https://www.msn.com/ja-jp/news/national/セクハラ音声公表でも全否定した財務省と麻生大臣「強気」の裏事情/ar-AAwrBae?ocid=spartandhp#page=2 ダイヤモンド・オンライン 大山 糺
2018/04/28 早々に福田辞任を決めた官邸に対して、続投を願った財務省の肩を持った麻生氏。財務省と麻生氏が強気に出た背景には、「官邸寄りのテレ朝だから名乗り出ないだろう」という傲慢な考えがあったようだ…
テレビ朝日の女性記者に対するセクハラ発言問題で、ついに財務省の福田淳一事務次官が辞任に追い込まれた。しかし、辞任に至るまでの経緯を見れば、本人や財務省がこぞって事実関係を否定するなど、悪あがきとも取れる迷走を続けたことは周知の通り。このスキャンダルの舞台裏では、いったい何が起きていたのか。(政界ウォッチャー 大山 糺)
音声データ暴露で“詰んだ”のに…財務省が福田辞任に反発
「女性の活躍」を掲げる安倍政権下で発覚した福田前次官のセクハラ問題。スクープを報じたのは4月12日発売の『週刊新潮』で、翌日には同誌のニュースサイトで「胸触っていい?」「手縛っていい?」といった福田氏のセクハラ発言とされる音声データも公開されている。
もともと福田前次官の女性記者に対する「セクハラ発言」は以前からかなり有名で、財務省内でも「やっと出たね」と言われるほど知られた話。この時点で、すでに“詰み”であり、辞任は避けられないものと思われた。
「実は官邸サイドでも、すぐに福田を辞めさせようという方針を決めていたそうです。それほど福田前次官はセクハラの常習犯だった」(社会部記者)
16日付の産経新聞が「官邸筋」の情報として「福田財務次官 更迭へ セクハラ疑惑 後任次官を選定」という記事を掲載していた通り、いったんは辞任への道筋が作られたことは間違いない。ところが、ここから事態は混沌とし始める。
財務省は16日になって、「セクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」との福田前次官に対する聴取結果を公表。加えて、「報道は事実と異なるものであり、私への名誉棄損に当たることから、現在、新潮社を提訴すべく、準備を進めている」として、福田前次官本人も疑惑を否定するコメントを発表した。
「財務省が官邸の意向に反して疑惑の否定に転じたのは、森友問題の影響があったからでしょう。というのも森友問題はいまだ決着のメドが立っておらず、長引けば長引くほど批判が強まるという状況です。そこに次官のセクハラ疑惑が加わっては、財務省の威信は地に落ちてしまう。そこで財務省は森友問題が決着するまでこのセクハラ疑惑も引っ張ろうとしたんです。2つの問題をいっしょくたに処分した方が、まだ傷口が小さくて済むという判断ですね」(同前)
官邸に待ったをかけた麻生大臣その後の放言で火に油
こうした財務省の意向を受けて、官邸に待ったをかけたのが麻生財務大臣だ。
「麻生財務大臣と安倍総理の関係は決して悪くありません。確かに福田次官を守れば政権の支持率が下がることは目に見えていました。ただ麻生大臣にしてみれば、森友問題も含めて、このところの官邸の失態の責任が、あまりにも財務省だけに押し付けられているという思いがあったのでしょう。麻生大臣に『俺がやるから、辞めさせるのはちょっと待て』と言われれば、菅官房長官や今井秘書官も強くは言えなかったのでは」(同前)
もっとも、大見えを切ったはずの麻生大臣は、自らの発言で更なる墓穴を掘ってしまう。
麻生大臣は、財務省から記者クラブ加盟の女性記者に向けた「福田氏から同様の行為を受けたことのある人は調査に協力をお願いしたい」という要請について、「被害者本人が名乗り出てこなければ、確認しようがない」「福田の人権は“なし”ってわけですか」と擁護論を展開し、「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」といった放言を連発。世論の反発に対し、まさに火に油を注ぐ結果となり、さすがの財務省も、福田氏の辞任を受け入れるしかなかったのだ。
そして実は、麻生大臣や財務省側の、「被害者が名乗り出なければ、セクハラは認定しない」という傲慢な方針の裏には、ある“勝算”があったと見られている。
周知の通り、18日になってテレビ朝日は、自社の女性記者がセクハラ行為を受けたとして財務省に抗議文を提出したことを発表している。テレ朝の篠塚浩報道局長は会見で、この疑惑を自社のメディアで報道しなかった理由を問われ、「(女性社員から相談を受けた上司が)今のメディア状況のなかで現実的には放送は難しい、と女性社員に説明した」としている。
これだけを見れば、問題があったのは直接の上司だけであり、テレ朝側は女性記者を守るために動いたようにも見えるが、実情はそう単純ではないという。
「あそこならどうにでもできる」ナメられていたテレビ朝日
「女性記者も報告を受けた上司も、テレ朝の上層部がこの問題に対応してくれないことを分かっていたからこそ、外部の週刊誌に持ち込むしかなかった、というのがメディアの見立てです。というのも、今のテレビ朝日が、かなりの官邸寄りであることは外部にもよく知られていますからね」(同前)
テレビ朝日の関連会社である「Abema TV」が“安倍礼賛番組”を放送していることは有名だ。他にも15年に、『報道ステーション』のレギュラーコメンテーターで安倍政権に批判的だった古賀茂明氏が、不可解な経緯で番組を降板させられた事件などからも、そのスタンスは明らかだろう。
さらに言えば官邸も財務省も、新潮の記事が出た段階で、すでにセクハラ被害を受けたのがテレビ朝日の記者であったことを把握していた可能性が極めて高いのだ。
「だからこそ、財務省も麻生大臣も、『できるものなら名乗り出てみろ』と強気に出ることができた。要するにテレ朝は、『あそこならどうにでもできる』とナメられたんです。麻生氏や財務省の思い上がりにはあきれるよりありません」
麻生大臣は、テレ朝の公表を受けて、「(抗議文が)もう少し大きな字で書いてもらった方が見やすいなと思った程度に読んだ」と、問題をちゃかすような発言をしており、福田次官が辞任をして以降も、「(自分の)進退については考えていない」と強気の姿勢を崩していない。
また、ネット上では安倍政権の擁護派を中心に、セクハラ被害を訴えた女性記者やテレビ朝日の上司に対する批判が噴出。個人名まで特定される騒ぎとなっている。しかし舞台裏を知れば、こうした批判の多くが、いかに的外れかが分かるはずだ。
政治家、官僚、そしてマスコミと、この国の劣化ぶりは、相当に深刻なようだ。
感想;
このような裏事情を流す人がいるということは、流すことでメリットを受ける人がいるということでしょう。
あるいは裏事情を推定しての記事なのかもしれません。
真実はなかなか分かりにくいですが、国民は出ている情報からでも、何が真実かを知り行動することが求められているのでしょう。
安倍首相は、「膿をすべて出し切り、解明することを約束します」と国民に言っています。
国民の多くは、「膿は安倍首相であり(お友だち優遇;加計学園、森友学園《元々のお友だちでなかったので切られた》、詩織さんのレイプ犯山口敬之の不起訴)、解明を阻止しているのが安部首相だ」と知っているのに、美辞麗句を並べる安倍首相を支持している人がまだまだ多いことは、それを良しとしている風潮があるのでしょう。
2018/04/28 早々に福田辞任を決めた官邸に対して、続投を願った財務省の肩を持った麻生氏。財務省と麻生氏が強気に出た背景には、「官邸寄りのテレ朝だから名乗り出ないだろう」という傲慢な考えがあったようだ…
テレビ朝日の女性記者に対するセクハラ発言問題で、ついに財務省の福田淳一事務次官が辞任に追い込まれた。しかし、辞任に至るまでの経緯を見れば、本人や財務省がこぞって事実関係を否定するなど、悪あがきとも取れる迷走を続けたことは周知の通り。このスキャンダルの舞台裏では、いったい何が起きていたのか。(政界ウォッチャー 大山 糺)
音声データ暴露で“詰んだ”のに…財務省が福田辞任に反発
「女性の活躍」を掲げる安倍政権下で発覚した福田前次官のセクハラ問題。スクープを報じたのは4月12日発売の『週刊新潮』で、翌日には同誌のニュースサイトで「胸触っていい?」「手縛っていい?」といった福田氏のセクハラ発言とされる音声データも公開されている。
もともと福田前次官の女性記者に対する「セクハラ発言」は以前からかなり有名で、財務省内でも「やっと出たね」と言われるほど知られた話。この時点で、すでに“詰み”であり、辞任は避けられないものと思われた。
「実は官邸サイドでも、すぐに福田を辞めさせようという方針を決めていたそうです。それほど福田前次官はセクハラの常習犯だった」(社会部記者)
16日付の産経新聞が「官邸筋」の情報として「福田財務次官 更迭へ セクハラ疑惑 後任次官を選定」という記事を掲載していた通り、いったんは辞任への道筋が作られたことは間違いない。ところが、ここから事態は混沌とし始める。
財務省は16日になって、「セクシャル・ハラスメントに該当する発言をしたという認識はない」との福田前次官に対する聴取結果を公表。加えて、「報道は事実と異なるものであり、私への名誉棄損に当たることから、現在、新潮社を提訴すべく、準備を進めている」として、福田前次官本人も疑惑を否定するコメントを発表した。
