あなたは、病院で、必要のない検査を何度も受けさせられていませんか?
あなたは、医者の言うがままに、名前も知らない薬を何種類も投与されていませんか?
あなたは、病院の窓口で、請求されるがままにお金を払いすぎていませんか?
そう言われて、不安に思った人も多いはずです。いや、これまでは、おそらくすべての人が不安に思うしかなかったはずです。なぜなら、厚生省は最近まで、患者本人にさえレセプトを見せないよう指導していたからです。しかし、1997年6月25日、厚生省はついに本人や遺族からの求めがあればレセプトを開示するよう、全国に通知しました。・・・
つまり、私たちがレセプトの内容をチェックすることは、健康とお金の両方を、医療過誤や詐欺から守ることにつながるわけです。
・私がなぜレセプト開示の運動を始めたのか、その運動が、開示にこぎつけるまでにどんな壁に突き当たってきたのか、述べたいと思います。
1990年12月、陣痛促進剤による事故のため、私は生まれたばかりの長女を亡くしました。私の妻は予定日の二週間前に、陣痛もきていないにもかかわらず、産婦人科医から入院するように言われ、それとは知らないまま陣痛促進(誘発)剤を飲まされたのです。その後異常な陣痛がきて、母子共に危険な状態になりました。妻は多量の出血などのために生死の境をさまよった末、大量輸血で何とか命は取りとめましたが、長女は、緊急帝王切開で取り出されたときは、すでに仮死状態になっており、結局そのまま生後九日目に死亡したのです。
・厚労省は、初めに「レセプトの開示・非開示は、法的には各保険者の判断に委ねられる」と記しなららも、おおむね以下のような見解を示していました。
本人からの請求・・・
レセプトには、病名・診療内容など診療秘密に属する事項が記載されている。したがってこれを明らかにすれば治療に悪影響を及ぼすことになりかねないので、たとえ本人であってもレセプト自体、あるいはその写しを閲覧させることはできない。
弁護士からの請求・・・
弁護士は私人と同じ(つまり他人が請求するのと同じなので、プライバシー保護の点から開示できない)
検察庁や裁判所からの請求・・・
令状による強制的な請求については、場合によっては開示に及ぶケースもあり得るが、令状によらない任意の請求については、慎重にならざるをえないだろう。仮にレセプトの開示に応じる場合でも、原本をコピーして提供するのではなく、必要な事項のみ罰の様式を使って開示するなどの方法によるべきであろう。
私たち
ここには、法的には開示・非開示は各保険者の判断に委ねられる、と書いてあるじゃないですか。
共済組合
上から指示された私たちの立場もぜひ理解してもらって、今日のところはお引き取り願いたい。
・記者会見に出席した厚生省国民健康保険課の課長らは、遺族への開示を認めたことについて「小さな子供が亡くなったとき、親がどんな治療を受けたのか知りたいのは、当たり前」と述べました。・・・
厚生省の課長が「当たり前」という言葉を口にしましたが、「当たり前」なことを実現するのに、どうしてこんなに時間がかかったのでしょう。
・カルテとは、簡単に言えば、医療機関が患者に対して行った診療行為の記録が書かれた紙のことです。レセプトは、そのカルテをもとに毎月作成する医療費の明細書で、どちらも診療に関する情報が書かれていますが、似て非なるものです。
・レセプトを見るメリット
1) どんな診療行為が行われたかを知ることができる
2) 医療費を確認できる
3) 不正請求などを未然に予防する効果が期待できる
・不正請求
1) 架空請求
2) 付け増し請求(行っていない架空の検査や処置を付け加える)
3) 振り替え請求(より点数の高い手術にするとか)
4) 二重請求
・なぜ審査があるのに不正請求がまかり通ってしまうのですか?
1) 身内が身内を審査している。
2) 物理的に審査するレセプトの量が多すぎる
・レセプトはどこに請求すればいいのですか?
