(その10)Add Star
04:29



 11月22日に迫った大阪ダブル選投開票日を前に、マスメディア各紙が16日朝刊で14日から15日にかけて行った大阪府民を対象とする世論調査結果を一斉に発表した。それによると、知事選、市長選ともに大阪維新候補が自民党推薦候補をリードしており、しかもその差が開きつつあるとの驚くべき結果が出た。具体的な数字は報道されていないが、各社の調査結果はほぼ一様に「知事選では松井氏が優勢、栗原氏が追う展開」、「市長選では吉村氏がやや先行、柳本氏が激しく追う」となっている。
私自身はこれら記事の微妙な表現の違いがわからないので関係者に問い合わせたところ、「松井氏が優勢」というのは10ポイント以上のリードを示し、「吉村氏がやや先行」というのは数ポイントぐらいのリードだろうと教えてくれた。いずれも無視できないほどの維新側のリードであり、このままいくとダブル選は「維新2勝0敗」という衝撃的な結果になりかねない。半年前に行われた大阪都構想住民投票の結果も、維新の党の分裂騒ぎもまるで何事もなかったかのようだ。
政党支持率については、産経が「大阪府全体で見た政党支持率では、11月2日に設立したばかりで、今回調査で初めて対象となった新党『おおさか維新の会』がトップとなった。政党交付金などをめぐる維新の党との分裂騒動の影響が注目されたが、自民党などを上回る支持を集めた」と伝えている。ちなみに各党支持率は、おおさか維新の会28%、自民24%、民主5%、公明・共産4%、維新の党2%などである。
また読売新聞によれば、「国政の支持政党別では、おおさか維新支持層の9割が市長選で吉村氏、知事選で松井氏と回答。自民支持層では、市長選で6割が柳本氏と答えたものの、知事選で栗原氏と答えたのは5割弱で、4割近くが松井氏と回答した」とある。つまり政党支持率第1位の「おおさか維新」支持層の大半がセットで吉村・松井氏に決めているのに対して、第2位の自民支持層は5割前後しか柳本・栗原氏に決めていない。これでは差が開くのは当然だろう。
問題はなぜおおさか維新支持率が自民支持率を上回り、しかもおおさか維新支持層の結束が固いのに対して、自民支持層の支持が割れているかということだ。私は、安倍首相・菅官房長官をはじめとする首相官邸が実質的に吉村・松井氏を支援していることがおおさか維新支持層を元気づけ、自民支持層を分裂させていると考えている。つまり自民支持層は均質ではなく「安倍自民」と「大阪自民」に分裂しており、「安倍自民」が吉村・松井氏の側に回っているのである。理由は以下の3点である。
第1は、自民党本部が首相官邸の意向を忖度(そんたく)して候補者決定を意図的に遅らせたことが、自民支持層の「迷い」と「分裂」を招いていることだ。自民党大阪府連は一刻も早く候補者を決めたいと党本部に再三再四要請したが、党本部が一日延ばしに決定を引き延ばし、安倍首相(自民党総裁)が柳本・栗原氏に推薦状を手渡したのは選挙戦が始まる僅か2週間前の10月20日のことだった。候補者の決定が遅れれば遅れるほど支持層の力も入らないし、選挙体制の準備もままならない。大阪ダブル選のような重要な首長選で告示2週間前にしか候補者が決まらないなど通常の政治感覚では理解できないが、そこには表面には表れない複雑怪奇な内部事情(党内政治闘争)があった。
第2はこのことと関連するが、自民党本部が候補者決定を引き延ばしている間、実はダブル選の候補者選びに関わって党本部と橋下氏らとの間で「密室の政治取引=裏取引」が模索されていたことだ。朝日新聞はそのことを「自民党の谷垣禎一幹事長は(10月)27日、11月の大阪府知事、大阪市長のダブル選の対策を協議する党内の会合で、党執行部内で一時、橋下徹・大阪市長側との協力を探ったことを明らかにした。『市長選は我々の候補者、知事選は向こう、という分担を模索された向きもなきにしもあらずだった』と語った」(10月28日)と報じている。毎日新聞も自民党大阪府連幹部の言葉として、「党本部は『ダブル選は市長選だけでいいのではないか』と言っていた。『松井知事はつぶすな』という官邸の意向だろう」(10月29日)と伝えている。官邸の意向に沿って橋下氏らと自民党本部が(知事選で)手打ちする可能性すらあったのであり、そんな裏取引話が柳本・栗原支持層に「嫌気」を与え、革新支持層を離反させたことは否定できない。
第3は、このような経過をたどって漸く自民推薦候補が決まったものの、都構想住民投票を「オール大阪」で戦った竹本大阪府連会長がダブル選直前になって官邸に近い超タカ派の中山泰秀氏に取って代わられ、中山氏が自民単独でダブル選を戦う方針を打ち出したことだ。その言い草は、「5月の『大阪都構想』の住民投票のように、イデオロギーが相反する政党と一緒に街宣活動をしてはコアなフアンを失う」というものだったが、中山氏の情勢判断は決定的な誤りだった。中山氏は自民支持層が「安倍自民」と「大阪自民」に分裂していることが理解できず、自民支持層さえ固めれば「勝てる」と思っていたのである(もし「勝てる」と思っていなかったのであれば、中山氏は官邸から送り込まれた「トロイの木馬」ということになる)。
「おおさか維新」支持層の側には「コアなフアン」がいても、自民支持層の側にはそんな「固い支持層」はいない。大阪都構想住民投票のときでも自民支持層の約半分が「賛成」投票をしていたことでもわかるように、国政レベルでの自民支持層の約半分は「安倍自民」であり、官邸が支援する吉村・松井氏に対して必ずしも違和感を持っていない。むしろ政治感覚はおおさか維新に近いのであり、自民支持層の中から少なくない部分が吉村・松井氏に流れるのはこのためだ。
11月22日の投開票日まであと僅かしか残されていない。栗原・柳本両陣営が本当にダブル選に勝利したいと思うのであれば、自民支持層に依拠するだけでは不十分だ。自民支持率はおおさか維新支持率よりも低く、しかもその中で「安倍自民」と「大阪自民」に分裂しているのである。「大阪自民」は都構想住民投票に結集した「オール大阪」体制に戻って共産・民主・公明支持層との連携を深め、都構想反対派の結集を図るほかはない。自民単独方針にこだわるか「オール大阪」体制に戻るか、いま栗原・柳本陣営は勝敗の岐路に立っている。

