https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-02190071-sph-soci スポーツ報知2/19(水)
感染症対策を専門とする岩田健太郎氏(神戸大教授)が18日夜、動画投稿サイト「YouTube」で、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス内部の様子を“告発”した。過去に自身が経験した海外での感染対策を踏まえ、不十分だと指摘。「心の底から怖いと思った」、「カオス」などと語っている。
※※※※※※※※※※※※
神戸大学病院感染症内科で教授をしておりますが、今からお話しする内容は神戸大学ないし、所属する機関と一切関係なく、私個人の見解です。あらかじめ申し上げておきます。
今日2月18日にダイヤモンド・プリンセスに入ったのですが、1日で追い出されてしまいました。「なぜそういうことが起きたのか」について簡単にお話ししようと思います。
もともとダイヤモンド・プリンセスはすごくCOVID―19(新型コロナウイルス)の感染症がどんどん増えていくということで、「感染対策がすごくうまくいってないんじゃないか」という懸念がありました。
日本環境感染学会が入り、FETP(国立感染症研究所実地疫学専門家)が入り、まあ、あっという間に出て行ってしまって、中がどうなってるかよく分からないという状態でした。
中の方からいくつかメッセージをいただいて「すごく怖い」と。「感染が広がっていくんじゃないか」ということで、私に助けを求めてきたので、いろんな筋を通じて「何とか入れないか」という風に打診してたんですね。そしたら、昨日2月171日、厚労省で働いている某氏から電話が来て「入ってもいいよ」と。「やり方を考えましょう」ということでした。
最初は環境感染学会の人として入るという話だったのですが、環境感染学会は「もう中に人を入れない」という決まりを作ったので、「岩田1人を例外にできない」とお断りをされて、結局、「DMATのメンバーとして入ったらどうか」ということで、厚労省の方から頂いたので「分かりました」ということで、18日の朝に新神戸から新横浜に向かったんです。
そしたら途中で電話がかかってきて、「誰とは言えないが、非常に反対している人がいる」と。「入ってもらっては困る」ということで、DMATのメンバーで入るという話が立ち消えになりそうになりました。 すごく困ったのですが、「何とか方法を考える」ということで、新横浜で待っていたら、もう1回、電話がかかってきて「DMATの職員の下で感染対策の専門家ではなくて、DMATの一員として、DMATの仕事をただやるだけだったら入れてあげる」という非常に奇妙な電話をいただきました。
なぜそういう結論が出たのか分からないですが、「とにかく言うことを聞いて、DMATの中で仕事をしていて、だんだん顔が割れてきたら感染のこともできるかもしれないから、それでやってもらえないか」という非常に奇妙な依頼を受けたのですが、他に入る方法がないものですから「分かりました」と言って、現場に行きました。そして、ダイヤモンド・プリンセスに入ったわけです。
入って、ごあいさつをして、最初は「この人の下につけと言われた方にずっと従っているのかな」と思ったら、DMATのチーフドクターとお話をして、「お前にDMATの仕事は何も期待していない。どうせ専門じゃないし」ということで「お前、感染の仕事だろう。だったら感染の仕事をやるべきだ」という風に助言をいただきました。これ、DMATのトップの方ですね。現場のトップの方。 私はとにかく言うことを聞くという風に約束してましたので「感染のことをやれと言われた以上はやりましょう」ということで、現場の案内をしていただきながら、いろんな問題点というものを確認していった訳です。
それは、もうひどいものでした…。もう、この仕事を20年以上やっていてですね、アフリカのエボラ(出血熱)とか、中国のSARS(重症急性呼吸器症候群)とか、いろんな感染症と立ち向かってきました。もちろん身の危険も感じることも多々あったのですが、自分が感染症にかかる恐怖っていうのはそんなに感じたことはないです。
どうしてか、というと、僕はプロなので自分がエボラにかからない方法、自分がSARSにかからない方法を知ってるわけです。あるいは他の人をエボラにしない、他の人をSARSにしない方法、とか。施設の中でどういう風にすれば、感染がさらに広がらないかということも熟知しているからです。それが分かっているから、ど真ん中にいても怖くない。
