https://news.yahoo.co.jp/byline/aizawafuyuki/20211031-00265756相澤冬樹記者(元NHK)10/31(日) 6:06
期日前投票後に投票済の証明を手にする赤木雅子さん(本人提供)
「夫の上司はきっと自民に投票する。森友事件を再調査“しない”自民党に。再調査されたら自分たちの不正、国有地取引や公文書改ざんの真相が暴かれてしまうから」
…そう思ったのは赤木雅子さん(50)。夫の赤木俊夫さんは財務省近畿財務局の職員だった。森友学園との土地取引に関する公文書の改ざんに反対したのに作業をやらされ、それを告発する文書を遺して命を絶った。雅子さんは、真相を知るための再調査を国に求めているが、安倍・菅政権、そして岸田政権も再調査を拒否している。
そんな雅子さんが、きのう30日、総選挙投票日前日に期日前投票に出かけると…
森友再調査が選挙の最重要テーマに
期日前投票が行われている地元の区役所では、すごい行列ができていた。会場に上がるエレベーターになかなか乗ることができない。こんなこと、今まではなかった。みんな今回は選挙に関心があるのだろう。
ヤフーニュースの「みんなの意見」というアンケートでは、衆院選で最も重視するテーマとして、「森友問題の再調査」がダントツで1位になっている。54万人もの方が投票し、その3割の方が再調査に賛同してくれるとは、素晴らしいことだ。
夫の上司たちはきっと自民に投票する
行列に並んでいる時、雅子さんはふとある人のことを思い出した。夫、俊夫さんの上司だった池田靖さん。森友学園に国有地を8億円も値引きして売却した担当者。取引の経緯を記した公文書を改ざんするため、俊夫さんを日曜日に呼び出した。俊夫さんはそれまで池田さんのことを信頼していたのに…。
俊夫さんの死後、池田さんは雅子さんに、8億円の値引きにきちんとした根拠がないことを認めた。その音声データがある。不当な値引きだったことを隠すために改ざんをしたのだろう。なのに池田さんは公の場で一度も説明をしていない。雅子さんにも、もう会わないという。
この話は、週刊文春で繰り返し記事にしている。以下のリンクで2ページ目の下にある見出し、「池田さんも『値引きに根拠が足りないこと』を認めている」という部分を読むとわかる。
https://bunshun.jp/articles/-/46635
そのうち雅子さんは、はたと気づいた。池田さんも投票に行くだろう。きっと自民党に投票するだろう。「再調査はしない」と言う自民党に。再調査されては困るから。不正な国有地取引や公文書改ざんの真相が暴かれてしまうから。
池田さんだけじゃない。その上司、当時の管財部長で神戸信用金庫に天下った楠敏志さん。さらに上の近畿財務局長だった美並義人さんも。
「全責任を負う」と言いながら天下り
美並さんは近畿財務局長から東京国税局長に栄転していた。さらにあす11月1日からは日本郵便の専務執行役員に天下るという。ネットの記事に出ている。衆院選の真っただ中で、世間の目が選挙戦に向いているうちに、ひっそりと。
赤木俊夫さんが命を絶つ直前に遺した手記には、美並さんが改ざんについて「全責任を負う」と発言したと書かれている。ところが日本郵政は、美並さんが「改ざんについて知らなかった」と認識しているそうだ。俊夫さんが死の間際にウソを書いたとでもいうのだろうか?
