英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『なかよしテレビ』 いじめ問題  一見正論に思えるが…

2012-09-25 21:58:12 | 時事
『なかよしテレビ』でいじめ問題が取り上げられた。

 その中で教育関係者が
「いじめで一番悪いのは(「問題があるのは」あるいは「責任があるのは」だったかも)、保護者である。中学に入学する段階で保護者は12年間、一番長い間、一緒に過ごしている。この間に、愛情を注いで、してはいけないこと、大切なことを教えてないから、いじめ問題が起こってしまうのだ」

という主旨を述べていた。

 一見、なるほどと思わせる意見だった。
 しかし、実際、いじめの加害者になるのは、一部の生徒だと思う。30人学級として、いじめの首謀者が5人で、引っ張られて加害者になる者や傍観者が多数だとして(多めに仮定しています)、首謀者がいなかったらいじめは起きない。もちろん、傍観者にも責任がある。この比率も妥当であるか分からない。
 親の立場として言わせてもらうと、私は子どもたちに、してはいけないこと、大切なことは教えてきたつもりだ。ただ、学校、学級という閉じられた場で、それに抗することができるだけしっかりと育ててきたかは自信がない。
 わたしはPTA活動に長年携わってきて、保護者の至らぬ点、中には相当おかしな保護者も存在したが、多くの保護者は常識をわきまえていたように思う。(中には居ましたよ、体育大会の後片付けをしている横で、たばこを吸っている親も)
 子どもたちとも接する機会が多く、腹が立って「親の顔が見たい」と思ったこともあったが、おおむね良い子たちだったように思う。私の見る目がないのか、甘いのかもしれないが、通常の常識を以て子育てしても、一部の生徒が悪い波長を放って、それに巻き込まれてしまったと考えるのが、妥当なのではないか。
 ちゃんと育てても、学校のような閉鎖された空間ではどうしようもないことがあるのではないか?


 それなのに、「保護者が一番悪い」と公の場で言い切ってしまうような教育者、しかも、代表としてテレビに出演しているのに、そんな断定的な、責任逃れのような発言をしていて良いのだろうか?大いに疑問、怒りを感じる。

 いや、もしかしたら、この人も、他の場面ではもっと建設的なことを発言しているのかもしれない。編集で極端な発言だけをピックアップされたという可能性もある
 実際、フジテレビのこの番組へのメッセージを読むと番組を肯定する意見ばかりだった。しかし、ページの最後の方に、
「ここに掲載されるメッセージは、フジテレビ・ホームページへ寄せられたものの中から選択されたものです」
とある。
 信用していいものだろうか?
コメント (6)
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『七冠・羽生善治 将棋の宇宙を語る』 1996年2月16日放送

2012-09-25 17:31:03 | 将棋
 先日、NHKのEテレで、羽生二冠が七冠当時のインタビュー番組が再放送されました。
 それについて、ものぐささん(shogitygoo氏)がブログ記事にしていました。その記事に対して、コメントしようとして書き込んでいたのですが、例によって長文となってしまい、気が引けるので、自分の所に載せます。


 羽生さん、若いかったですね(今も若いと思いますが)。声も細くて柔らかでした。
 私が一番心に残ったのは、
①「勝つことだけにこだわると指す手が制約される。プロの世界が進歩すればするほど、制約が大きくなって、つきつめると皆同じような将棋になってしまう」で、
現代将棋を予言したと思える言葉でした。

②また、この対談では、彼自身の将棋に対しての解明度はというと、「ほとんどわかっていない」という感じでした。

 一見矛盾するような、羽生さんの考えです。
 ①についてですが、このインタビュー後の羽生さんを考察してみると、この制約を、氏自身もかなり受けてしまっているそんな印象を受けます。
 たとえば、「可能ならば穴熊に組んだ方がよい」「囲いの最終地点は穴熊」という現代将棋のもっとも顕著な感覚は、氏の将棋にも多々見られます。過去の定跡手順を相当手数まで踏襲することも見られます。ただ、他の一般棋士よりははるかにその制約を抜け出している指し方をしています。
 ここで、②を合わせて考察してみると、定跡や過去の実戦例や研究は碁盤の目のような舗装された道路で、ここを車で走れば、速くて楽です。
 ただ、羽生さんは、その道路の間にある四角い部分(水田や畑、草地、あるいは住宅やビル)の中に、まだまだ沢山可能性が秘められている(車で走れる部分があるかもしれないし、自転車を使って横切った方り自力で走った方が早いかもしれない)と考えていたのではないでしょうか?
 で、羽生さんは、舗装道路を走りながらも草地などを観察したり、時には停まって足を踏み入れたりしていたのではないでしょうか?
 現在行われている王座戦は、いつもと違うアプローチで、いつもと違う将棋の作り方をしているような気がします。
 相手の渡辺竜王は、ガチガチの定跡派ではありませんが、現代将棋感覚においては先頭を走っていると言ってもいいでしょう。また、読みも正確です。羽生さんの新たな将棋観や疑問をぶつける相手としては最適です。