アフリカにいても中国にいても怖くなかった訳ですが、ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から「怖い」と思いました。「これはもう、COVID―19に感染してもしょうがないんじゃないか」と本気で思いました。
レッドゾーンとグリーンゾーンと言うのですが、ウイルスが全くない安全なゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないゾーンというのをきちっと分けて、レッドゾーンでは完全に防護服をつけ、グリーンゾーンでは何もしなくていい、と。こういう風にきちっと区別することによって、ウイルスから身を守るのは我々の世界の鉄則です。
ところが、ダイヤモンドプリンセスの中は、グリーンもレッドもぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない。
ウイルスって目に見えないですから、完全なそういう区分けをすることで初めて自分の身を守るのですが、もうどこの手すりとどこのじゅうたん、どこにウイルスがいるのかさっぱり分からない状態。いろんな人がアドホック(限定的に)にPPE(防護服)をつけてみたり、手袋をはめてみたり、マスクをつけてみたり、つけなかったりするわけです。
クルーの方もN95(マスク)をつけてみたり、つけなかったり。熱のある方が、自分の部屋から歩いて、医務室に行ったりするというのが、通常で行われているということです。
私が聞いた限りでは、DMATの職員、それから厚労省の方、検疫機関の方がPCR検査で陽性になったという話を聞いていたのですが、「それはもうむべなるかな」と思いました。中の方に聞いたら、「いやー、我々もう自分たちが感染するものと思ってますよ」という風に言われて、びっくりした訳です。
我々がこういう感染症のミッションに出る時は必ず自分たち、医療従事者の身を守るというのが大前提。自分たちの感染リスクをほったらかしにして、患者さんとか一般の方々に立ち向かうのはご法度、ルール違反です。
環境感染学会やFETPが入って数日で出て行ったという話を聞いた時に、「どうしてだろう」と思ったのですが、中の方は「自分たちが感染するのが怖かったんじゃない」という風におっしゃっていた人もいたんですが、気持ちはよく分かります。
なぜなら感染症のプロだったら、あんな環境にいたら、ものすごく怖くてしょうがないからです。僕も怖かったです。今、某ちょっと言えない部屋にいますけど、自分自身も隔離して、診療も休んで、家族とも会わずに、ヤバイんじゃないかと個人的にもすごく思っています。
今、私がウイルスの感染を起こしていても全く不思議はない。どんなにPPEとか、手袋とかあってもですね、安全と安全じゃない所というのをちゃんと区別できていないと、そんなもの何の役にも立たない。
レッドゾーンでだけPPEをきちっとつけて、それを安全に脱ぐということを順守して初めて、自らの安全を守れる。自らの安全が保障できない時、他の方の安全なんか守れない。
もう今日は藤田医科大(愛知県岡崎市)の人を送ったり、搬送したりというのを、みなさんすごく忙しくしていたのですが、そうすると検疫所の方と一緒に歩いていて、ひゅっと患者さんとすれ違ったりするんです。「今、患者さんとすれ違っちゃった」と、笑顔で職員の方が言ってるんですね。この超非常識なことを平気でみなさんやっていて、みんなそれについて何も思っていない、と。
聞いたら、そもそも常駐しているプロの感染対策の専門家が一人もいない。時々いらっしゃる方がいるのですが、彼らも結局「ヤバいな」と思っているのですが、誰も進言できない。進言しても聞いてもらえない。やっているのは厚労省の官僚たち。
私も厚労省のトップの方に相談しました。話をしましたけど、ものすごく嫌な顔をされました。聞く耳を持つ気ない、と。「何でお前こんなとこにいるんだ」、「何でお前がそんなこと言うんだ」みたいな感じで、知らん顔するということです。非常に冷たい態度をとられました。DMATの方にも「そのようなことで、夕方のカンファレンスで何か提言申し上げてもよろしいですか」と聞いて「いいですよ」という話をしていたのですが、突如として夕方5時ぐらいに電話がかかってきて、「お前は出ていきなさい」と。「検疫の許可は与えない」と。