俊夫さんは手記の中で「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」と書いた上で、経緯を以下のように記している。
《(改ざんの)第一回目は昨年(2017年)2月26日(日)のことです。当日15時30分頃、出勤していた池田靖統括官から本省の指示の作業が多いので、手伝って欲しいとの連絡を受け、役所に出勤(16時30分頃登庁)するよう指示がありました。
その後の3月7日頃にも、修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました。楠管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局中村総務課長をはじめ田村国有財産審理室長などから楠部長(に)直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並近畿財務局長(に)報告したと承知しています。
美並局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと楠部長から聞きました》
これがウソだというなら、堂々と出てきて証言してもらいたい。彼ら俊夫さんの上司たちは一度も公の場で説明していない。
赤木俊夫さんの手記全文を掲載した週刊文春2020年3月26日号は53万部が完売した(筆者撮影)
美並さんも楠さんも池田さんも、事件に関わった財務本省や近畿財務局の人たちはみんな、自民党に投票するに違いない。再調査されないため。不正への関与を知られないため。
でも、それでは赤木俊夫さんは浮かばれない。俊夫さんは土地取引に関わっていないから経緯を知らない。なのに、いや、だからこそ?取引の経緯を記した公文書の改ざんをさせられた。あまりにひどい話だ。
与野党問わず「森友再調査」に賛同する人を応援
赤木雅子さんはもともと自民党員だ。だから別に反自民というわけじゃない。判断の基準はあくまで再調査をするかしないか。再調査するというなら自民党でも応援するが、そんな政治家は自民党にはほとんどいない。今でもそう言っているのは石破茂さんくらいではないか。
一方、野党には「再調査すべき」と言う人が多い。そういう国会議員が増えて、再調査を実現してほしい。雅子さんにとっては与党も野党も関係ない。
雅子さんが期日前投票を終えて外に出ると、神戸新聞が出口調査を行っていた。すべての質問にこころよく答えた。どこに投票したかはここではナイショだそうだが、少なくとも自民党ではないだろう。
この調査で、投票にあたり重視したことを選ぶ質問では、いい選択肢がなく迷ったという。大阪で共産党の人たちが街頭で行っていたアンケート調査では、選択肢に「国政の私物化 きちんと説明を」という項目があった。
共産党の街頭アンケートには「政治の私物化 きちんと説明を」という選択肢がある(筆者撮影)
出口調査でこの項目があれば、当然それを選んだだろう。だが一番はやはりヤフーの「みんなの意見」だ。ずばり「森友問題の再調査」が選択肢にある。もちろんそれを選ぶ、筆者も。
https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/42663/result
衆議院総選挙。きょう31日はいよいよ投票日です。
皆さん、投票に行きましょう!私も行きます。
感想;
たかが一票、されど一票
その一票が国を良くし、未来を明るくします。
投票に行ってきます。
期日前投票後に投票済の証明を手にする赤木雅子さん(本人提供)
「夫の上司はきっと自民に投票する。森友事件を再調査“しない”自民党に。再調査されたら自分たちの不正、国有地取引や公文書改ざんの真相が暴かれてしまうから」
…そう思ったのは赤木雅子さん(50)。夫の赤木俊夫さんは財務省近畿財務局の職員だった。森友学園との土地取引に関する公文書の改ざんに反対したのに作業をやらされ、それを告発する文書を遺して命を絶った。雅子さんは、真相を知るための再調査を国に求めているが、安倍・菅政権、そして岸田政権も再調査を拒否している。
そんな雅子さんが、きのう30日、総選挙投票日前日に期日前投票に出かけると…
森友再調査が選挙の最重要テーマに
期日前投票が行われている地元の区役所では、すごい行列ができていた。会場に上がるエレベーターになかなか乗ることができない。こんなこと、今まではなかった。みんな今回は選挙に関心があるのだろう。
ヤフーニュースの「みんなの意見」というアンケートでは、衆院選で最も重視するテーマとして、「森友問題の再調査」がダントツで1位になっている。54万人もの方が投票し、その3割の方が再調査に賛同してくれるとは、素晴らしいことだ。
夫の上司たちはきっと自民に投票する
行列に並んでいる時、雅子さんはふとある人のことを思い出した。夫、俊夫さんの上司だった池田靖さん。森友学園に国有地を8億円も値引きして売却した担当者。取引の経緯を記した公文書を改ざんするため、俊夫さんを日曜日に呼び出した。俊夫さんはそれまで池田さんのことを信頼していたのに…。
俊夫さんの死後、池田さんは雅子さんに、8億円の値引きにきちんとした根拠がないことを認めた。その音声データがある。不当な値引きだったことを隠すために改ざんをしたのだろう。なのに池田さんは公の場で一度も説明をしていない。雅子さんにも、もう会わないという。
この話は、週刊文春で繰り返し記事にしている。以下のリンクで2ページ目の下にある見出し、「池田さんも『値引きに根拠が足りないこと』を認めている」という部分を読むとわかる。
https://bunshun.jp/articles/-/46635
そのうち雅子さんは、はたと気づいた。池田さんも投票に行くだろう。きっと自民党に投票するだろう。「再調査はしない」と言う自民党に。再調査されては困るから。不正な国有地取引や公文書改ざんの真相が暴かれてしまうから。
池田さんだけじゃない。その上司、当時の管財部長で神戸信用金庫に天下った楠敏志さん。さらに上の近畿財務局長だった美並義人さんも。
「全責任を負う」と言いながら天下り
美並さんは近畿財務局長から東京国税局長に栄転していた。さらにあす11月1日からは日本郵便の専務執行役員に天下るという。ネットの記事に出ている。衆院選の真っただ中で、世間の目が選挙戦に向いているうちに、ひっそりと。
赤木俊夫さんが命を絶つ直前に遺した手記には、美並さんが改ざんについて「全責任を負う」と発言したと書かれている。ところが日本郵政は、美並さんが「改ざんについて知らなかった」と認識しているそうだ。俊夫さんが死の間際にウソを書いたとでもいうのだろうか?