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私見
 私は広原氏の見解に賛成である。
そして日本共産党が誠意をこめて全力で応援していることはきわめて有効な効果をもたらすと考えている。
 まともな政治的貢献ではなく、駆け引きと陰謀に近い安倍政権は、いままで不思議な選挙の勝ち方をしてきた。それは水面下の謀略や駆け引きの連続と心理的工作に長けているからと思う。
このような安倍政治が世界になんら評価はされていない。
私はできる範囲で力を注ぎ、安倍自民でなく大阪自民の住民投票以来のまともさを、日本共産党など自民党外の民衆とともに応援する。


後藤健二さんは永遠に不滅の星になった~今年度ローリー・ペック賞受賞

2015-11-19 18:20:13 | 言論と政治
後藤健二さんは永遠に不滅の星になった

             櫻井 智志


今年のローリー・ペック賞は、安倍総理のカイロ演説がきっかけでイスラム国に虐殺された後藤健二さんに受賞が決定され、発表されました。
民衆の立場でフォトジャーナリストとして貢献したことが、高く評価されました。
安倍総理は、この受賞を知ってどう思うでしょうか?
なにか感じたり思ったりできるフツーの人間なら、後藤健二さん救出に全力をあげたことでしょう。
虐殺されすでに存在しないとしても、国際的な団体は観るべきものをしっかりと観ていて、表彰してくださいました。
後藤さんは、世界の理性によって永遠の星となったのです。。





====参考資料転載======

【東洋経済ONLINE】転載

後藤さんを支援、「ローリー・ペック」とは?
紛争地を取材するフリーランスの一大拠点

著者:小林 恭子 :ジャーナリスト

イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」が2月1日、拘束中のジャーナリスト後藤健二さんを殺害したとする動画をネット公開した。同日、後藤さんの妻は、夫が設立した「インデペンデント・プレス」社のウェブサイトと、英国の「ローリー・ペック・トラスト」のウェブサイトに声明文を発表している。1月29日にも、トラストのウェブサイトにメッセージを寄せ、健二さんと同様にイスラム国に拘束されているヨルダン人の飛行士の解放を求めた。

