幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

幸せに生きるには幸せな考え方をすること 笑顔のレシピは自分が創ることだと思います。笑顔が周りを幸せにし自分も幸せに!

「うつ病は重症でも2週間で治る、もし…… 『つらい生き方』をやめる心理学」加藤諦三著 ”自分の心配より、人のことを思いやれるか?”

2021-07-04 02:28:28 | 本の紹介
・本書のタイトルは、オーストリアの高名な精神科医アルフレッド・アドラーが、重症のうつ病者が助けを求めてきたときに述べた言葉から引いている。「もし」に続く言葉は、「毎朝あなたがまず最初にすることが、どうしたら人を本当に喜ばせてあげることができるかを考えることであり、そしてそれに固執すれば」である。

・うつ病は、今の生き方、考え方を続けてはいけないという、自然からの警告である。

・「うつ病は重症でも2週間で治る」というのは、うつ病者に対して「あなたが変われば、うつ病は治る」という意味である。

・人は生きているからこそ感動がある。しかしうつ病者は、その感動すること自体ができなくなっているのである。

・「嫌われないための努力」は今すぐやめよう。

・うつ病になるような人は、「自分の家」に鍵をかけていない。うつ病になるような人は、「家」に中に誰かが入ってきても「出ていってくれ」といえない。

・じつは「小決断不能症」というのは、多くの場合、小さな「どうでもいいこと」で迷っているのではない。心の底では、大きな生き方を決めかねているのである。今の自分に自信がない。

・ハーバード大学の心理学教授エレン・ランガーの「Mindfulness」という本に、ネズミの実験が出ている。
実験用のネズミを氷水に入れてもすぐに溺れない。なんと40時間から60時間も泳いでいる。しかしすぐに水に入れないで、ネズミを捕まえて、もがくのをやめるまで押さえておく。それから水に入れると、泳がないで30分で溺れて死んでしまうという。ネズミはもがくのを押さえられて無気力になったのである。無気力とは対処能力の喪失である。

・つまり本当に他人に喜びを運んでいくことを毎朝考え、さらにそれを実行するのは難しいが、実行すればうつ病は2週間で治る。

・シーベリー
「あなたは困難を解決することに注意を向けなければいけません。自分自身に注意を向ける必要はありません」

・うつ病になった人は好きなことをしてこなかった。というよりも、好きなことをしてこなかったという感覚そのものがないことがある。

・人は愛されるから、愛する気持ちが出てくる。そして自分の側に思いやりの気持ちが出てきてはじめて、人の思いやりの気持ちを感じられる。

・タバコの吸い殻を道路に捨てていく人を見ればわかる。心が満たされていない顔をしている。歩き方からして欲求不満を表している。しかしそれを片付ける人は、心が満足している顔をしている。

・うつ病者は本当にしたいことをして生きていない。だから生きることがつらいのである。

・趣味がもてるような人であれば、もともとうつ病にはならない。趣味がもてないようなパーソナリティーだから、うつ病になったのである。小さい頃からの楽しいという体験が積み重なって、大人になって趣味がもてる。それなのにうつ病者に「趣味をもちなさい」というアドバイスをする人は、手足を縛られている人を水の中に放り込んで、「泳ぎなさい」とアドバイスするようなものである。まず、手足を縛っている縄をほどいてあげることであろう。そうすれば「趣味をもて」といわなくても、趣味をもつだろう。

・だからまずとにかく「何もしなくても、一緒にいるだけで楽しい」というような人を見つけることである。

・周囲の人間の質の悪さと、本人の弱さと愚かさがうつ病の原因である。
うつ病になった人は、自分がうつ病になったという事実から目をそらしてはならない。

・うつ病になるような人は「お願いします」がいえないと同時に「できません」がいえない。

・うつ病者は、「人がどう思うか」などということをどうしても捨てられない。悪く思われることを恐れる。それは、人の好意で自分を守ろうとしているからである。でも今周りにいる人は、彼らを守らない。だから好きなもので生きていくしかないのである。

