英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その2 【解答】

2012-09-06 16:12:57 | 詰将棋
『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その2 (9月3日)の解答です。

第5問

 平凡に▲2四銀打や▲3四銀打では△1二玉で詰みません。玉方の5二の飛車の利きが強いのです。
 まず、▲3三角成と玉を3筋に引っ張り込んでの▲3四金の筋が浮かびます。ただ、その前にやって置きたい第一感の手があります。



 玉、飛車、角が利いている3二の地点への銀捨てです。焦点の捨て駒です。
 角で取れば飛車の利きが止まるので▲2二金まで、また玉で取っても▲2二金で詰みます。
 そこで、飛車の利きを残すため△3二同飛と取りますが、手筋の第二弾が飛びます。



 ▲3三角成。今度は角(馬)捨てですが、3二の地点が空いていると失敗します。初手の効果で△3三同玉に▲3四金で詰みます。▲3三角成に△1二玉は▲1一金で詰み、▲3三角成に△同飛としても飛車の利きがそれるので▲2二金(詰め上がり図1)が実現します。

【詰め手順】
▲3二銀△同飛▲3三角成△同飛▲2二金まで、5手詰



第6問


 配置されている攻め方の駒の飛車、角に銀2枚が玉を包囲していて、なんとなく、▲2七銀とか▲3八龍とか捨てたくなりますが、まったく詰みません。
 守備駒も強力なので▲3七銀打と足掛かりを強化します。ただ、△2七玉とかわされた途中図を見ると銀3枚が重複している感があるので打ちにくいかもしれません。



 しかし、この図を見ると、何か思い出しませんか?
 そう『馬弾の射手』(勝手に命名)です。詰将棋作家や詰めキストの方々には定番の形かもしれませんが、中田七段はこの詰形が好きなような気がします。
 ただ、途中図3からいきなり▲4五角としても守備駒の龍やと金が邪魔をしてうまくいきません。
 そこで、まず▲1六銀として「と金」を動かし、そのあと▲3八龍として守備方の龍をどかします。そうしておいて、▲4五角で「魔弾の射手型」が完成します。




 ちなみに、▲1六銀の時、△同玉は▲1八龍で詰みます。



【詰め手順】
▲3七銀打△2七玉▲1六銀△同と▲3八龍△同龍▲4五角まで、7手詰



【第7問】


 初図より▲1三金だと△2一玉(失敗図)で詰みません。



 ただ、失敗図をよく見ると、3三のと金がいなければ、▲3三桂不成で詰むことに気が付きます。3三のと金は邪魔駒だったのです。
 そこで▲2三と△同飛と、と金を押し付けます。
 今度は2三に呼んだ飛車が邪魔なので▲2四桂△同飛(途中図4)と飛車を追いやります。



 途中図4は初形から3三とが消えただけになっています。
 そこで▲1三金と打って△2一玉に▲3三桂不成で詰め上がります。



【詰め手順】
▲2三と△同飛▲2四桂△同飛▲1三金△2一玉▲3三桂不成まで、7手詰
コメント
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