・医療少年院では、新しく入ってきたすべての少年に対して、毎回2時間ほどかけて面接を行っていました。一番ショックだったのが、
1) 簡単な足し算や引き算ができない
2) 漢字が読めない
3) 簡単な図形が写せない
4) 短い文章する復唱できない
といった少年が大勢いたことでした。見る力、聞く力、見えないものを想像する力がとても弱く、そのせいで勉強が苦手というだけでなく、話を聞き間違えたり、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗したり、イジメに遭ったりしていたのです。そして、それが非行の原因にもなっていることを知ったのです。
・大体、小学校2年生くらいから勉強についていけなくなり、友達から馬鹿にされたり、イジメに遭ったり、先生からは不真面目だと思われたり、家庭内で虐待を受けていたりします。そして学校に行かなくなったり、暴力や万引きなど様々な問題行動を起こしたりし始めます。しかし、小学校では「厄介な子」として扱われるだけで、軽度知的障害や境界知能があったとしても、その生涯に気づかれることは殆どありません。
・非行は突然降ってきません。生まれてから現在の非行まで、全て繋がっています。もちろん多くの支援者がさまざまな場面で関わってきた例もあります。でもその支援がうまくいかず、どうにも手に負えなくなった子どもたちが、最終的に行き着くところが少年院だったです。子どもが少年院に行くということはある意味、“教育の敗北”でもあるのです。
・「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
私が驚いたのは約8割の少年が「自分はやさしい人間だ」とこたえたことでした。どんなにひどい犯罪を行った少年たちでも同様でした。
「君は〇〇して、人が亡くなったけど、それは殺人ですね。それでも君はやさしい人間なの?」
と聞いてみますと、そこで初めて「あー、やさしくないです」と答えるのです。
・ケーキの切れない非行少年たち
「ここに丸いケーキがあります。3人で食べるとしたらどうやって切りますか? 皆が平等になるように切って下さい」
「では5人で食べるときは?」
・世の中には「どうしてそんな馬鹿なことをしたのか」と思わざるを得ないような事件が多いですが、そこにも“後先を考える力の弱さ”が出ているのです。
・非行少年に共通する特徴「5点セット+1」
1) 認知機能の弱さ 見たり聞いたり想像する力が弱い
2) 感情統制の弱さ 感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる
3) 融通の利かなさ なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い
4) 不適切な自己評価 自分の問題点が分からない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる
5) 対人スキルの乏しさ 人とのコミュニケーションが苦手
+1 身体的不器用さ 力加減ができない、身体の使い方が不器用
・ストレス発散のために性非行
私の勤務していた医療少年院では、性非行少年がいつも多くの割合を占めていました。そしてほぼ例外なく(95%くらいでしょうか)、彼らは小学校や中学校でイジメ被害に遭っていました。
・気持ちの日記というものを書かせたことがありました。
・よかったこと そのときの気持ち
・悪かったこと そのときの気持ち
1) 僕はみんなと同じように掃除をやっていたのに、先生は僕だけしていないと言ったのでむかついた
2) なんで先生は僕ばかり注意するのか腹がたった
3) 電話がなっていたので先生に教えてあげたのにやかましいと言われた。親切に教えたのにむかついた
・自分に自信がないと自我が脆くて傷つきやすいので、“また俺の失敗を指摘しやがって”と攻撃的になったり、“どうせ俺なんていつも駄目だし・・・”と過剰に卑下したりして、他者の言葉を好意的に受け取れないのです。
・“怒り”の感情は冷静な思考を止めてしまい、ある出来事に対して考えずにすぐに反応する(すぐにキレる)という行動につながりがちなのです。我々大人でもカッとなったら判断を誤ることがありますが、子どもならなおされです。
・感情は多くの行動の動機づけである。厄介なのは「ストレス発散に、〇〇をしたい」という文章の〇〇に、“万引き”“痴漢”などといった不適切な言葉が入る場合です。不適切な感情が不適切な行動を生み出してしまいます。これに対処する方法としては、
1) ストレスが溜まらないように生活を見直す
2) 〇〇に“スポーツ”、“買い物”などを代わりに入れる
3) 〇〇したい気持ちを下げる
といったのもが考えられます。
・BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)
日常生活でさまざまな困難が生じますが、BADSを使うとその困難の程度がよくわかります。
・融通の利かなさが被害感につながる
少年院の少年たちにとくに感じたことの一つに、「変に被害感が強い」ということがあります。
1) ひょっとしたら自分の勘違いじゃないか?