一般にはあまり知られていない団体であり、日本の各種報道でも、ローリー・ペック・トラストについての詳細な解説はほとんど行われていない。いったい、どのような活動を行っているのだろうか。また、どのような経緯でできたのだろうか。

1995年設立の慈善団体

ローリー・ペック・トラスト(以下、「トラスト」)は1995年に設置された慈善団体で、フリーランスで報道に携わる人々(ジャーナリスト、カメラマン、ビデオジャーナリストなど)とその家族を支援することを目的としている。

ウェブサイトによると、トラストはフリーランサーたちを「どこの組織にも属さず、独立の立場から現場で取材し、紙メディア、オンライン、放送メディアを通じてニュースを発信する人たち」と定義する。世界の紛争地や独裁政治の国などで「しばしば圧力を受けながらも」犯罪、汚職、人権じゅうりんなどをレポートする人たちだ。

組織に所属しているジャーナリストやカメラマンでさえも、紛争地での取材は危険度が高い。フリーランスの場合、さらにその危険性は増す。頼るような組織や保険など「守ってくれる存在がないか、ほとんどない状態で」取材するのが実態だからだ。

そこで、頼りにできる存在として創設されたのがこのトラストだ。

活動の柱の1つは、「フリーランス支援プログラム」。危険な状況下で報道を続けるジャーナリストたちに財政支援を提供する。取材中にジャーナリストが命を落とした場合、遺族へのさまざまな支援を行う。

危険な場所に向かう前に、現地情報や取材のアドバイスを受ける研修も行っている。

ウェブサイトにはフリーランスで働く人に役に立つような資料が掲載されており、例えば現地での費用計算表、予算表、請求書のひな形などが無料でダウンロードできるようになっている。

取材前の保険加入についてのページもある。紛争地での報道を支援するワークショップ、募金集めのためのイベントも定期的に行っている。

アワードのスポンサーは英国ソニー

もう1つの柱が年に一度、優れたニュース報道を行ったカメラマン、カメラウーマンに贈る「ローリー・ペック・トラスト・アワード」の運営だ。英国ソニーが賞のスポンサーとなっている。

2014年のアワード(11月19日発表)では、中央アフリカ共和国の政情を扱った番組を撮影したパコム・パバンジ氏がニュース部門の最優秀賞を受賞している。

トラストは世界中のジャーナリズム関連組織40余りとパートナー関係を結ぶ。活動資金はメディア組織や企業、個人からの募金が大きな位置を占める。主な募金者の名前を見ると、英テレビ局BBC,BスカイB,チャンネル4、米CNN,NBC、AP、ロイター、ソニー、国連民主基金など。年間収入は2013年12月31日時点で約65万1000ポンド(約1億1400万円)である。

トラストの名称はジャーナリスト、ローリー・ペック氏に由来する。ペック氏は1956年12月、米国で生まれた。アイルランド共和国の首都ダブリンで育ち、米国や父方の出身地である英スコットランドを行き来しながら複数の仕事をした後で、ジャーナリズムを職として選ぶようになった。

カメラを担ぎ、第1次湾岸戦争(1990~91年)を取材した後、ボスニアやアフガニスタンなど次々と紛争地で取材を行った。その映像はBBCやARD(ドイツ公共放送連盟)を含む世界中のテレビ局の番組で放送された。

2度目の結婚で妻となったジュリエットさんと子供たちとで一緒にモスクワに住むようになったペック氏は、ソ連が崩壊する様子をカメラで記録した。1993年10月、「モスクワ騒乱」が発生した。ソ連崩壊後、エリツィン大統領と反エリツィン派との対立が深まり、反勢力が最高会議ビルに立て籠もった事件である。

オスタンキノ・タワー(テレビ塔)の外で行われていた戦闘の模様を撮影していたペック氏は、砲火を浴びて命を落とした。享年36。エリツィン大統領はペック氏の死後に個人の勇気を称える勲章を授けている。

トラストのウェブサイトに掲載されている、ペック氏の妻ジュリエットさんの説明によると、ペック氏とジュリエットさんの一家は家族で紛争地を転転とする生活を過ごした。ペック氏のジャーナリズムを家族全員で支えていた。このため、1993年にペック氏が亡くなると、家族は一切の収入の道を閉ざされた格好となった。