俊夫さんは手記の中で「元は、すべて、佐川理財局長の指示です」と書いた上で、経緯を以下のように記している。
《(改ざんの)第一回目は昨年(2017年)2月26日(日)のことです。当日15時30分頃、出勤していた池田靖統括官から本省の指示の作業が多いので、手伝って欲しいとの連絡を受け、役所に出勤(16時30分頃登庁)するよう指示がありました。
その後の3月7日頃にも、修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました。楠管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局中村総務課長をはじめ田村国有財産審理室長などから楠部長(に)直接電話があり、応じることはやむを得ないとし、美並近畿財務局長(に)報告したと承知しています。
美並局長は、本件に関して全責任を負うとの発言があったと楠部長から聞きました》
これがウソだというなら、堂々と出てきて証言してもらいたい。彼ら俊夫さんの上司たちは一度も公の場で説明していない。
赤木俊夫さんの手記全文を掲載した週刊文春2020年3月26日号は53万部が完売した(筆者撮影)
美並さんも楠さんも池田さんも、事件に関わった財務本省や近畿財務局の人たちはみんな、自民党に投票するに違いない。再調査されないため。不正への関与を知られないため。
でも、それでは赤木俊夫さんは浮かばれない。俊夫さんは土地取引に関わっていないから経緯を知らない。なのに、いや、だからこそ?取引の経緯を記した公文書の改ざんをさせられた。あまりにひどい話だ。
与野党問わず「森友再調査」に賛同する人を応援
赤木雅子さんはもともと自民党員だ。だから別に反自民というわけじゃない。判断の基準はあくまで再調査をするかしないか。再調査するというなら自民党でも応援するが、そんな政治家は自民党にはほとんどいない。今でもそう言っているのは石破茂さんくらいではないか。
一方、野党には「再調査すべき」と言う人が多い。そういう国会議員が増えて、再調査を実現してほしい。雅子さんにとっては与党も野党も関係ない。
雅子さんが期日前投票を終えて外に出ると、神戸新聞が出口調査を行っていた。すべての質問にこころよく答えた。どこに投票したかはここではナイショだそうだが、少なくとも自民党ではないだろう。
この調査で、投票にあたり重視したことを選ぶ質問では、いい選択肢がなく迷ったという。大阪で共産党の人たちが街頭で行っていたアンケート調査では、選択肢に「国政の私物化 きちんと説明を」という項目があった。
共産党の街頭アンケートには「政治の私物化 きちんと説明を」という選択肢がある(筆者撮影)
出口調査でこの項目があれば、当然それを選んだだろう。だが一番はやはりヤフーの「みんなの意見」だ。ずばり「森友問題の再調査」が選択肢にある。もちろんそれを選ぶ、筆者も。
https://news.yahoo.co.jp/polls/domestic/42663/result
衆議院総選挙。きょう31日はいよいよ投票日です。
皆さん、投票に行きましょう!私も行きます。
感想;
たかが一票、されど一票
その一票が国を良くし、未来を明るくします。
投票に行ってきます。