2) 気のせいじゃないか?
3) ワザとじゃないのでは?
といった考えが全く出てこないのです。
・不適切な自己評価
1) 自分のことは棚に上げて、他人の欠点ばかり指摘する
2) どんなにひどい犯罪を行っていても自分はやさしい人間だという
3) プライドが変に高い、変に自信を持っている、逆に極端に自分に自信がない
・心理学者のゴードン・ギャラップは、集団の中で普通に育った野生のチンパンジーと、集団から隔離して飼育したチンパンジーの自己認知の発達を比較しました。すると、隔離して飼育したチンパンジーには自己認知能力を示す兆候がみられなかったことが判明しました。
自己を適切に知るには、人との説活を通して他者コミュニケーションを行う中で、適切にサインを出し合い、相手の反応をみながら自己にフィードバックするという作業を、数多くこなすことが必要なのです。
・対人スキルが弱いとどうなるのか?
1) 嫌なことを断れない 悪友からの悪い誘いを断れないなど
2) 助けを求めることができない イジメに遭っても他者に助けを求めることができないなど
・身体的不器用さの特徴
1) 力加減ができない
2) 物をよく壊す
3) 左右が分からない
4) 姿勢が悪い
5) じっと座っていられない
・障害
1次障害 障害自体によるもの
2次障害 周囲から障害を理解されず、学校などで適切な支援が受けられなかったことによるもの
3次障害 非行化して矯正施設に入ってもさらに理解されず、厳しい指導を受け一層悪化する
4次障害 社会に出てからもさらに理解されず、偏見もあり、仕事が続かず再非行に繋がる
・「獄窓記」山本譲司著
刑務所の中は凶悪犯罪者ばかり、と思っていた山本氏が実際に目にしたのは、障害をもった沢山ンの受刑者でした。
・「性の問題行動をもつ子どものためのワークブック-発達障害・知的障害のある児童・青年の理解と支援」宮口幸治/川上ちひろ共著
・“彼らが変わろうと思ったきっかけは何か?”
1) 家族のありがた味、苦しみを知ったとき
2) 被害者の視点に立てたとき
3) 将来の目標が決まったとき
4) 信用できる人に出会えたとき
5) 人と話す自信がついたとき
6) 勉強が分かったとき
7) 大切な役割を任されたとき
8) 物事に集中できるようになったとき
9) 最後まで諦めずにやろうと思ったとき
10) 集団生活の中で自分の姿に気が付いたとき
共通するのは「自己への気づき」と「自己評価の向上」
・私はだんだんと指導するのが嫌になり、投げやりになりました。とうとう私は、教えたり問題を出したりするのを止め、文句を言っていた少年たちに「では替わりにやってくれ」と彼らを前に出させ、私は少年側の席に移りました。彼らに私の苦労を体験させようと思ったのです。
ところが、そこで驚くことが起きました。私を無視していた少年たちが「ボクにやらせて下さい」「ボクが教えます」と先を争って前に出てきたのです。そして、とても楽しそうに皆に問題を出したり、得意そうに他の少年に答えを教えたりし始めたのです。前に出ていない他の少年たちも必死です。同じ立場の少年から出された問題に答えられなくては恥ずかしい、自分が前に出たときに無視されたら嫌だ、といった気持ちが生じたのです。皆真剣にトレーニングに参加するようになりました。表情も生き生きとしてきました。
・少年たちは
1) 人に教えてみたい
2) 人から頼りにされたい
3) 人から認められたい
という気持ちを強く持っていることを知りました。そしてそれが自己評価の向上に繋がっていくのです。
・子どもへの社会面、学習面、身体面の三支援
・ワーキングメモリーを含む認知機能向上への支援として有効な、「コグトレ(認知機能強化トレーニング)」
認知機能を構成する5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)に対応する「覚える」「教える」「写す」「見つける」「想像する」の5つのトレーニングからなっています。
・「1日5分! 教室で使えるコグトレ」宮口幸治著
・「脳が殺す-連続殺人犯:前頭葉の“秘密”」ジョナサン・ピンカス著(およそ150人もの殺人犯と面接した米国ジョージタウン大学医学部教授)