ペック氏の業績に敬意を表したBBCは、モスクワに住んでいた一家が英国に引き上げる費用や手間の面倒は見てくれたという。しかし、「その後、財政的支援をする法的な理由がなかった」ため、フォローアップは途絶えた。ドイツのARDもペック氏が亡くなった日の午後に現場を撮影してくれたが、それ以上の支援をするようにはなっていなかった。

BBCやARDは一家に保険を提供しておらず、ペック氏が紛争地で働いていたために自分たちで保険の手配をし、支払いを行うことは「不可能だった」。

ペック氏が亡くなってまもなく、ジュリエットさんはガンにかかっていることを知る。働くことができず、手持ちの資金も減少する一方の中で、ジュリエットさんは心機一転。友人、知人に声をかけ、フリーランスのカメラマンたちを支援する組織立ち上げのための財政サポートを呼びかけた。何とか資金を集め、トラストが形となったのが1995年だった。その後、ジュリエットさんは2007年に亡くなったが、トラストはフリーランスたちとその家族を助けるための組織として生き続けている。

ロンドンにある、ジャーナリストのクラブ「フロントライン・クラブ」は、もともとはペック氏などの数人がフリーのカメラマンの集団として結成した「フロントライン・テレビジョン・ニュース」であった。フロントライン・クラブはネットを使った告発サイト「ウィキリークス」のジュリアン・アサンジ代表が一時宿泊していた場所としても知られている。

「ケンジ・ゴトウを思い出す」

トラストのウェブサイトには、後藤さんの妻のメッセージとともに、同じく1日付でトラストのディレクター、ティナ・カー氏のメッセージも掲載されている。

「ケンジ・ゴトウを思い出す」と題された、このメッセージの後半にこんな文章がある。「ケンジはトラストではよく知られていました。友人であり、私たちの仕事の支援者であり、ローリー・ペック・アワードの常連の候補者でした。彼の死は、彼を知るすべての人にとって大きな損失です。ご家族が今経験していることは想像ができないほど大変なことでしょう。すべての方がご家族のプライバシーを尊重することを望んでいます」

===参考資料転載終了====

政治家の信義と真偽~大阪で勝つ~

2015-11-19 15:48:07 | 社会・政治思想・歴史

          櫻井 智志


 11月22日の大阪府知事選挙・大阪市長選挙は、投票率や終盤の出来事で影響され、きわめて厳しい選挙戦と伝えられています。

 そんな中で、おおさか維新と橋下徹氏は、「批判ばかりしている共産党が自民党とくむのはおかしい」と非難しています。
 確かに自民党は大元の本部で安倍政権の言うがままに動く状態です。しかし、日本共産党の人々は懸命に応援しています。しんぶん赤旗を観ても、共産党が自民党を応援しているとは思えないほど、わが党のように誠心誠意応援し続けています。

 ここが重大なポイントです。日本共産党が大阪自民党と他党と強力して、全力をあげて闘い住民投票で大阪都構想を阻止しました。それでも開票結果はほんとうにわずかの薄氷を踏む接戦でした。けれど、共産党と支持者たちが全力を尽くして闘ったから、僅少差でも住民投票で民主主義の再生を果たしました。
 ダブル選挙で、日本共産党が大阪自民党候補を信義を尽くして懸命に闘う姿は、信義を重んじる政治家の面目躍如たるものがあります。

 おおさか維新の会は、維新の党と醜い罵倒の応酬です。これがもともとのなかまたちだったとは思えない罵倒のやりとりです。
そのような政党集団には、日本共産党のような「信義」はみじんのかけらも観られません。

 日本共産党の信義は、政党としての成熟度を示しています。真偽から言えばほんとうの政党です。真実を体現しようと努力し続ける政党です。

 そのような日本共産党が全力をあげて誠心誠意とり組んでいる選挙戦です。選挙で負けても、大阪自民党は、本物の政党の姿をそこに見るでしょう。

 対するにおおさか維新の会は、両方当選しても、今後維新の党との激しい政党助成金目当てのバトルが待っています。
 日本共産党は、この選挙が負けても、二度三度と大阪自民党との共闘によって、共産党は信頼するに値する、と認識を新たにされ見直されることでしょう。