臨時の検疫官として入っていたのですが、その許可を取り消すということで、資格をとられて、検疫所の方に連れられて、当初電話をくれた厚労省にいる人に会って、「何でDMATの下でDMATの仕事をしなかったんだ。感染管理の仕事をするな、と言ったじゃないか」と言われました。 「DMATの方にそもそも感染管理してくれと言われたんですよ」と話をしたのですが、「とにかく岩田に対してすごいムカついた人がいる」と。「誰とは言えないけどムカついた」と。「だから、もうお前は出ていくしかないんだ」という話をしました。
「でも、僕がいなくなったら、今度、感染対策をするプロが一人もいなくなっちゃいますよ」という話をしたのですが「それは構わないんですか」と聞いたんです。それからこのままだともっと何百人という感染者が起きて…。
DMATの方を責める気はさらさらなくて、あの方々はまったく感染のプロではないですから、どうも環境感染学会の方が入った時にいろいろ言われて、DMATの方が感染のプロたちにすごく嫌な思いをしていたらしいんですね。それは「申し訳ないな」と思うのですが、別に「彼らが悪い」と全然思わない。専門領域が違いますから。
しかしながら、彼らが実はリスクの状態にいるわけです。自分たちが感染するという。それを防ぐこともできるわけです。方法はちゃんとありますから。ところがその方法すら知らされずに、自分たちをリスク下に置いている、と。そして、そのチャンスを奪い取ってしまうという状態です。 彼らは医療従事者ですから、帰ると自分たちの病院で仕事するわけで、今度はそこからまた院内感染が広がってしまいかねない。で、もうこれは、あの、大変なことで、アフリカや中国なんかに比べると全然、ひどい感染対策をしている。シエラレオネなんかの方がよっぽどましでした。
日本にCDC(疾病対策センター)がないとはいえ、まさかここまでひどいとは思ってなくて。もうちょっと専門家が入って、専門家が責任を取って、リーダーシップをとって、ちゃんと感染対策についてのルールを決めて、やってるんだろうと思ったのですが、まったくそんなことはない訳です。とんでもないことな訳です。拙い英語でも収録させて頂きましたがとにかく多くの方にダイヤモンドプリンセスで起きていることというのを、ちゃんと知って頂きたいと思います。できるならば、学術界とかあるいは、国際的な団体たちに日本に変わるように促して頂きたいと思います。 考えてみると、2003年のSARSの時に僕も北京にいて、すごく大変だったんですが、特に大変だったのは中国が情報公開を十分してくれなかったというのがすごくつらくて。何が起きてるのかよく分からないというので、北京にいて本当に怖かった。
でも、その時ですら、もうちょっとキチっと情報は入ってきたし、少なくとも対策の仕方は明確で、自分自身が感染するリスク、SARSは死亡率10%で怖かったですけども、しかしながら今回のCOVID―19、少なくとも、ダイヤモンドプリンセスの中のカオスな状態よりは遙かに楽でした。
で、思い出して頂きたいのは、COVID―19が中国の武漢ではやり出した時に、警鐘を鳴らしたドクターがソーシャルネットワークを使って「これはやばい」ということを勇気を持って言ったわけです。
昔の中国だったら、ああいうメッセージが外に出るのは絶対許さなかったはずですが、中国は今、BBCのニュースなんかを聞くと、オープンネスとトランスペアレンスを大事にしているとアピールしています。 それがどこまで正しいのか、僕は知りませんけど、少なくとも「透明性があること、情報公開をちゃんとやることが国際的な信用を勝ち得る上で大事なんだ」ということは理解している、らしい。中国は世界の大国になろうとしていますから、そこをしっかりやろうとしている。
ところが、日本は、ダイヤモンドプリンセンスの中で起きていることは全然情報を出していない。それから、院内感染が起きているかどうかは、発熱のオンセットをちゃんと記録して、それからカーブを作っていくという統計手法、エピカーブというのがあるのですが、そのデータを全然取っていないということを教えてもらいました。PCRの検査をした日をカウントしても感染の状態は分からない訳です。
このことも、実は厚労省の方にすでに申し上げていたのですが、何日も前に。全然されていないということで、要は院内の感染がどんどん起きていても、それにまったく気づかなければ、気付いてもいない訳で対応すらできない。専門家もいない、と。ぐちゃぐちゃな状態になったままでいるわけです。
このことを日本のみなさん、あるいは世界のみなさんが知らぬままになっていて、特に外国のみなさんなんかはそうやって、悪いマネジメントでずっとクルーズ船なんかで感染のリスクに耐えなきゃいけなかったということですね。