・「性犯罪はある種の発達上の問題ではないか」という仮説
・犯罪者を納税者に
刑務所にいる受刑者を一人養うのに、施設運営費や人件費を含め年間約300万円かかるという試算があります。平均的な勤労者の場合、消費税なども考慮すると、大雑把に計算して一人当たり年間100万円程度は何らかの形で税金を納めています。一人の受刑者を納税者に変えればおよそ400万円の経済効果になります。
感想;
「反省させると犯罪者になります」 岡本茂樹著 "人は自分がされたことを、人にして返すものです"
著者が立命館大学の岡本茂樹教授が亡くなられたのでその後任として着任されたそうです。
”反省以前の少年たち”がいっぱいいることを伝えたいと思われたそうです。
脳の機能障害/学習障害に対する十分な理解/教育支援がない、イジメられたなどにより、ストレスををエネルギーにできずに後先考える力もなく安易に非行に走っているとのことです。
面倒な子、手のかかる子とのことでその子どもたちまで手が回っていないのが現状のようです。
ある面、社会の犠牲者なのかもしれません。
ひきこもり100万人超:日本では家族単位で社会から孤立する
生活保護申請1.8%増加、昨年10月
受給しているのは163万6723世帯
犯罪行為に至っていないが社会支援が必要な人々も多くいます。
今は働けない人も多くいます。
神輿に例えると、神輿を担ぐ人(納税者)、神輿にぶら下がっている人(社会支援を受けている人)
神輿にぶら下がる人を神輿を担ぐ人にすることは国の安全だけでなく、人の幸せにもなるのだと思います。
そういった社会支援、弱い層への社会支援が弱いのではないでしょうか?
貧困の連鎖が続いているように思います。
1) 簡単な足し算や引き算ができない
2) 漢字が読めない
3) 簡単な図形が写せない
4) 短い文章する復唱できない
といった少年が大勢いたことでした。見る力、聞く力、見えないものを想像する力がとても弱く、そのせいで勉強が苦手というだけでなく、話を聞き間違えたり、周りの状況が読めなくて対人関係で失敗したり、イジメに遭ったりしていたのです。そして、それが非行の原因にもなっていることを知ったのです。
・大体、小学校2年生くらいから勉強についていけなくなり、友達から馬鹿にされたり、イジメに遭ったり、先生からは不真面目だと思われたり、家庭内で虐待を受けていたりします。そして学校に行かなくなったり、暴力や万引きなど様々な問題行動を起こしたりし始めます。しかし、小学校では「厄介な子」として扱われるだけで、軽度知的障害や境界知能があったとしても、その生涯に気づかれることは殆どありません。
・非行は突然降ってきません。生まれてから現在の非行まで、全て繋がっています。もちろん多くの支援者がさまざまな場面で関わってきた例もあります。でもその支援がうまくいかず、どうにも手に負えなくなった子どもたちが、最終的に行き着くところが少年院だったです。子どもが少年院に行くということはある意味、“教育の敗北”でもあるのです。
・「僕はやさしい人間です」と答える殺人少年
私が驚いたのは約8割の少年が「自分はやさしい人間だ」とこたえたことでした。どんなにひどい犯罪を行った少年たちでも同様でした。
「君は〇〇して、人が亡くなったけど、それは殺人ですね。それでも君はやさしい人間なの?」
と聞いてみますと、そこで初めて「あー、やさしくないです」と答えるのです。
・ケーキの切れない非行少年たち
「ここに丸いケーキがあります。3人で食べるとしたらどうやって切りますか? 皆が平等になるように切って下さい」
「では5人で食べるときは?」
・世の中には「どうしてそんな馬鹿なことをしたのか」と思わざるを得ないような事件が多いですが、そこにも“後先を考える力の弱さ”が出ているのです。
・非行少年に共通する特徴「5点セット+1」
1) 認知機能の弱さ 見たり聞いたり想像する力が弱い
2) 感情統制の弱さ 感情をコントロールするのが苦手。すぐにキレる
3) 融通の利かなさ なんでも思いつきでやってしまう。予想外のことに弱い