・うつ病者は、環境を変えないと2週間では治らない。

・ウェインバーグの著作の中から、抑うつを撃退する方法のひとつを引用しておく。
「強い感情、とくに怒りを抑えないことです。あなたは友達が来るというので、何時間も買い物をしたり、夕食の支度をしたりしたのに、最後の最後になってキャンセルしてきたとします。不愉快だと彼女にいってやりましょう。『あら、いいのよ』なんといわないことです。よくなかったではありませんか。酷い扱いを受けて諦めていると、その酷い扱いが、自分に相応だと思えてきます。そして習字そんあ目にあうようになってしまいます」

・うつ病者特有の考え方
1) 本質的な欠乏感
 ・うつ病になるような人の努力はふたつの特徴がある
 ① 「自分が嫌いなこと」に努力している。
 ② 「自分を守るため」の努力である。たとえば陰で人を守るための努力などはしない。
 ・うつ病になる人が色々と勘違いするのは、相手を見ていないで生きているからである。
 ・見返りを求めるから、相手が見えなくなる。
2) 悲観的な見通し
 ・うつ病者は好きなことをしてこなかった。人から評価してもらうために、あまりにも長いこと無理をしてきた、長いこと努力して、嫌いなことをしてきた。
 ・「将来は何かいいことがある」と思える人は、今の苦しいことに耐えられるし、何よりも焦りがない。
 ・逆境に強い人は困難を自分への挑戦と受け止めるが、うつ病になるような人はそう解釈できない。困難な事態を自分への挑戦と受け取るよりも先に、「何でオレがこんな酷い目にあわなければならないのだ」と思ってしまう。 
3) 弱点の捉え方 
 ・アーロン・ベッグ
「失敗したことを、自分の弱点と結びつけて解釈する」 
配偶者に浮気されても、「私の愛が足りなかったから」と自分の弱点と結びつけて解釈する。
 ・セリングマンはうつ病の中心的症状として、
「消極的見通し」と「受け身」の他に、「無力感」を述べている。この3つこそ、生きるエネルギーがないということを表している。
 ・うつ病者の場合、この悲観的な見通してあるペシミズムが完全主義と結びついている。
その1回の失敗で人生がダメになると思う。それで何かをするときに「ひとつも失敗できない」と必死になる。そのような考え方、感じ方をすれば、当然ストレスが高まる。
 ・なぜ「ひとつの失敗」をそれほどおそれるのであろうか。それにはふたつ原因がある。
 ① すでに生きるエネルギーが限界にきているからである。毎日がギリギリのところで生きている。
 ② その「一つの失敗」で自分の正体がバレると思っているからである。
 ・うつ病者は「自分の失敗や弱点などを誇張する反面、自分の素晴らしい特徴を無視したり、過小評価する」
4) うつ病を取り巻く「誤解」と「疑問」
 ・うつ病者には罪悪感がある。つまりうつ病者はなにもしないことに苦しんでいる。怠け者には罪悪感がない。むしろ何もしていないことを楽しんでいる。 
 ・アーロン・ベック
「うつ病者は極端な言葉で考える」
 ・ちょっとしたことが「絶望のタネ」になる。
 ・「私には何もない」という。そんなことを目の不自由な人が聞いたらどう思うか?
 ・うつ病者は欲張り、だから眠れない。
 ・うつ病になった人は、信じていたものが信じるに値しなかったと認めることである。そこから再生が始まる。
 
・うつ病治癒の道
 ・うつ病者にとって、必要なことは何か。それは、自分の心を正面から見つめることである。自分の憎しみを意識することである。
 ・「弱い心」を受け入れる。
 ・「等身大の自分」でいるから、うまくいく。
 ・自己犠牲は依存心の裏返し
 ・うつ病になるような人は「私は誰からも、私の幸せを考えてもらったことはない」と、はっきり自覚することである。
 ・小さい頃から心に手錠をかけられていた。心はつねに牢獄に入っていた。
 ・自分の生き方が見えない限り、うつ病は治らない。

・今、「ありのままの自分」を探しにいこう。

・「ありのままの自分」に気づく以外に、うつ病を本当に治すことはできないだろう。
 ・自分に素直に生きる
 ・「心配」は「幸せ」を運ばない
 ・「つらい」「死にたい」は心のサイン

・うつ病者は相手のいうことを聞こうという意志がないから、なかなか治らない。

・うつ病を治したあなたへ
 ・人生が楽しくないのは、問題を解決する意志がないからである。
 ・うつ病者は問題を解決することにエネルギーが向かないで、「つらい、つらい」と騒ぐことにエネルギーが向いてしまう。