 民主党も、懸命に取り組む岡田代表の足元から民主党を解体するという安倍政権から敵前逃亡して、第二自民党をめざしても、ついには組織は別でも自民党に吸収され、大政翼賛会平成バージョンとなるだけです。
 一見愚直に見えても、相手に信義を尽くして共闘する政党こそ真の政党と呼べる存在です。真の政党には、選挙戦で一時期は敗北したと見えても、その「信義」ゆえにつぎのステップがあります。けれど、政党の根本精神を見失ったひとびとが一時期多数集めたと思っても、なかでは押さえつけられた不満が鬱積し、やがては集団は瓦解することが、過去の歴史にもありました。
 おおさか維新の会、民主党解党派。これらは戦前戦時中の大政翼賛会となんら変わりがありません。
 平成大政翼賛会グループには、未来はありません。過去の亡霊と妄想を愉悦するのみで、現代民主主義政治とは無縁の暴走族としかたとえようがありません。

 心ある大阪の有権者は、一度は弁舌爽やかに見えた饒舌にたぶらかされた橋下徹氏の政界入りしたこの数年間にどれだけ貴重なものを次々に喪失させられていったか。はっきりと痛いほどの目にあわされました。しかし橋下徹氏は安倍総理の指示のもとにうろうろ動いています。安倍政権を倒幕しないかぎり、安倍の腰巾着として何度でも政界にあらわれうろうろしていることでしょう。

大阪ダブル選挙。自民党候補対おおさか維新の会の対決、ではないのです。橋下徹と安倍晋三の極右同盟に、大阪の住民が大阪自民党から共産党までの議会制民主主義勢力がチャレンジして、脈々と続く庶民の町大阪の歴史と今後の未来とを守り抜く闘いなのです。大阪には中世にも堺など町民の自治の歴史があります。それを踏み潰したのは織田信長ですが、奇しくも独裁権力者に比喩される安倍晋三、橋下徹、石原慎太郎。みんな似たタイプです。かれらは織田信長を好んでいるそうです。独裁者に地方自治のまちを渡すな。安倍政権直結の橋下グループに二つとも首長の座を渡すならば、12月19日に市長任期切れとなった橋下徹氏の副総理入閣がかなりの確立で実現することでしょう。橋下は二つの首を手土産に安倍政権に入りいっそう政治の反動化を促進してしまうと予測されます。


おおさか維新に権力を渡すな

橋下徹の好き放題にさせるな

安倍晋三は即時退陣しろ

20,21,22日日曜日
決戦は金曜日今回は日曜日
https://youtu.be/4ZQxNmeKgEU



臨時国会から逃走した安倍政権の「前科」と戦犯のDNA

2015-11-16 20:23:00 | 社会・政治思想・歴史

臨時国会から逃走した安倍政権の「前科」と戦犯のDNA
            櫻井  智志

 内閣改造をおこない、山積する政治課題を国権の最高機関である臨時国会で審議することを、安倍政権は放棄した。かわりに通常国会を一月四日からに前倒しするという。参院選を控えて、あきらかに逃げの姿勢である。
 このような安倍総理のやりかたは、一年前の私の記録にも記されている。外遊中にもかかわらず、衆院解散を決行して、沖縄の重大選挙からも逃げの姿勢を決め込んだ。
 その記録を以下に附記する。なお、きょうのテレビを観ていて気づいた。テレビ画面の右隣りにぴったりとメガネ顔の男性がいる。国会議員世耕弘成参議院議員。内閣の副官房長官などずっと官邸にいる。小泉内閣の時から自民党の広報戦略をにない、九条の会の事務局長小森陽一東大教授が、著作で注意を喚起している人物である。国民の深層心理のコントロールを操縦する自民党情報操作機関の中枢である。国会審議中も、答弁で野党議員の追及で困ったと見受けられると、さっとさりげなく近寄り腰をかがめてなにやら書いたメモを渡している。自民党政権の黒子にこのような戦術家が位置していることを指摘したい。