4) 不適切な自己評価 自分の問題点が分からない。自信があり過ぎる、なさ過ぎる
5) 対人スキルの乏しさ 人とのコミュニケーションが苦手
+1 身体的不器用さ 力加減ができない、身体の使い方が不器用
・ストレス発散のために性非行
私の勤務していた医療少年院では、性非行少年がいつも多くの割合を占めていました。そしてほぼ例外なく(95%くらいでしょうか)、彼らは小学校や中学校でイジメ被害に遭っていました。
・気持ちの日記というものを書かせたことがありました。
・よかったこと そのときの気持ち
・悪かったこと そのときの気持ち
1) 僕はみんなと同じように掃除をやっていたのに、先生は僕だけしていないと言ったのでむかついた
2) なんで先生は僕ばかり注意するのか腹がたった
3) 電話がなっていたので先生に教えてあげたのにやかましいと言われた。親切に教えたのにむかついた
・自分に自信がないと自我が脆くて傷つきやすいので、“また俺の失敗を指摘しやがって”と攻撃的になったり、“どうせ俺なんていつも駄目だし・・・”と過剰に卑下したりして、他者の言葉を好意的に受け取れないのです。
・“怒り”の感情は冷静な思考を止めてしまい、ある出来事に対して考えずにすぐに反応する(すぐにキレる)という行動につながりがちなのです。我々大人でもカッとなったら判断を誤ることがありますが、子どもならなおされです。
・感情は多くの行動の動機づけである。厄介なのは「ストレス発散に、〇〇をしたい」という文章の〇〇に、“万引き”“痴漢”などといった不適切な言葉が入る場合です。不適切な感情が不適切な行動を生み出してしまいます。これに対処する方法としては、
1) ストレスが溜まらないように生活を見直す
2) 〇〇に“スポーツ”、“買い物”などを代わりに入れる
3) 〇〇したい気持ちを下げる
といったのもが考えられます。
・BADS(遂行機能障害症候群の行動評価)
日常生活でさまざまな困難が生じますが、BADSを使うとその困難の程度がよくわかります。
・融通の利かなさが被害感につながる
少年院の少年たちにとくに感じたことの一つに、「変に被害感が強い」ということがあります。
1) ひょっとしたら自分の勘違いじゃないか?
2) 気のせいじゃないか?
3) ワザとじゃないのでは?
といった考えが全く出てこないのです。
・不適切な自己評価
1) 自分のことは棚に上げて、他人の欠点ばかり指摘する
2) どんなにひどい犯罪を行っていても自分はやさしい人間だという
3) プライドが変に高い、変に自信を持っている、逆に極端に自分に自信がない
・心理学者のゴードン・ギャラップは、集団の中で普通に育った野生のチンパンジーと、集団から隔離して飼育したチンパンジーの自己認知の発達を比較しました。すると、隔離して飼育したチンパンジーには自己認知能力を示す兆候がみられなかったことが判明しました。
自己を適切に知るには、人との説活を通して他者コミュニケーションを行う中で、適切にサインを出し合い、相手の反応をみながら自己にフィードバックするという作業を、数多くこなすことが必要なのです。
・対人スキルが弱いとどうなるのか?
1) 嫌なことを断れない 悪友からの悪い誘いを断れないなど
2) 助けを求めることができない イジメに遭っても他者に助けを求めることができないなど
・身体的不器用さの特徴
1) 力加減ができない
2) 物をよく壊す
3) 左右が分からない
4) 姿勢が悪い
5) じっと座っていられない
・障害
1次障害 障害自体によるもの
2次障害 周囲から障害を理解されず、学校などで適切な支援が受けられなかったことによるもの
3次障害 非行化して矯正施設に入ってもさらに理解されず、厳しい指導を受け一層悪化する
4次障害 社会に出てからもさらに理解されず、偏見もあり、仕事が続かず再非行に繋がる
・「獄窓記」山本譲司著
刑務所の中は凶悪犯罪者ばかり、と思っていた山本氏が実際に目にしたのは、障害をもった沢山ンの受刑者でした。
・「性の問題行動をもつ子どものためのワークブック-発達障害・知的障害のある児童・青年の理解と支援」宮口幸治/川上ちひろ共著
・“彼らが変わろうと思ったきっかけは何か?”
