ここへは寄りたかった。
現役っぽく発車が撮れるから。
北西から押し寄せる冬雲が仄かに色付く頃。
八五二二列車は篠目駅に居た。
峠越えしてぎりぎりの滑り込み。
レンガの給水塔と腕木信号・・・
すべてをドレインに包み篠目を出ていく。
感動の煙の往復だった。
2017年12月9日 篠目駅
今朝の新聞紙面で葉室さんの訃報に触れる。
電関人自身が、その精神の師とし仰いできた福岡出身の直木賞作家で享年66。
サラリーマン人生において、男子たるものかくあるべしと
座右の銘にしてきた、武士道の根底にある凛とした精神と切ない男女の物語には
氏の新作を読むたびに目頭を熱くした。
中でも、福岡の地名を織り交ぜながら一途で透き通った人間模様を綴った「千鳥舞う」が一番のお気に入り。
聖夜を迎える朝に悲しい悲しい知らせが舞い込んだものである。
そんな同郷の師に、わが実父を野辺送りしたときの山家の雪椿を添える。
合掌