 フランスでロシアで「イスラム国」かと疑われる大規模なテロがおきた。旅客機墜落や市内同時テロ。フランスでは千人台の死者が出た。ロシア旅客機は二千人台の死者。テロは許し難い暴力である。しかし、イスラム圏のシリアに、ロシアやフランス、アメリカの空爆が相次いだ。病院への爆撃で医者も患者も殺された。中東に、イラク戦争も含め、どれだけの空爆がなされ、悲惨な事態が続いているか。そういったことの吟味もなく、「イスラム国壊滅」などと短兵急に主張する世界になった。戦後ずっと兵器や軍人の使用や派遣をしないで、中東や国際的な信用を得ていた日本平和外交は、自民党中曽根政権小泉政権で徐々に軍国大国路線になりつつも、辛うじて持ちこたえていた一線を、安倍総理のカイロ演説で「テロに走るISの暴走をとめる有志国連合の一員として巨額の資金を援助する」と公言して、日本人ジャーナリストの救助交渉を見捨て殺害にあわせた。さらに、アジアの極東にいる日本が、遠く世界中に軍事戦略を駆使している「有志国連合」の成員として、安倍総理自らも正確に把握していない間に加盟している。このことは当然にも、他の有志国連合の国家がイスラム国や中東イスラム諸国などに行った軍事行為は、「報復の軍事行為」を受けることもありうる重大な危機にのめりこんでいる。それらも国会できちんと審議せず国民的了解も形成せず、女性宅に不法侵入して下着泥棒を行った疑惑の消えぬ大臣が、公選法違反の疑惑でたった二日の予算委員会のやりとりで日程を消化するという低次元の国会の実態である。

 安保法規を強行したまま、戦争前夜に突入した安倍晋三は、A級戦犯岸信介のDNAを見事に継承している。岸信介氏は、中国で国共内戦で共産党政権樹立という国際環境が変化しなければ、戦犯で死刑にあっていた。孫の安倍晋三がやろうとしている理想とは、祖父が国際社会から戦犯として極刑に処される寸前までいった「理想」である。こんな事態に日本をひきずりこんだ安倍政権を許している自民党内部公明党と、効果的に闘うことを自ら阻んでいる野党指導者の体たらく。岡田民主党代表、日本共産党、社民党、生活の党、緑の党、良識派保守系無所属などの健闘が期待される。同時に民主党前原・細野派、維新の党、おおさか維新の会らの「ゆ」党の敵前逃亡は昔の大政翼賛会になだれこんだ政治勢力と酷似している。



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資料:

奇天烈な衆院解散総選挙の真相
2014-11-16 13:31:31 | 言論と政治
『東京新聞「本音のコラム」奇怪な解散総選挙  山口二郎』転載

 この1週間の間に、衆院解散の流れが決定的となった。安倍首相はずっと外遊中で、なぜ解散なのか、首相が国民に説明したことは一度もない。日本の政治では、すべてが密室で決まることをあらためて見せつけられた。

 そもそも9月末に臨時国会が始まったとき、首相は地方創生と女性の活躍という看板政策の実現に向けて努力すると宣言したはずである。それらの重要法案をなげうってでも、解散に踏み切る理由は何なのか。閣僚の資金疑惑から始まって、予想以上の景気の低迷など、失敗を攻撃する材料が山積する中で、針のむしろに座らせられるのはかなわないという動機とで、逆境をリセットするために解散したというのが真相だろう。

 二年間の安倍政権の「実績」は、特定秘密保護法制定、集団的自衛権行使容認、そして川内原発再稼働と、日本の民主主義と国民生活を脅かす政策の連続である。それらはすべて、二年前の総選挙で国民に対して何の予告も説明もないものばかりであった。

 この総選挙で自民党が勝ったら、国民の信任が得られたとして、さらに好き勝手を進めるに違いない。安倍自民党に白紙委任を与えるのかどうかが、この総選挙の最大の争点である。この二年間の安倍政治を冷静に評価し、日本の未来を見据えた意思表示をしたい。

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私見

 解散総選挙を「私は言ったことはない」と言った安倍首相は、国内で言わないまま済まそうとしているのか。沖縄県知事選の敗色濃厚でとてもいたたまれないから、海外で逃亡して見守ろう、敗戦ショックがひといきついてから帰国してその後のスケジュールを一気に片付けようというのか。政治家として肝の小さな政治家の部類だろう。
 閣僚が相次いで辞任し、不祥事がたえないから解散してしまえ、という小心者総理には、今後も困難な日本の政治を委ねることはできない。
 まずきょうの沖縄県で勝利をおさめよう。そして総選挙でも統一地方選挙でも、安倍まやかし者ならず者総理をこの国のトップからひきずりおろそう。国民は安倍総理ほどの馬鹿ではない。