やはりこれは日本の失敗なわけですが、それを隠すともっと失敗な訳です。
確かにまずい対応であるとバレるということは恥ずかしいことかもしれないですけど、これを隠蔽するともっと恥ずかしい。やはり、情報公開は大事なんですね。誰も情報公開しない以上はここでやるしかない訳です。
ぜひ、この悲惨な現実を知っていただきたいということと、ダイヤモンド・プリンセスの中の方々、それからDMAT、DPAT、厚労省の方々がですね。あるいは検疫所の方がもっとちゃんとプロフェッショナルのプロテクション(保護)を受けて、安全に仕事ができるように。
「彼ら本当にお気の毒でした」ということで、「まったく役に立てなくて非常に申し訳ないな」という思いと、僕の大きな問題意識をみなさんと共有したくて、この動画をあげさせていただきました。
報知新聞社
感想;
危機を感じて、自分のことよりも国民のことを考えて勇気ある発言をされたのでしょう。
国立大学の教授が発言すると、大学の助成金を減らされる、研究室の予算を減らされるので、なかなか発言できません。
しかし、今のままだとさらに感染が広がるとのリスクを感じて国民のことを心配して発言されたのでしょう。
今後政府がそう言うことが無いか、国民が監視しておく必要があります。
そうしないと発言が出なくなります。
米国の感染専門家が、クルーズ船内は感染のホットスポットだったので、どんどん感染者が増えたと発言されていました。
TVによく出ている、元国立衛生研究所の某大学教授の素人的なかつ政府寄りのコメントよりも、岩田教授のような人をゲストとして招いていただきたいです。
今、病院の現場の医者、看護師、薬剤師からの問題指摘が出ています。
危機の時に適切なトップを抱かないとリスクが拡大してしまいます。
魚は頭が腐ると全体が腐る。
そうならないと良いのですが。
BSのTBSで元外務副大臣の佐藤正久氏がコメントしていますがトンチンカンです。
ピークを抑えなければならないと発言されています。
問題はどうピークを抑えるかが問われているのです。
新型コロナウイルスは30℃、湿度80%でも流行しているとのこと。
春になればインフルエンザは減るように思っていると減らない可能性があるとのことです。
梅雨まで我慢すれば落ち着くとの楽観的な観測は裏切られる可能性があるそうです。
今PCR検査は国の指示がないと、民間の病院やクリニックでは検査ができなかったそうです。
これからはできるようになったそうです。
きっとこれから感染者が増えるでしょう。
感染症対策を専門とする岩田健太郎氏(神戸大教授)が18日夜、動画投稿サイト「YouTube」で、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス内部の様子を“告発”した。過去に自身が経験した海外での感染対策を踏まえ、不十分だと指摘。「心の底から怖いと思った」、「カオス」などと語っている。
※※※※※※※※※※※※
神戸大学病院感染症内科で教授をしておりますが、今からお話しする内容は神戸大学ないし、所属する機関と一切関係なく、私個人の見解です。あらかじめ申し上げておきます。
今日2月18日にダイヤモンド・プリンセスに入ったのですが、1日で追い出されてしまいました。「なぜそういうことが起きたのか」について簡単にお話ししようと思います。
もともとダイヤモンド・プリンセスはすごくCOVID―19(新型コロナウイルス)の感染症がどんどん増えていくということで、「感染対策がすごくうまくいってないんじゃないか」という懸念がありました。
日本環境感染学会が入り、FETP(国立感染症研究所実地疫学専門家)が入り、まあ、あっという間に出て行ってしまって、中がどうなってるかよく分からないという状態でした。
中の方からいくつかメッセージをいただいて「すごく怖い」と。「感染が広がっていくんじゃないか」ということで、私に助けを求めてきたので、いろんな筋を通じて「何とか入れないか」という風に打診してたんですね。そしたら、昨日2月171日、厚労省で働いている某氏から電話が来て「入ってもいいよ」と。「やり方を考えましょう」ということでした。
最初は環境感染学会の人として入るという話だったのですが、環境感染学会は「もう中に人を入れない」という決まりを作ったので、「岩田1人を例外にできない」とお断りをされて、結局、「DMATのメンバーとして入ったらどうか」ということで、厚労省の方から頂いたので「分かりました」ということで、18日の朝に新神戸から新横浜に向かったんです。
