平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

遅咲きのヒマワリ 第5話~少しずつやっていけばいいんだ、自分のいる場所で出来ることを

2012年11月21日 | 学園・青春ドラマ
 ドラマには皆が集まる場所が必要なんですね。
 ホームドラマの場合は居間。職業ドラマの場合は会社。
 この作品の場合は、40010の喫茶店。
 今回、この喫茶店に主要人物が一堂に会するシーンがあった。
 「二股かけられたんだ?」「秘密をペラペラしゃべる人ばかりでない」
 これらの言葉が、重く心に突き刺さる人、日常会話としてスルーする人。
 リアクションが人それぞれで面白い。
 これぞ群像劇の醍醐味!

 さて本題。
 人の悩みというのは、物事にこだわり、執着するから起きるんですよね。
・かほり(真木よう子)の場合は<東京の大学に戻りたい>という思い。
・順一(桐谷健太)の場合は<町を再生したい>という思い。
・春菜(木村文乃)の場合は<不倫相手の大学講師>。
・弘樹(柄本佑)の場合は<プロ野球選手になれなかったことで家族を壊してしまったこと>。
・さより(国仲涼子)の場合は<自分には別の人生があったのではないか>という思い。
・彩花(香椎由宇)の場合は<墓参りにいく人>のこと。

 これらのこだわりを捨ててしまえば、解放されるのになかなか捨てられない。
 今回かほりは、癌関係の医学書を捨てて、東京に戻ることを諦めたようだが、まだくすぶっている。
 春菜はあんな男とは別れた方がいいな。
 To fear love is to fear life. こんなことを平然と言えるような男にロクな男はいない。
 春菜も薄々わかってはいるのだろうが、「彼を信じよう」とこだわってしまうのが恋愛。
 あるいは、人間というのはおかしな生き物で、丈太郎(生田斗真)のように<悩みがないことに悩んでしまう人間>もいる!(笑)

 では、これらの悩みから救われる処方箋は何だろう?
 それは、まず心にこだわっていることを捨てること。
 そして「自分のいる場所で出来ることを少しずつやっていくこと」(丈太郎のナレーション)。
 実際、かほりはその歩みを始めたようだ。
 彼女は「先生がおってくれて助かる」という患者の言葉を受けて、四万十の病院で生きていこうとしている。
 他の登場人物たちは、どのように自分の執着に折り合いをつけていくか?

 あとは順一が父親に言ったこの言葉。
「今は昔と違う。頑張れば、ほしいものが手に入る時代じゃない」
 確かに。
 今は閉塞の時代で、高度経済成長の時代じゃないですからね。
 映画『三丁目の夕日』では時が経つにつれ、鈴木オートは大きくなり、ついにカラーテレビを買えるようになったが、今は違う。順一の金物店のように店をたたまなくてはならない状況だ。
 そして今後の道としては、公共事業とかではなく、地場産業を育てていくことが大切だと思うのだが、どうだろう?
 順一のプランだって、政府からの援助があれば実現できるだろうに。
 丈太郎も四万十に来て、救われたような感じがある。あのまま東京にこだわっていたら、きっと潰れていただろう。
 だから今、必要なのは地域活性化。
 順一のような若者の思いを実現できるようにすること。
 この作品は、時代をうまく表現していると思う。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする