英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『東野圭吾ミステリーズ』 第11話(最終回)と総括

2012-09-22 13:14:34 | ドラマ・映画
根岸峰和(小澤征悦)共々(ともども)騙された~!という感じ

 妖艶な鈴木京香、豪胆なようで繊細な小澤征悦、矢田亜希子の思い込みの激しい聖女ぶりが嵌まっていた。夫一筋の妻役の西田尚美には違和感を感じたが、それが「裏に何かある」と思わせる効果があった。
 「妻と晃代(鈴木京香)が共謀して、夫に復讐した」…違った。
 「殺された妹から加害者の精子を摂取し冷凍保存して人工授精させたとは」…真っ赤な嘘。
……やられました。
 それにしても、血を引くわが子を犯人を追いつめる元凶にするとは……すごい精神攻撃

 殺された元恋人だが、「そんな結婚で幸せになれるはずないもの。私、相手の人と話する。あなたが不幸になるの見たくない」と言われたら、正論過ぎて根岸の立場だったら逆上するかもしれない。もっと、普通の女性だったら、殺されなかったのに。

 ひとつ分からないのは、養子縁組の条件で「夫婦ともに健在」の項目。この夫婦の場合でなくても、不慮の事故や病気でということは有り得る。「夫婦ともに」というのはかなり縛りが強いし、どちらかに不幸があった場合、残された配偶者は、相手を亡くしたうえ子どもを手放さなければならないという不幸に見舞われてしまう。
 実際、このドラマの妻もかなり悲惨であった。


※ストーリーの下にシリーズの総括があります
【ストーリー】番組サイトより
中尾章代(鈴木京香)が院長の『中尾レディースクリニック』に、根岸峰和(小澤征悦)、千鶴(西田尚美)夫婦がやって来た。章代は不妊治療に取り組む傍ら、それでも子宝に恵まれない夫婦に、望まれずに産まれた子供の養子縁組も行っている。この日、根岸夫婦は章代が手配した子供に会いに来たのだ。千鶴は手放しで喜ぶのだが、峰和は“特別にお持ちした話”という章代の言葉に引っかかるものを感じる。
『根岸コーポレーション』専務の峰和は、社長の義政(竜雷太)の娘、千鶴と結婚した根岸家の婿養子。他人を蹴落とし、なりふり構わず出世して来た峰和が、章代の言葉に疑問を持つのも無理は無い。義政からも、章代とは後腐れのないようにしておけと釘を刺された。

そんな時、峰和は章代に呼び出される。そこは、峰和がかつてよく使っていた店だった。章代は峰和に養子縁組の5つの条件を確認。それは、赤ちゃんを愛すること。経済的余裕。家庭内不和がない。夫婦ともに健在。そして、夫婦ともに犯罪歴がないこと…。そんな章代に、峰和は特別に世話をしてもらった礼だと小切手を渡そうとするが断られてしまう。章代は自ら調べた峰和の経歴が自分に似ていると話す。そんな章代の話に、峰和は“特別”の意味が自分に気があるということではないかと思い…。



総括
★第1話「さよならコーチ」
 唐沢寿明、田中麗奈、戸田菜穂、西岡馬
 脚本 - 坂口理子、高橋幹子
 演出 - 河毛俊作
ヒロインの執念を感じた。裏も深くミステリー度は高かった。
 ミステリー性 9点  (ミステリー性…トリックや真相の意外度や深さ) 
 ドラマ性   9点  (ドラマ性…キャラやドラマとして隙か嫌いか)
 計     18点


★第2話「犯人のいない殺人の夜」
 坂口憲二、白井晃、雛形あきこ、中原丈雄
 脚本 - ひかわかよ
 演出 - 澤田鎌作
犯行の真相(犯人の計画)に裏を書かれた
 ミステリー性 9点
 ドラマ性   7点
 計     16点


★第3話「エンドレス・ナイト」
 松下奈緒、大杉漣、田中幸太朗
 脚本 - 田辺満
 演出 - 河野圭太(共同テレビ)
退屈だった。見どころはヒロインのどんでん返し(最後の関西弁)だけだった。
 ミステリー性 4点
 ドラマ性   5点
 計      9点


★第4話「レイコと玲子」
 観月ありさ、大野いと、平田満、吉田栄作、浅見れいな
 脚本 - 川村泰祐、山本健介 脚本協力 - 鎌田哲郎
 演出 - 川村泰祐
裏が見え見えでアリキタリだったし、犯行の主体性がなく矛盾。ヒロインにも魅力を感じない
 ミステリー性 3点
 ドラマ性   3点
 計      6点