「財務省が官邸の意向に反して疑惑の否定に転じたのは、森友問題の影響があったからでしょう。というのも森友問題はいまだ決着のメドが立っておらず、長引けば長引くほど批判が強まるという状況です。そこに次官のセクハラ疑惑が加わっては、財務省の威信は地に落ちてしまう。そこで財務省は森友問題が決着するまでこのセクハラ疑惑も引っ張ろうとしたんです。2つの問題をいっしょくたに処分した方が、まだ傷口が小さくて済むという判断ですね」(同前)
官邸に待ったをかけた麻生大臣その後の放言で火に油
こうした財務省の意向を受けて、官邸に待ったをかけたのが麻生財務大臣だ。
「麻生財務大臣と安倍総理の関係は決して悪くありません。確かに福田次官を守れば政権の支持率が下がることは目に見えていました。ただ麻生大臣にしてみれば、森友問題も含めて、このところの官邸の失態の責任が、あまりにも財務省だけに押し付けられているという思いがあったのでしょう。麻生大臣に『俺がやるから、辞めさせるのはちょっと待て』と言われれば、菅官房長官や今井秘書官も強くは言えなかったのでは」(同前)
もっとも、大見えを切ったはずの麻生大臣は、自らの発言で更なる墓穴を掘ってしまう。
麻生大臣は、財務省から記者クラブ加盟の女性記者に向けた「福田氏から同様の行為を受けたことのある人は調査に協力をお願いしたい」という要請について、「被害者本人が名乗り出てこなければ、確認しようがない」「福田の人権は“なし”ってわけですか」と擁護論を展開し、「はめられて訴えられているんじゃないかとか、世の中にご意見ある」といった放言を連発。世論の反発に対し、まさに火に油を注ぐ結果となり、さすがの財務省も、福田氏の辞任を受け入れるしかなかったのだ。
そして実は、麻生大臣や財務省側の、「被害者が名乗り出なければ、セクハラは認定しない」という傲慢な方針の裏には、ある“勝算”があったと見られている。
周知の通り、18日になってテレビ朝日は、自社の女性記者がセクハラ行為を受けたとして財務省に抗議文を提出したことを発表している。テレ朝の篠塚浩報道局長は会見で、この疑惑を自社のメディアで報道しなかった理由を問われ、「(女性社員から相談を受けた上司が)今のメディア状況のなかで現実的には放送は難しい、と女性社員に説明した」としている。
これだけを見れば、問題があったのは直接の上司だけであり、テレ朝側は女性記者を守るために動いたようにも見えるが、実情はそう単純ではないという。
「あそこならどうにでもできる」ナメられていたテレビ朝日
「女性記者も報告を受けた上司も、テレ朝の上層部がこの問題に対応してくれないことを分かっていたからこそ、外部の週刊誌に持ち込むしかなかった、というのがメディアの見立てです。というのも、今のテレビ朝日が、かなりの官邸寄りであることは外部にもよく知られていますからね」(同前)
テレビ朝日の関連会社である「Abema TV」が“安倍礼賛番組”を放送していることは有名だ。他にも15年に、『報道ステーション』のレギュラーコメンテーターで安倍政権に批判的だった古賀茂明氏が、不可解な経緯で番組を降板させられた事件などからも、そのスタンスは明らかだろう。
さらに言えば官邸も財務省も、新潮の記事が出た段階で、すでにセクハラ被害を受けたのがテレビ朝日の記者であったことを把握していた可能性が極めて高いのだ。
「だからこそ、財務省も麻生大臣も、『できるものなら名乗り出てみろ』と強気に出ることができた。要するにテレ朝は、『あそこならどうにでもできる』とナメられたんです。麻生氏や財務省の思い上がりにはあきれるよりありません」
麻生大臣は、テレ朝の公表を受けて、「(抗議文が)もう少し大きな字で書いてもらった方が見やすいなと思った程度に読んだ」と、問題をちゃかすような発言をしており、福田次官が辞任をして以降も、「(自分の)進退については考えていない」と強気の姿勢を崩していない。
また、ネット上では安倍政権の擁護派を中心に、セクハラ被害を訴えた女性記者やテレビ朝日の上司に対する批判が噴出。個人名まで特定される騒ぎとなっている。しかし舞台裏を知れば、こうした批判の多くが、いかに的外れかが分かるはずだ。
政治家、官僚、そしてマスコミと、この国の劣化ぶりは、相当に深刻なようだ。
感想;
このような裏事情を流す人がいるということは、流すことでメリットを受ける人がいるということでしょう。
あるいは裏事情を推定しての記事なのかもしれません。
真実はなかなか分かりにくいですが、国民は出ている情報からでも、何が真実かを知り行動することが求められているのでしょう。
安倍首相は、「膿をすべて出し切り、解明することを約束します」と国民に言っています。
国民の多くは、「膿は安倍首相であり(お友だち優遇;加計学園、森友学園《元々のお友だちでなかったので切られた》、詩織さんのレイプ犯山口敬之の不起訴)、解明を阻止しているのが安部首相だ」と知っているのに、美辞麗句を並べる安倍首相を支持している人がまだまだ多いことは、それを良しとしている風潮があるのでしょう。