大企業のサラリーマンなどは、自分の入っている健保組合に、公務員などは共催組合に直接行くことになります。また、中小企業の人など、政府管掌健康保険五入っている人や船員保険に入っている人は、各都道府県の社会保険事務所、自営業者など国民健康保険に入っている人や老人保健に入っている人は各市町村役場の国民健康保険課に直接行きます。本人確認が必要なため電話や郵送では受け付けてくれません。
・「レセプトなんて見せたら誤解するだけだ」という言い方こそ、患者を信頼していない偏見に満ちた言葉です。
・1997年10月21日付朝日新聞によると、1995年度分の「過剰請求額」は3,221億円にものぼったそうです。
・厚労省は、被保険者が過払い分の返還を要求することは法的根拠があると、判断してるわけです。
・日本医師会および、日本歯科医師会に対して「過払い分は、病院窓口で返してもらえるのか」と問い合わせましたが、正式に書類で取材申し込みをするよう言われ、文書で取材申請すると、今度は両団体とも足並みをそろえて「忙しい」ことを理由に「取材には応じられない」と回答してきました。
・「まず、返還を求めたという形跡を残すため、内容証明郵便を送るべきです。それでも先方が返還を拒否する場合は、裁判所に訴えを起こすことになります。」(安藤弁護士のアドバイス)
・「残念ながら、現行の保険制度における審査機構では、医療の不正請求を根絶することは、絶対に不可能なのです。不正請求を減らしていくためには、国民の皆さんが、もっと医療に関心を持って、自分でレセプトをチェックし、必要とあれば、私どもに情報をお寄せいただくしかないのです」(厚生省保険局幹部)
・しかし私には、医療事故を経験し、いくつもの市民団体の会員になり、多くの医療被害者と出会う中で確信するに至ったことがあります。それは、日本では薬害・医療被害が「漫然と繰り返されてきた」ということです。
私は、その根本原因は「医療界が閉ざされていた」ことだと考えています。
・しかし、レセプト開示には、ピラミッドの底辺部を透明にしてしまうという、強力な効果があります。
感想;
何かを買うと購入者には買った物の情報を入手できます。
それどころか、情報を入手してから購入します。
しかし、医療は医者に任せきりのところがまだまだあります。
最近でこそ、事前に説明がありそれを受けるかどうかの選択肢が患者さんに委ねらてきました。
緊急時は任せるしかありませんが。
このレセプトはどんな医療が、どんな薬剤が使われたかがわかります。
カルテは改竄されるリスクがありますが、レセプトはそれでお金を請求しているので、請求後は改ざんできません。
患者側も治療方法を知る、投与された薬を知るなど、医者に任せきりにしないことが医師と患者の信頼関係を高めるのだと思います。
あなたは、医者の言うがままに、名前も知らない薬を何種類も投与されていませんか?
あなたは、病院の窓口で、請求されるがままにお金を払いすぎていませんか?
そう言われて、不安に思った人も多いはずです。いや、これまでは、おそらくすべての人が不安に思うしかなかったはずです。なぜなら、厚生省は最近まで、患者本人にさえレセプトを見せないよう指導していたからです。しかし、1997年6月25日、厚生省はついに本人や遺族からの求めがあればレセプトを開示するよう、全国に通知しました。・・・
つまり、私たちがレセプトの内容をチェックすることは、健康とお金の両方を、医療過誤や詐欺から守ることにつながるわけです。
・私がなぜレセプト開示の運動を始めたのか、その運動が、開示にこぎつけるまでにどんな壁に突き当たってきたのか、述べたいと思います。
1990年12月、陣痛促進剤による事故のため、私は生まれたばかりの長女を亡くしました。私の妻は予定日の二週間前に、陣痛もきていないにもかかわらず、産婦人科医から入院するように言われ、それとは知らないまま陣痛促進(誘発)剤を飲まされたのです。その後異常な陣痛がきて、母子共に危険な状態になりました。妻は多量の出血などのために生死の境をさまよった末、大量輸血で何とか命は取りとめましたが、長女は、緊急帝王切開で取り出されたときは、すでに仮死状態になっており、結局そのまま生後九日目に死亡したのです。
・厚労省は、初めに「レセプトの開示・非開示は、法的には各保険者の判断に委ねられる」と記しなららも、おおむね以下のような見解を示していました。
本人からの請求・・・
レセプトには、病名・診療内容など診療秘密に属する事項が記載されている。したがってこれを明らかにすれば治療に悪影響を及ぼすことになりかねないので、たとえ本人であってもレセプト自体、あるいはその写しを閲覧させることはできない。
弁護士からの請求・・・