そしたら途中で電話がかかってきて、「誰とは言えないが、非常に反対している人がいる」と。「入ってもらっては困る」ということで、DMATのメンバーで入るという話が立ち消えになりそうになりました。 すごく困ったのですが、「何とか方法を考える」ということで、新横浜で待っていたら、もう1回、電話がかかってきて「DMATの職員の下で感染対策の専門家ではなくて、DMATの一員として、DMATの仕事をただやるだけだったら入れてあげる」という非常に奇妙な電話をいただきました。
なぜそういう結論が出たのか分からないですが、「とにかく言うことを聞いて、DMATの中で仕事をしていて、だんだん顔が割れてきたら感染のこともできるかもしれないから、それでやってもらえないか」という非常に奇妙な依頼を受けたのですが、他に入る方法がないものですから「分かりました」と言って、現場に行きました。そして、ダイヤモンド・プリンセスに入ったわけです。
入って、ごあいさつをして、最初は「この人の下につけと言われた方にずっと従っているのかな」と思ったら、DMATのチーフドクターとお話をして、「お前にDMATの仕事は何も期待していない。どうせ専門じゃないし」ということで「お前、感染の仕事だろう。だったら感染の仕事をやるべきだ」という風に助言をいただきました。これ、DMATのトップの方ですね。現場のトップの方。 私はとにかく言うことを聞くという風に約束してましたので「感染のことをやれと言われた以上はやりましょう」ということで、現場の案内をしていただきながら、いろんな問題点というものを確認していった訳です。
それは、もうひどいものでした…。もう、この仕事を20年以上やっていてですね、アフリカのエボラ(出血熱)とか、中国のSARS(重症急性呼吸器症候群)とか、いろんな感染症と立ち向かってきました。もちろん身の危険も感じることも多々あったのですが、自分が感染症にかかる恐怖っていうのはそんなに感じたことはないです。
どうしてか、というと、僕はプロなので自分がエボラにかからない方法、自分がSARSにかからない方法を知ってるわけです。あるいは他の人をエボラにしない、他の人をSARSにしない方法、とか。施設の中でどういう風にすれば、感染がさらに広がらないかということも熟知しているからです。それが分かっているから、ど真ん中にいても怖くない。
アフリカにいても中国にいても怖くなかった訳ですが、ダイヤモンド・プリンセスの中はものすごい悲惨な状態で、心の底から「怖い」と思いました。「これはもう、COVID―19に感染してもしょうがないんじゃないか」と本気で思いました。
レッドゾーンとグリーンゾーンと言うのですが、ウイルスが全くない安全なゾーンと、ウイルスがいるかもしれない危ないゾーンというのをきちっと分けて、レッドゾーンでは完全に防護服をつけ、グリーンゾーンでは何もしなくていい、と。こういう風にきちっと区別することによって、ウイルスから身を守るのは我々の世界の鉄則です。
ところが、ダイヤモンドプリンセスの中は、グリーンもレッドもぐちゃぐちゃになっていて、どこが危なくて、どこが危なくないのか全く区別がつかない。
ウイルスって目に見えないですから、完全なそういう区分けをすることで初めて自分の身を守るのですが、もうどこの手すりとどこのじゅうたん、どこにウイルスがいるのかさっぱり分からない状態。いろんな人がアドホック(限定的に)にPPE(防護服)をつけてみたり、手袋をはめてみたり、マスクをつけてみたり、つけなかったりするわけです。
クルーの方もN95(マスク)をつけてみたり、つけなかったり。熱のある方が、自分の部屋から歩いて、医務室に行ったりするというのが、通常で行われているということです。
私が聞いた限りでは、DMATの職員、それから厚労省の方、検疫機関の方がPCR検査で陽性になったという話を聞いていたのですが、「それはもうむべなるかな」と思いました。中の方に聞いたら、「いやー、我々もう自分たちが感染するものと思ってますよ」という風に言われて、びっくりした訳です。
我々がこういう感染症のミッションに出る時は必ず自分たち、医療従事者の身を守るというのが大前提。自分たちの感染リスクをほったらかしにして、患者さんとか一般の方々に立ち向かうのはご法度、ルール違反です。
環境感染学会やFETPが入って数日で出て行ったという話を聞いた時に、「どうしてだろう」と思ったのですが、中の方は「自分たちが感染するのが怖かったんじゃない」という風におっしゃっていた人もいたんですが、気持ちはよく分かります。
