平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

「光る君へ」 第37回「波紋」~道長がおかしくなっている……。まひろも少しおかしくなっている……。

2024年09月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 帝に贈る「源氏物語」の装飾本。
 その制作過程を丁寧に描いたことが素晴しい。
 きらびやかな紙、藤原行成(渡辺大知)ら能筆家による清書、女房たちの製本。
 平安時代の雅が味わえるし、彰子(見上愛)のワクワクな想いも、
 まひろ・藤式部(吉高由里子)の成功も同時に理解できる。
 完成した装飾本を見た時の一条天皇(塩野瑛久)のリアクションも気にかかる。
 ひとつのシーンに四つの意味を含ませる、見事な作劇だ。

 道長(柄本佑)はおかしくなっている。
 先回は皆の前で藤式部へ返歌をして空気が変になったのに気づかない。
 今回は──
「敦成親王は次の東宮になる御方ゆえ」
 道長は敦康のことを忘れている。
 敦成を東宮にすることは「敦康の排除」であることに気づいていない。
 藤式部が「次の?」と問うても
「警護が手薄なことをわかって忍び込んだということは、ただの賊ではないやもしれん」
 と、藤式部の疑問がまったく耳に入っていない。
 自分の行動にためらいや葛藤がなくなった道長はどこに行く?

 おそらくここで道長はいったん闇落ちするのだろう。
 何しろ敦康を排除しなければなりませんからね。
 権力は人を狂わせる。
 そんな闇落ちした道長をふたたび「光る君」に戻すのは、まひろなのだろう。
 今回登場した盗賊・双寿丸(伊藤健太郎)は「直秀」を想わせるから、
 双寿丸を通して道長はかつての自分を取り戻すのかもしれない。

 まひろも少しおかしくなっている。
 実家に帰って藤壷での自慢話。
 酔っているせいもあるが、まわりの空気がおかしくなっていることに気づいていない。
 そして「この家がみすぼらしく思えた」
 まひろは上級貴族の人間になってしまった。
 父・為時(岸谷五朗)は官位を得たことも当然のことのように思っている。
 環境は人を変える。
 そんなおかしくなったまひろを元に戻すのが賢子(梨里花)なのかな?

 彰子はますます覚醒。
 賊が入っても慌てず、「何事だ!?」「しばし待て」
「上に立つお方の威厳と慈悲に満ちあふれた行動」を取った。
 敦康の排除に対して彰子はどのように反応するのだろう?

 清少納言(ファーストサマーウィカ)の『源氏物語』のリアクションは次回にお預け。

 倫子(黒木華)は気づいているかどうかは不明だが、まひろに対する表情が今までと違う。
 ←逆にこれが怖ろしい……!

 いろいろ引っ張りますね。

コメント (6)
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石破茂氏の勝利で「長老政治」「安倍政治」が終わる!~新しい自民党が誕生するか?

2024年09月28日 | 事件・出来事
 石破茂氏が自民党の総裁になった。
 つまり石破総理大臣の誕生である。

 まずはアホの小泉進次郎氏でなくてよかった。
 極右の高市早苗氏でなくてよかった。
 高市氏は終戦記念日に総理大臣として靖国に参拝すると明言していたが、
 どうして波風を立てる? 国益を損なう行為をする?
 これで厄介なことになったら、あなたは責任を取れるのか?
 進次郎氏にも言えるが、総理大臣の言動って重いんだぜ。
 ………………………………………………

 石破茂氏の勝利。

 これの意味する所は長老政治の終わりである。
・森喜朗、退場
・二階俊博、引退
・麻生太郎、退場
 これで自民党はだいぶ風通しがよくなる。

 岸田文雄は石破氏を支える。
 菅義偉は反麻生太郎なので石破氏を支える。結果、小泉進次郎も。
 河野太郎は前回の総裁選で応援してもらった恩義があるから石破氏を支える。
 昨日の総裁選で麻生太郎は河野太郎を切り捨てて、高市早苗を支持したしね。
 旧安倍派は今もボロボロだが、森喜朗が力を失ったことでさらに衰退。
 茂木敏充は上手く立ちまわるかな?

 注目は石破茂氏の人事。
・森喜朗一派と麻生太郎一派を切り捨てるのか?
・取り込んで融和内閣をつくるのか?
 つまり巷間言われているように、高市早苗(森喜朗・麻生太郎)の処遇をどうするか?
 高市早苗の処遇次第で、切り捨てか融和かが決定する。
 まあ、「正論」大好きの石破氏は派閥や権力の論理ではなく能力で人事を決めそうだけど。
 ……………………………………………………

 石破総理大臣の誕生で、国会はまともになる。

 石破氏は逃げずに説明する。
 誠実、実直に語る。
 ひとつひとつの言葉が重い。
 国会論戦が楽しみだ。

 石破茂氏の政策に僕が賛成なのは──
・防災庁の設置
・内需拡大に力を入れること(輸出重視の政策からの転換)
・アメリカに物を言う外交・軍事
・憲法改正は今すぐやる課題ではない

