幸せに生きる(笑顔のレシピ) & ロゴセラピー 

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「人はなぜ依存症になるのか 自己治療としてのアディクション」エドワード・J・カンツィアン&マーク・J・アルバニーズ共著/松本俊彦訳 ”快楽のためではなく苦痛を緩和させるために依存症に”

2022-01-30 02:23:00 | 本の紹介
・彼らの主張を大胆に要約すると、次の2点になります。
1つは、依存症を抱えている人は決して手当たり次第に「気分を変える物質」に手を出しているのではなく、自身の内的必要性に基づいて選択している、ということです。もう1つは、依存症成立に必要な報酬は、物質がもたらす快感やハイな気分(「正の強化」)だけに限らず、主観的な苦痛の緩和(「負の強化」)でも十分である、ということです。

・アディクション(依存症)
    物質(薬物)依存症
     ・中枢刺激薬;リタリン、コカイン、アンフェタミン、メタンフェタミン(覚せい剤)
     ・中枢抑制剤;アルコール、ベンゾジアゼピン系
     ・オピエート;麻薬、アヘン、モルヒネ
     ・その他;ニコチン、マリファナ
    嗜好行動
     ・ギャンブル
     ・ダイエット
     ・フィットネス
     ・セックス
     ・買い物

・依存症という病気を、「その根底に心理的苦痛が存在し、他のさまざまな精神障害とも密接に関連することが多い障害」という視点からの理解を試みた。

・自己治療仮説には2つの重要なポイントある。
1つは、人が物質摂取に耽溺してしまうのは、それが、心理的な苦痛を軽減したり、取り去ったり、変化させたりといった効果が強いからである、という点である。
もう1つは、心理的苦痛を緩和する際にどの物質を選択するのかには個人差がある、ということです。

・依存症の問題は、快楽の追求や報酬効果、あるいは自己破壊的傾向の顕現ではなく、その人間が抱える心理的脆弱性に由来しているのだ、と。

・私たちが提唱する精神力動モデルは、ナラティブ(患者が語る主観的な物語)を尊重する伝統的な手法による研究、もしくは事例研究を通じて開発されたものである。

・「このアプローチは、患者の内的生活を知るうえで優れた方法であり、ごく自然な流れのなかでその人らしい感情体験や感情表現のあり方を明らかにすることができる。患者は強烈な苦悩や自らの感情に対するとまどい、あるいは感情を切り離して感じないようにしていることを明らかにすることがあるし、隠すこともある。しかし私たちの手法を用いれば、こうした患者特有の防衛をと回避のパターンを明らかにすることができる。私たちは患者に積極的にかかわりあい、治療同盟を築くようにしている。そして、そのような関係のなかで、彼らが無意識のうちに行っている苦悩、防衛、回避、および感情の切り離しが、彼らが好んで使用する依存性物質の薬理作用とのあいだでどのような相互作用をもたらしているのかについて、理解を深めるようにしている。この修正精神力動的アプローチは、患者の生活においてなぜ乱用物質がかくも抗しがたい魅力を持っているのかについて、豊富で幅広い臨床的情報をもたらしてくれるのである」

・セルフケア
最も広く知られ、同時に、最も利用しやすいセルフヘルププログラムは、アルコホリクス・アノニマス、コカイン・アノニマス、ナルコディクス・アノニマスといった、12ステップに準拠したプログラムである。

・メンバーたちは、人生における最悪の運命とは、「苦しみを抱えることではなく、一人で苦しむことである」ということを理解するようになるのである。

・12ステッププログラムには、「断酒や依存症からの回復が始まるには、『底つき』を体験しなければならない」という古い格言がある。

・私たちが最も多く用いてきた治療アプローチは精神力動的志向性の心理療法であるが、その他にも有効性が証明されている治療法はいくつかある。たとえば、認知行動療法、動機づけ強化療法、弁証法的行動療法などである。

・自己治療仮説は、理解、希望、および治療-これは、依存症に苦しむすべての人たちを苦しみから解き放つ要素である-を提供する。

・私たちは、依存症患者に対して、「その物質を使ったとき、あなたはどんなふうになったか」と尋ねるのではなく、「その物質はあなたに何をもたらしたのか」と尋ねるように心がけるべきなのであろう。

感想
自己治療仮説と生きづらさ
https://saigata.hosp.go.jp/addiction/addiction_pg2.html


依存は快楽のためではなく、苦痛を少しでも和らげさせるために行っているという仮説です。
それに基づいて行う治療方法のようです。

確かに今が苦しいから逃れるために薬物やゲームなどに逃げているのかもしれません。
アルコールで気持ちをボンヤリさせると、苦しいことも苦しいと思わないようになります。
でも、それは一次的に感じなくしているだけです。
そしてアルコールが抜けると元に戻ります。
苦しい気持ちを緩和させる効果のためのアルコールの量がどんどん増えていくのです。
そして大量のアルコールによる身体への影響が出てきます。
ゲームなどに集中している間は、苦痛を忘れています。
しかし、ゲームの時間が長くなるにつれ、睡眠不足が日常になり体調への悪影響が出てくるのでしょう。
買い物依存だとそれが借金となり生活が行き詰ってしまいます。
コントロールできる範囲なら良いのですが。

賭け事が好きなので、のめり込むタイプです。
なので、競馬競輪などには近づかないようにしています。
自分を見失ってしまう恐れを感じています。