弁護士は私人と同じ(つまり他人が請求するのと同じなので、プライバシー保護の点から開示できない)
検察庁や裁判所からの請求・・・
令状による強制的な請求については、場合によっては開示に及ぶケースもあり得るが、令状によらない任意の請求については、慎重にならざるをえないだろう。仮にレセプトの開示に応じる場合でも、原本をコピーして提供するのではなく、必要な事項のみ罰の様式を使って開示するなどの方法によるべきであろう。
私たち
ここには、法的には開示・非開示は各保険者の判断に委ねられる、と書いてあるじゃないですか。
共済組合
上から指示された私たちの立場もぜひ理解してもらって、今日のところはお引き取り願いたい。
・記者会見に出席した厚生省国民健康保険課の課長らは、遺族への開示を認めたことについて「小さな子供が亡くなったとき、親がどんな治療を受けたのか知りたいのは、当たり前」と述べました。・・・
厚生省の課長が「当たり前」という言葉を口にしましたが、「当たり前」なことを実現するのに、どうしてこんなに時間がかかったのでしょう。
・カルテとは、簡単に言えば、医療機関が患者に対して行った診療行為の記録が書かれた紙のことです。レセプトは、そのカルテをもとに毎月作成する医療費の明細書で、どちらも診療に関する情報が書かれていますが、似て非なるものです。
・レセプトを見るメリット
1) どんな診療行為が行われたかを知ることができる
2) 医療費を確認できる
3) 不正請求などを未然に予防する効果が期待できる
・不正請求
1) 架空請求
2) 付け増し請求(行っていない架空の検査や処置を付け加える)
3) 振り替え請求(より点数の高い手術にするとか)
4) 二重請求
・なぜ審査があるのに不正請求がまかり通ってしまうのですか?
1) 身内が身内を審査している。
2) 物理的に審査するレセプトの量が多すぎる
・レセプトはどこに請求すればいいのですか?
大企業のサラリーマンなどは、自分の入っている健保組合に、公務員などは共催組合に直接行くことになります。また、中小企業の人など、政府管掌健康保険五入っている人や船員保険に入っている人は、各都道府県の社会保険事務所、自営業者など国民健康保険に入っている人や老人保健に入っている人は各市町村役場の国民健康保険課に直接行きます。本人確認が必要なため電話や郵送では受け付けてくれません。
・「レセプトなんて見せたら誤解するだけだ」という言い方こそ、患者を信頼していない偏見に満ちた言葉です。
・1997年10月21日付朝日新聞によると、1995年度分の「過剰請求額」は3,221億円にものぼったそうです。
・厚労省は、被保険者が過払い分の返還を要求することは法的根拠があると、判断してるわけです。
・日本医師会および、日本歯科医師会に対して「過払い分は、病院窓口で返してもらえるのか」と問い合わせましたが、正式に書類で取材申し込みをするよう言われ、文書で取材申請すると、今度は両団体とも足並みをそろえて「忙しい」ことを理由に「取材には応じられない」と回答してきました。
・「まず、返還を求めたという形跡を残すため、内容証明郵便を送るべきです。それでも先方が返還を拒否する場合は、裁判所に訴えを起こすことになります。」(安藤弁護士のアドバイス)
・「残念ながら、現行の保険制度における審査機構では、医療の不正請求を根絶することは、絶対に不可能なのです。不正請求を減らしていくためには、国民の皆さんが、もっと医療に関心を持って、自分でレセプトをチェックし、必要とあれば、私どもに情報をお寄せいただくしかないのです」(厚生省保険局幹部)
・しかし私には、医療事故を経験し、いくつもの市民団体の会員になり、多くの医療被害者と出会う中で確信するに至ったことがあります。それは、日本では薬害・医療被害が「漫然と繰り返されてきた」ということです。
私は、その根本原因は「医療界が閉ざされていた」ことだと考えています。
・しかし、レセプト開示には、ピラミッドの底辺部を透明にしてしまうという、強力な効果があります。
感想;
何かを買うと購入者には買った物の情報を入手できます。
それどころか、情報を入手してから購入します。
しかし、医療は医者に任せきりのところがまだまだあります。
最近でこそ、事前に説明がありそれを受けるかどうかの選択肢が患者さんに委ねらてきました。
緊急時は任せるしかありませんが。
このレセプトはどんな医療が、どんな薬剤が使われたかがわかります。
カルテは改竄されるリスクがありますが、レセプトはそれでお金を請求しているので、請求後は改ざんできません。
患者側も治療方法を知る、投与された薬を知るなど、医者に任せきりにしないことが医師と患者の信頼関係を高めるのだと思います。