 要検討と思うのは──
・アジア版NATOの設置
 クアッド(日米豪印戦略対話)の拡大版らしいが、
 1国が攻められたら加盟国はいっしょに戦うNATOのような機能を持たせるとしたら
 憲法改正が必要だ。
 まあ、石破氏はこれをかなり先の構想として考えているようだが、要チェックだ。

 昨日の石破氏の勝利会場では村上誠一郎氏が大喜びしていた。
「村上海賊」の子孫でもある村上誠一郎氏は自民党で安倍政治をずっと批判して来た人物。
 石破茂氏の勝利は反安倍、反主流派の勝利でもある。


※追記
 高市早苗氏、「総務会長」打診を固辞。
 閣僚による入閣も断わるらしい。
「幹事長でなければ嫌だ」とも言っているらしい。
 次回を見据えた完全な対決姿勢だな。

 次回、今回のような票を取れるかは疑問だけど。
 麻生太郎だって他に選択肢がないから仕方なく高市支持にまわっただけ。
 さすがの自民党も「極右」はまずいと考えたから石破氏に票を入れた。
 アメリカも東アジアを不安定にする高市はさすがにまずいと考えた。

 これで石破氏は高市支持派を気にせずに人事ができる。

※追記
 幹事長を打診しなかったことで高市応援団は「第2位の得票者に対して失礼だ」と
 文句を言っているようだが、そんなものは無視すればいい。
 総務会長の打診を断わったことは完全な悪手。
 僕が高市氏なら総務会長や現在の経済安保大臣を受けて党内で実績を摘み、シンパを増やすけどな。
 無役なら誰もついて来ない。
 高市氏、権力闘争で完全に劣勢にまわったな。あとは落ちるしかない。
 自民党を出て、日本保守党にでも行くことをお薦めする。
 というか自民党の内紛は大歓迎だ。

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「極悪女王」~ダンプ松本、長与千種、全女の熱き時代がよみがえった! 長与千種役の唐田えりかさんが最高にかわいい!

2024年09月26日 | その他ドラマ
 Netflixオリジナル『極悪女王』、メチャクチャ面白かった!
 全5話をイッキ見してしまった。
『地面師たち』も面白かったし、もはや地上波のドラマは物足りなくなって来たな。
 予算が違う。
 コンプライアンスが緩い。
 フォーマットが自由。
 作り手も役者さんも世界に配信できる作品の方が魅力だろう?
 さてテレビ業界はどうする?
 …………………………………………

 作品はダンプ松本(ゆりやんレトリィバァ)とクラッシュギャルズ・長与千種(唐田えりか)の
 物語。
 これにライオネス飛鳥( 剛力彩芽)、ジャガー横田 (水野絵梨奈)、デビル雅美(根矢涼香)、ブル中野(堀桃子)、ビューティペアーのジャッキー佐藤(鴨志田媛夢)、マキ上田(芋生悠)ら、全女のスターレスラーが登場する。

 何を隠そう、僕も女子プロレスオタクであった時期があって後楽園ホールに足繁く通っていた。
 ただし豊田真奈美、井上貴子、井上京子、堀田祐美子らの時代。
 豊田真奈美推しだった。そして貴子と共に今も現役……。
 ZAPの登場は盛り上がったなぁ。
 後楽園ホールに行けば、若手の脇坂美穂や納見佳容らはフツーに歩いていたもんなぁ。
 あの頃は後楽園ホールに通うのが本当に楽しかった。
 現在女子プロレスはふたたび盛り上がっているようだし、また通い始めようかな?
 今作『極悪女王』で一気に火がつくかもしれないし。

 さてドラマ。
 ダンプ松本、長与千種、ライオネス飛鳥らは同期入門だったんですね。
 みんなビューティペアに憧れて入って来た。
 飛鳥はすぐにデビューできたが、ダンプ松本、長与千種はずっと下積みでリングに上がれなかった。
 下積み時代、ダンプと長与は共に励まし合い、固い友情で結ばれ、自分探しをしていた。

 もがき苦しんだ結果、見出した自分のレスラー像は──
 長与の場合、華麗なファイトをするクラッシュギャルズであり、
 ダンプの場合、父親や母親、世間への憎悪で生みだしたヒールレスラー・ダンプ松本だった。
 長与とダンプがどのように覚醒するかは前半の大きな見所だ。
 ふたりの覚醒シーンには本当に胸が熱くなる。
 人が光輝くシーンは見ていてワクワクする。

 後半のドラマは、ダンプと長与の抗争になる。
・国民的な人気で絶対的な正義の長与千種。
・国民から憎まれる絶対的ヒールのダンプ松本。
 下積み時代、共に励まし合った仲なのに、ふたりは口をきかない。
 距離をとって怒りをぶつけ合う。
 それはレスラーとして善玉と悪玉の役割を与えられたからではない。
 本当に怒り、憎しみ合っている。
 この緊張感が面白い。
 本当に憎しみ合っていなければ人の心を打つファイトはできないし、ただのお遊戯になってしまう。
 ふたりは心の奥底で何を考えているのか?