★第5話「甘いはずなのに」
 反町隆史、加藤あい、北見敏之、大塚良重
 脚本 - 坂口理子
 演出 - 小林義則(共同テレビ)
ストーリー(事件の真相)は単純だったが、思わせぶりな演出に裏を予想したが、その裏を書かれた気もする。
 ミステリー性 5点
 ドラマ性   6点
 計     11点


★第6話「シャレードがいっぱい」
 長澤まさみ、安藤政信、池脇千鶴、マイコ、志賀廣太郎、妻夫木聡
 脚本 - 鎌田哲郎、石井克人、山本健介
 演出 - 石井克人
軽いミステリードラマとしては、キャラも面白く、楽しめた。が、ミステリーとしては浅く、無理がある。それを、元恋人の俳優(妻夫木聡)を最後に明かすという小細工でカバーしようとした。私が原作者だったら激怒するところだ。
 ミステリー性 1点
 ドラマ性   8点
 計      9点


★第7話「白い凶器」
 戸田恵梨香、ユースケ・サンタマリア、平岡祐太、千賀健永、菅原大吉、鷲尾真知子
 脚本 - 川崎いづみ
 演出 - 林徹
「白い凶器」というタイトルに動機が隠されていた。真相も「そうだったのか」と納得。どらまとしての雰囲気もよかった。怪奇的なラストはマイナス。
 ミステリー性 8点
 ドラマ性   8点
 計     16点


★第8話「小さな故意の物語」
 三浦春馬、波瑠、大野拓朗、三吉彩花
 脚本 - 川崎いづみ
 演出 - 並木道子
青春の甘酸っぱくほろ苦い雰囲気は非常に良かった(画的にも)。
事件の真相には無理があった。
 ミステリー性 5点
 ドラマ性  10点
 計     15点


★第9話「結婚報告」
 広末涼子、山口紗弥加、大倉孝二、平岳大、大塚千弘、きたろう
 脚本 - 寺田敏雄
 演出 - 村上正典(共同テレビ)
伏線など細かい設定もよく練られていた。どんでん返しの真相もよかった。
広末涼子は好きではないが、キャラは良かった。大倉孝二のおどおどした挙動不審ぶりが秀逸だった。
 ミステリー性 9点
 ドラマ性   9点
 計     18点


★第10話「二十年目の約束」
 篠原涼子、田辺誠一、柴本幸、音尾琢真、キムラ緑子、平泉成
 脚本 - 川崎いづみ
 演出 - 宮本理江子
20年前の事件だけで引っ張るのはちょっと無理があった。
ドラマ性は高かったが、篠原涼子の存在意義は薄かった気がする。
 ミステリー性 4点
 ドラマ性   7点
 計     11点


★第11話「再生魔術の女」
 鈴木京香、小澤征悦、矢田亜希子、竜雷太、西田尚美
 脚本 - 篠崎絵里子
 演出 - 河毛俊作、演出補 - 守下敏行
上述の通り、ミステリー的にもドラマ的にも面白かった。
 ミステリー性 10点
 ドラマ性    9点
 計      19点


得点順位
1位  19点 第11話「再生魔術の女」
2位  18点 第1話「さよならコーチ」
2位  18点 第9話「結婚報告」
4位  16点 第2話「犯人のいない殺人の夜」
4位  16点 第7話「白い凶器」
6位  15点 第8話「小さな故意の物語」
7位  11点 第5話「甘いはずなのに」
7位  11点 第10話「二十年目の約束」
9位   9点 第3話「エンドレス・ナイト」
9位   9点 第6話「シャレードがいっぱい」
11位   6点 第4話「レイコと玲子」


と順位を出してみましたが、私のイメージとはズレています。なので、私の好きな順に並べると(これは全くの私の独断と偏見です)、
1位   第9話「結婚報告」
2位   第7話「白い凶器」
3位   第8話「小さな故意の物語」
4位   第11話「再生魔術の女」
5位   第2話「犯人のいない殺人の夜」
6位   第1話「さよならコーチ」
7位   第6話「シャレードがいっぱい」
8位   第10話「二十年目の約束」
9位   第5話「甘いはずなのに」
10位   第3話「エンドレス・ナイト」
11位   第4話「レイコと玲子」

 6位までの上位グループと7位以下の下位グループは差があります。

 ナビゲーションパートは不要だった。
コメント (2)
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『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その4

2012-09-22 00:34:30 | 詰将棋
ようやく、このシリーズも最後です。(おかしいなあ、こんな長期シリーズになるはずではなかったのに……しかも、こんな詳細な解説にするつもりもなかった………)



 初形からテーマが伺えますね。ほぼ一本道ですが、解後感がいいので◎印です。



 打ち歩詰め打開です。今作品も易しいのですが、解後感が抜群です。☆印です。



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