なぜなら感染症のプロだったら、あんな環境にいたら、ものすごく怖くてしょうがないからです。僕も怖かったです。今、某ちょっと言えない部屋にいますけど、自分自身も隔離して、診療も休んで、家族とも会わずに、ヤバイんじゃないかと個人的にもすごく思っています。
今、私がウイルスの感染を起こしていても全く不思議はない。どんなにPPEとか、手袋とかあってもですね、安全と安全じゃない所というのをちゃんと区別できていないと、そんなもの何の役にも立たない。
レッドゾーンでだけPPEをきちっとつけて、それを安全に脱ぐということを順守して初めて、自らの安全を守れる。自らの安全が保障できない時、他の方の安全なんか守れない。
もう今日は藤田医科大(愛知県岡崎市)の人を送ったり、搬送したりというのを、みなさんすごく忙しくしていたのですが、そうすると検疫所の方と一緒に歩いていて、ひゅっと患者さんとすれ違ったりするんです。「今、患者さんとすれ違っちゃった」と、笑顔で職員の方が言ってるんですね。この超非常識なことを平気でみなさんやっていて、みんなそれについて何も思っていない、と。
聞いたら、そもそも常駐しているプロの感染対策の専門家が一人もいない。時々いらっしゃる方がいるのですが、彼らも結局「ヤバいな」と思っているのですが、誰も進言できない。進言しても聞いてもらえない。やっているのは厚労省の官僚たち。
私も厚労省のトップの方に相談しました。話をしましたけど、ものすごく嫌な顔をされました。聞く耳を持つ気ない、と。「何でお前こんなとこにいるんだ」、「何でお前がそんなこと言うんだ」みたいな感じで、知らん顔するということです。非常に冷たい態度をとられました。DMATの方にも「そのようなことで、夕方のカンファレンスで何か提言申し上げてもよろしいですか」と聞いて「いいですよ」という話をしていたのですが、突如として夕方5時ぐらいに電話がかかってきて、「お前は出ていきなさい」と。「検疫の許可は与えない」と。
臨時の検疫官として入っていたのですが、その許可を取り消すということで、資格をとられて、検疫所の方に連れられて、当初電話をくれた厚労省にいる人に会って、「何でDMATの下でDMATの仕事をしなかったんだ。感染管理の仕事をするな、と言ったじゃないか」と言われました。 「DMATの方にそもそも感染管理してくれと言われたんですよ」と話をしたのですが、「とにかく岩田に対してすごいムカついた人がいる」と。「誰とは言えないけどムカついた」と。「だから、もうお前は出ていくしかないんだ」という話をしました。
「でも、僕がいなくなったら、今度、感染対策をするプロが一人もいなくなっちゃいますよ」という話をしたのですが「それは構わないんですか」と聞いたんです。それからこのままだともっと何百人という感染者が起きて…。
DMATの方を責める気はさらさらなくて、あの方々はまったく感染のプロではないですから、どうも環境感染学会の方が入った時にいろいろ言われて、DMATの方が感染のプロたちにすごく嫌な思いをしていたらしいんですね。それは「申し訳ないな」と思うのですが、別に「彼らが悪い」と全然思わない。専門領域が違いますから。
しかしながら、彼らが実はリスクの状態にいるわけです。自分たちが感染するという。それを防ぐこともできるわけです。方法はちゃんとありますから。ところがその方法すら知らされずに、自分たちをリスク下に置いている、と。そして、そのチャンスを奪い取ってしまうという状態です。 彼らは医療従事者ですから、帰ると自分たちの病院で仕事するわけで、今度はそこからまた院内感染が広がってしまいかねない。で、もうこれは、あの、大変なことで、アフリカや中国なんかに比べると全然、ひどい感染対策をしている。シエラレオネなんかの方がよっぽどましでした。
日本にCDC(疾病対策センター)がないとはいえ、まさかここまでひどいとは思ってなくて。もうちょっと専門家が入って、専門家が責任を取って、リーダーシップをとって、ちゃんと感染対策についてのルールを決めて、やってるんだろうと思ったのですが、まったくそんなことはない訳です。とんでもないことな訳です。拙い英語でも収録させて頂きましたがとにかく多くの方にダイヤモンドプリンセスで起きていることというのを、ちゃんと知って頂きたいと思います。できるならば、学術界とかあるいは、国際的な団体たちに日本に変わるように促して頂きたいと思います。 考えてみると、2003年のSARSの時に僕も北京にいて、すごく大変だったんですが、特に大変だったのは中国が情報公開を十分してくれなかったというのがすごくつらくて。何が起きてるのかよく分からないというので、北京にいて本当に怖かった。
でも、その時ですら、もうちょっとキチっと情報は入ってきたし、少なくとも対策の仕方は明確で、自分自身が感染するリスク、SARSは死亡率10%で怖かったですけども、しかしながら今回のCOVID―19、少なくとも、ダイヤモンドプリンセスの中のカオスな状態よりは遙かに楽でした。
で、思い出して頂きたいのは、COVID―19が中国の武漢ではやり出した時に、警鐘を鳴らしたドクターがソーシャルネットワークを使って「これはやばい」ということを勇気を持って言ったわけです。
昔の中国だったら、ああいうメッセージが外に出るのは絶対許さなかったはずですが、中国は今、BBCのニュースなんかを聞くと、オープンネスとトランスペアレンスを大事にしているとアピールしています。 それがどこまで正しいのか、僕は知りませんけど、少なくとも「透明性があること、情報公開をちゃんとやることが国際的な信用を勝ち得る上で大事なんだ」ということは理解している、らしい。中国は世界の大国になろうとしていますから、そこをしっかりやろうとしている。
ところが、日本は、ダイヤモンドプリンセンスの中で起きていることは全然情報を出していない。それから、院内感染が起きているかどうかは、発熱のオンセットをちゃんと記録して、それからカーブを作っていくという統計手法、エピカーブというのがあるのですが、そのデータを全然取っていないということを教えてもらいました。PCRの検査をした日をカウントしても感染の状態は分からない訳です。
このことも、実は厚労省の方にすでに申し上げていたのですが、何日も前に。全然されていないということで、要は院内の感染がどんどん起きていても、それにまったく気づかなければ、気付いてもいない訳で対応すらできない。専門家もいない、と。ぐちゃぐちゃな状態になったままでいるわけです。
このことを日本のみなさん、あるいは世界のみなさんが知らぬままになっていて、特に外国のみなさんなんかはそうやって、悪いマネジメントでずっとクルーズ船なんかで感染のリスクに耐えなきゃいけなかったということですね。
やはりこれは日本の失敗なわけですが、それを隠すともっと失敗な訳です。
確かにまずい対応であるとバレるということは恥ずかしいことかもしれないですけど、これを隠蔽するともっと恥ずかしい。やはり、情報公開は大事なんですね。誰も情報公開しない以上はここでやるしかない訳です。
ぜひ、この悲惨な現実を知っていただきたいということと、ダイヤモンド・プリンセスの中の方々、それからDMAT、DPAT、厚労省の方々がですね。あるいは検疫所の方がもっとちゃんとプロフェッショナルのプロテクション(保護)を受けて、安全に仕事ができるように。
「彼ら本当にお気の毒でした」ということで、「まったく役に立てなくて非常に申し訳ないな」という思いと、僕の大きな問題意識をみなさんと共有したくて、この動画をあげさせていただきました。
報知新聞社
感想;
危機を感じて、自分のことよりも国民のことを考えて勇気ある発言をされたのでしょう。
国立大学の教授が発言すると、大学の助成金を減らされる、研究室の予算を減らされるので、なかなか発言できません。
しかし、今のままだとさらに感染が広がるとのリスクを感じて国民のことを心配して発言されたのでしょう。
今後政府がそう言うことが無いか、国民が監視しておく必要があります。
そうしないと発言が出なくなります。
米国の感染専門家が、クルーズ船内は感染のホットスポットだったので、どんどん感染者が増えたと発言されていました。
TVによく出ている、元国立衛生研究所の某大学教授の素人的なかつ政府寄りのコメントよりも、岩田教授のような人をゲストとして招いていただきたいです。
今、病院の現場の医者、看護師、薬剤師からの問題指摘が出ています。
危機の時に適切なトップを抱かないとリスクが拡大してしまいます。
魚は頭が腐ると全体が腐る。
そうならないと良いのですが。
BSのTBSで元外務副大臣の佐藤正久氏がコメントしていますがトンチンカンです。
ピークを抑えなければならないと発言されています。
問題はどうピークを抑えるかが問われているのです。
新型コロナウイルスは30℃、湿度80%でも流行しているとのこと。
春になればインフルエンザは減るように思っていると減らない可能性があるとのことです。
梅雨まで我慢すれば落ち着くとの楽観的な観測は裏切られる可能性があるそうです。
今PCR検査は国の指示がないと、民間の病院やクリニックでは検査ができなかったそうです。
これからはできるようになったそうです。
きっとこれから感染者が増えるでしょう。