1) 家族のありがた味、苦しみを知ったとき
2) 被害者の視点に立てたとき
3) 将来の目標が決まったとき
4) 信用できる人に出会えたとき
5) 人と話す自信がついたとき
6) 勉強が分かったとき
7) 大切な役割を任されたとき
8) 物事に集中できるようになったとき
9) 最後まで諦めずにやろうと思ったとき
10) 集団生活の中で自分の姿に気が付いたとき
共通するのは「自己への気づき」と「自己評価の向上」
・私はだんだんと指導するのが嫌になり、投げやりになりました。とうとう私は、教えたり問題を出したりするのを止め、文句を言っていた少年たちに「では替わりにやってくれ」と彼らを前に出させ、私は少年側の席に移りました。彼らに私の苦労を体験させようと思ったのです。
ところが、そこで驚くことが起きました。私を無視していた少年たちが「ボクにやらせて下さい」「ボクが教えます」と先を争って前に出てきたのです。そして、とても楽しそうに皆に問題を出したり、得意そうに他の少年に答えを教えたりし始めたのです。前に出ていない他の少年たちも必死です。同じ立場の少年から出された問題に答えられなくては恥ずかしい、自分が前に出たときに無視されたら嫌だ、といった気持ちが生じたのです。皆真剣にトレーニングに参加するようになりました。表情も生き生きとしてきました。
・少年たちは
1) 人に教えてみたい
2) 人から頼りにされたい
3) 人から認められたい
という気持ちを強く持っていることを知りました。そしてそれが自己評価の向上に繋がっていくのです。
・子どもへの社会面、学習面、身体面の三支援
・ワーキングメモリーを含む認知機能向上への支援として有効な、「コグトレ(認知機能強化トレーニング)」
認知機能を構成する5つの要素(記憶、言語理解、注意、知覚、推論・判断)に対応する「覚える」「教える」「写す」「見つける」「想像する」の5つのトレーニングからなっています。
・「1日5分! 教室で使えるコグトレ」宮口幸治著
・「脳が殺す-連続殺人犯:前頭葉の“秘密”」ジョナサン・ピンカス著(およそ150人もの殺人犯と面接した米国ジョージタウン大学医学部教授)
・「性犯罪はある種の発達上の問題ではないか」という仮説
・犯罪者を納税者に
刑務所にいる受刑者を一人養うのに、施設運営費や人件費を含め年間約300万円かかるという試算があります。平均的な勤労者の場合、消費税なども考慮すると、大雑把に計算して一人当たり年間100万円程度は何らかの形で税金を納めています。一人の受刑者を納税者に変えればおよそ400万円の経済効果になります。
感想;
「反省させると犯罪者になります」 岡本茂樹著 "人は自分がされたことを、人にして返すものです"
著者が立命館大学の岡本茂樹教授が亡くなられたのでその後任として着任されたそうです。
”反省以前の少年たち”がいっぱいいることを伝えたいと思われたそうです。
脳の機能障害/学習障害に対する十分な理解/教育支援がない、イジメられたなどにより、ストレスををエネルギーにできずに後先考える力もなく安易に非行に走っているとのことです。
面倒な子、手のかかる子とのことでその子どもたちまで手が回っていないのが現状のようです。
ある面、社会の犠牲者なのかもしれません。
ひきこもり100万人超:日本では家族単位で社会から孤立する
生活保護申請1.8%増加、昨年10月
受給しているのは163万6723世帯
犯罪行為に至っていないが社会支援が必要な人々も多くいます。
今は働けない人も多くいます。
神輿に例えると、神輿を担ぐ人(納税者)、神輿にぶら下がっている人(社会支援を受けている人)
神輿にぶら下がる人を神輿を担ぐ人にすることは国の安全だけでなく、人の幸せにもなるのだと思います。
そういった社会支援、弱い層への社会支援が弱いのではないでしょうか?
貧困の連鎖が続いているように思います。