 私は、七冠王時代の羽生さんより、今の方が強いのではないかと感じています。「え?二冠しか保持していないのに?」とか、「名人戦で森内名人に勝てないじゃないか」という声が聞こえてきそうですが、当時は渡辺竜王はまだいなかったし、森内名人もまだ完成されていなかったように思います。
 この二人だけでなく、棋界全体がレベルアップし、羽生さんも勝ち星を積み重ねることが以前より困難になってきました。この、棋界のレベルアップは、もちろん棋士それぞれが修練を積んだからだと思いますが、羽生さん自身の存在(打倒羽生、羽生将棋を研究)による処も多いように思います。さらに、羽生さん自身もそれを望んでいたように思います。
 もちろん、羽生さん自身も「勝ちたい」「負けると悔しい」でしょうが、それと同じくらい、「将棋を探求したい」という思いが強いように思います。

 当時と比べて、現在はどのくらい将棋を解明しているのかお聞きしたいが、「全然わかっていないことがわかった」と答えられるような気もします。
 今回の王座戦を前にして、エンジンを改良し、タイヤのグリップを強くし、サスペンションを安定させるなど一通りの強化を完了し、羽生さんがいよいよ荒れ地を走りだしたのではないかと期待しています。
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『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その4 【解答】

2012-09-25 00:11:32 | 詰将棋
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その4」の続きです。

【関連記事】
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰」
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰の解答」
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その2」
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その2 【解答】」
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その3」
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その3 解答① (勝手さんへの挑戦状)」
「『将棋世界』7月号 実戦に役立つ5手7手詰 その3 解答② (勝手さんへの挑戦状)」



 初形を見ると、なんとなく、「桂の吊るし詰」で「馬が邪魔」じゃあないのかなと思います。で、初形から馬を失くすと……「なるほど」となるわけです。
 で、取りあえず馬を失くす、馬を捨ててみましょう。▲2三馬には△1一玉の一手で、そこで▲1二馬と捨てます。これに△1二同飛は▲2三桂で詰みなので、△1二同玉(途中図1)とします。

 この図は、初図から馬が消えた局面です。実戦だと大損なのですが、強力な馬がいない方が良いというのが詰将棋の面白いところです。
 途中図1からは、桂を打って跳ねるだけです。

【詰手順】 
▲2三馬△1一玉▲1二馬△同玉▲2四桂△1一玉▲2三桂不成まで、7手詰





 初手▲1六歩は打ち歩詰です。
 打ち歩詰回避の手段としては、
①攻め駒を捨てて攻撃力を減らす
②攻め駒を捨てて玉の包囲網を解く
③玉方の駒を呼び込んで打ち歩詰の地点を守備力を強化させる
④玉方の駒を移動させて玉の逃げ道を作らせる
 などがありますが、初手で▲2六角と捨てるのは△2六同歩で4六の飛車の利きを遮断できます(①~④のいずれとも微妙に違います)が、今度は3五の馬の利きが通ってしまい、やはり▲1六歩が打ち歩詰となってしまいます。
 そこで、▲1六飛と飛車の方を捨ててみます。△1六同玉には▲1七歩△1五玉(途中図2)と押さえるよりありません。

 初図と比べると、玉の頭(1六の地点)を押さえているのが、飛車から歩に変わって、攻撃力が減少しています。なので、①の効果と考えられますが、実は違います。1七に歩が居るというのが大切なのです。
 途中図2で▲2六角△同歩(途中図3)と捨ててみると

今度は、1七の歩を突いて詰ますことができます(突き歩詰)。(詰め上がり図は省略)

 先述した①~④のどれにも属さない手法の、歩の設置からの突き歩詰という手筋でした。
 と言っても、私は専門家ではないので、①~④の分類もいい加減ですし、「歩の設置からの突き歩詰」が珍しいのかもよく分かりません。
 でも、気持ちが良いので星印(三重丸)を付けました。

【詰手順】
▲1六飛△同玉▲1七歩△1五玉▲2六角△同歩▲1六歩まで、7手詰
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