・自分を「好き」になる生き方
 ・結果として「うつ」になった。その事実と向き合うことである。
 ・「相手を喜ばせたい」と思えますか?
 ・現実を受けいれるから、新しい未来が開ける。

・「メサイア・コンプレックス
 本当は相手を犠牲にして自分が救われようとしているのに、言葉としては「相手のため」にしていることになる。

・「うつ病が2週間で治る」という意味を私が翻訳すると、「自己執着がなくなれば、うつ病は2週間で治る」ということである。

・うつ病になるような人は、自分のことばかりを考えている。
 ひとのことを考えられるようになれば眠れるし、うつ病は回復に向かう。人の幸せを祈れる人間になること、それは憎しみが解消しているということである。そうすればうつ病は重症でも2週間で治る。いや2日で治る。いやもう治っている。

・「好かれたい」「認められたい」気持ちを手放す。

・アドラーは、よく患者に「私たちは誰でも、あなたのいうような困難はもっている。いやもっとすごい困難をもっている、でも私たちは、それにそんなに深刻な意味を付与していない」といったという。
アドラーのいうことを「患者の苦しみを理解していない」と捉えるのではなく、「患者の注意を自分の外に向けようとした」と捉えるのが正しいだろう。

感想
2週間でうつ病が治ると言ったら、多くの医者が否定されるでしょう。
なぜなら、治せないからです。

またうつ病者が聞けば、「私の苦しさがわかっていない」と思われるでしょう。
どうしようもないのですと。

人は自分の幸せを追求しても、結局幸せに到達することが難しいと言われています。
そこには、誰かのために何かのためにがあって、それに向かって行動した結果、幸せを感じるからです。

水谷修著「夜回り先生」の本にあるエピソードがありました。
中学生がずーっと引きこもっています。
水谷先生に時々電話していました。
あるとき、朝、近所のかなりのお歳のおばあさんが重いゴミを持ってゴミ出しをしている話を水水谷先生に話しました。
水谷先生が「おばあさんのゴミ出し手伝ってみたら?」とアドバイスしました。
その子は素直にそれをやりました。
それを何回かしている内に、おばあさんが「ありがとうね。お茶でも飲まない」と家に誘ってくれました。
それがきっかけで、引きこもりから脱出しました。
何もできない自分が、おばあさんに喜んでもらえたとの実感が大きかったようです。

ナチの支配下、ユダヤ人は仕事がなくなりました。
若いユダヤ人はうつ病を発症し、ヴィクトール・フランクル(『夜と霧』著者)のところを訪れます。
フランクルも仕事を取り上げられ、ユダヤ人しか診ることができませんでした。
そこで、うつ病になった若者に、老人ホームでボランティア活動を進めました。
そうするとうつ病で苦しんでいた若者が元気になって来たそうです。
それがヒントの一つになって「ロゴセラピー」に辿り着きました。

まさに自分に目を向けている内は、なかなかよくなりません。
外へ、つまり周りの人のために何かをしているとそれがブーメランのように自分に返って来ていたので。
ヴィクトール・フランクルをはそのことを下記の言葉で言い表せています。
「扉は外に向かって開いている」

できないことが多いと思います。
できない理由もたくさん言えます。
実際なにかやるのは大変だと思います。
でも治りたいなら、誰かのためになにかできることを考え、少しでも行動していくと少しずつ良くなっていくのでしょう。
この本はそのことを言いたいのだと思いました。

薬は手助けになりますが、幸せにしてくれません。
多くの精神科医が自分がうつになっても治せなかったのが、自分の話をすることや何かをすることでよくなったことを本に記されています。

できれば、うつ病になる前に読んで、ワクチンみたいに、うつ病になりそうな大きなストレスがあったときに、そのストレスを軽減させてくれるように思います。

何より、人生を楽しむことです。
楽しいことは待っていても来ません。
楽しいと思うことを創り出すことなのだと思います。
行ってみたいところへ行く。
話したい人と話をする。
自分にご褒美を与える。
その楽しいことが、生きるエネルギーになり、かつストレスに耐える力を与えてくれるように思います。