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安倍首相が推進する、「憲法改正による緊急事態条項」は、アドルフ・ヒットラーの「全権委任法」と酷似

2015-11-14 11:59:26 | 社会・政治思想・歴史
安倍首相が推進する、「憲法改正による緊急事態条項」は、アドルフ・ヒットラーの「全権委任法」と酷似している。
                                  櫻井智志



 安倍首相が推進する、「憲法改正による緊急事態条項」は、アドルフ・ヒットラーの「全権委任法」と酷似している。それは具体的にどのようなことを示しているのか。1.ウィキペディアによる検索・部分引用と、2.孫崎享氏のこの酷似についての安倍晋三についての叙述、3.私見の3点から、考えてみたい。


1. ウィキペディアの詳細なヒットラーについての叙述から「全権委任法」前後の様子を俯瞰したい。

独裁政権

詳細は「ナチ党の権力掌握」を参照
内閣発足の2日後に当たる2月1日に議会を解散し、国会議員選挙日を3月5日と決定した。2月27日の深夜、国会議事堂が炎上する事件が発生した(ドイツ国会議事堂放火事件)。ヒトラーとゲーリングは「共産主義者蜂起の始まり」と断定し、直ちに共産主義者の逮捕を始めた。翌28日にヒンデンブルク大統領に憲法の基本的人権条項を停止し、共産党員などを法手続に拠らずに逮捕できる大統領緊急令を発令させた。この状況下の3月5日の選挙ではナチスは議席数で45%の288議席を獲得したが、単独過半数は獲得できなかった。しかし、共産党議員はすでに逮捕・拘禁されており、さらに社会民主党や諸派の一部議員も逮捕された。これらの議員を「出席したが、投票に参加しない者と見なす」ように議院運営規則を改正することで、ナチ党は憲法改正的法令に必要な3分の2の賛成を獲得できるようになった。
3月24日には国家人民党と中央党の協力を得て全権委任法を可決させ、議会と大統領の権力は完全に形骸化した。7月14日にはナチ党以外の政党を禁止し、12月1日にはナチ党と国家が不可分の存在であるとされた。以降ドイツではナチ党を中心とした体制が強化され、党の思想を強く反映した政治が行われるようになった。しかし他の幹部とは異なった政権構想を持っていた突撃隊ではさらなる第二革命を求める声が高まり、突撃隊参謀長レームらとの対立が高まった。ヒトラーはゲーリングと親衛隊全国指導者ヒムラーらによって作成された粛清計画を承認し、1934年6月30日の「長いナイフの夜」によって突撃隊を初めとする党内外の政敵を非合法的手段で粛清した。この時、党草創期からのつきあいがあったレームの逮捕にはヒトラー自らが立ち会っている。
1934年8月2日、ヒンデンブルク大統領が在任のまま死去した。ヒトラーは直ちに「ドイツ国および国民の国家元首に関する法律」を発効させ国家元首である大統領の職務を首相の職務と合体させ、さらに「指導者兼首相 (Führer und Reichskanzler) であるアドルフ・ヒトラー」個人に大統領の職能を移した[105]。ただし「故大統領に敬意を表して」、大統領 (Reichspräsident) という称号は使用せず、自身のことは従来通り「Führer(指導者)」と呼ぶよう国民に求めた。この措置は8月19日に民族投票(ドイツ語版)を行い、89.93%という支持率を得て承認された。これ以降、日本の報道でヒトラーの地位を「総統」と呼ぶことが始まった。指導者は国家や法の上に立つ存在であり、その意思が最高法規となる存在であるとされた。
権力掌握以降、ヒトラー崇拝は国民的なものとなった。1935年1月22日には公務員・一般労働者が右手を挙げて「ハイル・ヒトラー」と挨拶することや、公文書・私文書の末尾に「ハイル・ヒトラー」と記載することが義務付けられた。民衆が党や体制に対する不満を持つことがあっても、地方・中央の党幹部に批判が向けられ、ヒトラー自身が対象となることはほとんど無かった。




2.【孫崎享のつぶやき】
安倍首相の考える、憲法改正による緊急事態条項は①緊急事態を内閣が決め、②政令(議会の承認なく内閣決定)は法律と同等効力で③何人も公の機関の指示に従わなければならない。独裁の承認です
2015-11-14 06:174



緊急事態条項について「日本は特別の条項を持っていないからこれの規定をも設けましょう」というと、それはそうだになる。

 しかし、自民党が考えている緊急事態規定はどんなものか、見たことがあるか、まず政令(議会の承認なく内閣決定)は法律と同等効力を持つ。つまり、内閣総理大臣の意向が国会の審議を経ずに法律になる。次いでその法律には、「何人も公の機関の指示に従わなければならない」としている。さらに一定期間「国会の解散なし」である。何故一定期間国会の解散がないのか。政府が緊急事態と決めた時には国民の意思を問わないという事である。余りにもひどすぎる。

 「緊急事態条項について日本は特別の条項を持っていないから」というだけに理由で、安倍政権が意図する危険に無関心なのはどういうことなのか。自民党のいう緊急事態条項は緊急事態の名の下に「首相の独裁体制を作り、それを国民に従わせる」態勢を憲法で作ろうとしている」。論外のことを提言し、そしてその危険性を論じない日本はどうなっているのか。


A:事実関係①
 安倍晋三首相は11日の参院予算委員会で、憲法改正による緊急事態条項の創設について「国民の安全を守るため、国家、国民がどのような役割を果たしていくべきかを憲法に位置づけることは極めて重く、大切な課題だ」と述べ、重視する考えを示した。
 緊急事態条項は大災害発生時や有事の首相の権限強化、国会議員の任期延長などを定めるもの。昨年11月の衆院憲法審査会で、共産党を除く与野党7党が憲法に緊急事態条項を書き込むことに賛成している。
 首相は「憲法改正には国民の理解が必要不可欠だ。引き続き新しい時代にふさわしい憲法のあり方について、国民的な議論と理解が深まるよう努めたい」と改めて意欲を示した。(11.12産経新聞)


  事実関係②自民党改憲草案中抜粋
第九章 緊急事態
第98条(緊急事態の宣言)
1 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
第99条(緊急事態の宣言の効果)
1 緊急事態の宣言が発せられたときは、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
3 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
4 緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。



B:評価
 草案を読めば如何に酷いものであるかがわかる。もはや日本は民主主義国家ではない。首相の独裁体制を憲法で作ろうとしている。




3.私見~安倍政権の押し寄せる大政翼賛攻勢にどう反転攻勢するか~

 このような態勢は、安倍晋三を翼賛する日本会議などの極右団体、反動派財界、アメリカの軍産複合体などが背景にあり、さらに強力に弾圧と懐柔されたマスコミによる国民教化やヘイトスピーチ運動など極右民間運動が、保守反動極右の最たる安倍政権を支えている。さらに「おおさか維新の会」などの右派政党のみならず、民主党前原元代表の国会議員ら反共親自民の議員勢力が永田町を徘徊している。


 しかし、このような情勢下で若者から中高年まで広範な国民が立ち上がり、それは必ずしも日本共産党のもとにある勢力にとどまらない。今までの国民運動には収まりきれない、労働運動、60年安保闘争などを超える無党派市民の、反軍国主義、立憲主義を志向する自立した個人をもとにした反安倍政権の運動である。その点を見極めている志位和夫日本共産党委員長の政党・団体・個人の結集した「戦争法廃止の国民連合政府」提起は、民主党右派と維新の党などが目先の選挙協力や解党して大政党を構築しようという仕掛けにまさっている。

 すでに小沢一郎氏・山本太郎氏の「生活の党」、吉田党首の社民党は、「国民連合政府」に好意的参加を表明している。「緑の党」も参院選には国政に登場が予想される。さらに良識ある保守系無所属クラブも場合には参加しうる。志位共産党委員長のすぐれた見識は、単なる参院選対策ではなく、自らが「中期的展望」と銘打っていることである。参院選以降も、反安保法制の反戦に一致しうる広範な結集を地道に働き掛け続けていく。


 当面、福島県議選や大阪市・大阪府同日の選挙闘争の趨勢に注目し全国から応援したい。