 ダンプと長与の抗争劇は「伝説の髪切りマッチ」に結実する。
 試合の結果は、広く知られているのでネタバレにするが、長与が負けて髪を切られる。
 女性ファンは泣き叫び、男性ファンは憎悪を浴びせる。
 長与のセコンドのレスラーたちは髪を切らせまいと、長与に覆い被さる。
 いやはや凄まじい。
 長与は激しく流血しているし、今だったら絶対放送できないだろう。
 当時もこれで全日本プロレスの中継は打ち切りになった。
 まあ、こういう伝説の試合が誕生する所がプロレスの魅力なんだよなぁ。

 そしてエピローグ。
 ネタバレになるので書かないが、ダンプと長与の物語はどう結実するのか?
 ここは涙なしには見られない!
 このシーンを描くために、この作品は作られた!

 昭和の熱き時代。
 あの時代は本当に面白かったよなぁ。
 今はすごく無機質で小綺麗で醒めている気がする。
 まあ、こう思うのは僕の感性が鈍くなったせいだとは思うが……。

 最後は長与千種役をやった唐田えりかさん。
 透明感があるしメチャクチャ可愛い!
 そんな唐田えりかさんが怒鳴り、叫び、血を流して戦うのだ!
 このインパクトはハンパでない。
 役者としてひと皮むけて引く手あまたになるだろう。
 河合優美さん主演の『ナミビアの砂漠』にも出るし。


※関連動画
 『極悪女王』予告編(YouTube)

※追記
 全日本女子プロレスを経営していた松永兄弟。
 彼らにダンプや長与がどう兼着をつけるかも見所のひとつだ。

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悲報! 野田佳彦氏が新代表……立憲民主党、まずい選択をしたんじゃないの?

2024年09月25日 | 事件・出来事
 野田佳彦氏が立憲民主党の新代表になった。
 やれやれ……。
 立憲民主党の皆さん、まずい選択をしたんじゃないの?

 野田氏が目指す所は──
「国民民主党」「日本維新の会」との選挙協力・棲み分けに拠る「政権交代」だ。
「共産党」と「国民」「維新」は相容れないから、どちらかの選択を迫られ、
 野田氏は「連合」との関係もあり、共産党を切るだろう。
 結果、共産党は独自の候補者を立てて野党票は割れる。

 そもそも今、落ち目の「維新」と組む意味はあるのかね?
 万博と斎藤元彦知事の件で、関西でも連敗じゃないか。
 政党支持率の低い「国民」と組むメリットはあるのかね?
 外見的には、もとの「民主党」「民進党」に戻っただけ。
 ……………………………………………………………
 
 国民、維新と組む場合、立民は政策の変更を余儀なくされる。
・消費税減税
 立民は消費税の給付型控除を主張しているが、国民・維新は納得するのか?
・憲法改正
 野田氏は「論憲」を主張しているので、改正の発議は既定路線になるだろう。
 その際に立民の左派はどう対応するのか?

 ていうか、維新は弱肉強食の「新自由主義」の政党だぞ。
 立民の「弱者に寄り添う政治」とは180度違う。
 まあ野田氏は早速「弱者に寄り添う政治」から「弱者をつくらない政治」にシフトダウンしたらしいけど。
「ヒューマンエコノミクス」の枝野幸男氏は怒らないのか?
 今まで立民を支持していたコア層は離れるんじゃないの?

 いずれにしても、「やれやれ」である。
 れいわ新選組支持者の僕としては、粛々とれいわ候補者に投票するだけである。
 比例も「れいわ」と書くだけである。
 次の衆議院選挙で、れいわは10人以上の国会議員を持つ中規模政党なり、
 国会でそれなりの発言権を持つようになる。

 ただ野田氏が言う「自民党に嫌気がさした中道右派」「無党派層」の支持をどれだけ集められるかは
 興味がある。
 僕はむずかしいと思うんだけどなぁ。
 ポイントは「選択的夫婦別姓」と「裏金問題」だが、それらがどれだけ票に結びつくのか?
 野田佳彦氏はおかしな幻想を見ている気がする。
 立民のマーケティングはどうなっているのか?

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「光る君へ」 第36回「待ち望まれた日」~中宮・彰子、帝に愛され、母となり、覚醒する!

2024年09月23日 | 大河ドラマ・時代劇
 これが平安時代の高貴な方の出産なのか。
 鳴り響く読経。物の怪が憑依して狂う女たち。邪気払いの米。
 面白い。これを見るだけでも価値がある。

 中宮・彰子(見上愛)はいい顔になった。
 帝に愛され、母になり、役目を果たして、すっかり自信がついた様子。
 解放された人の表情はイキイキとしていて美しい。
 着物も青系統の色になった。
 このことで彰子の心の変化を表わした。

 まひろ・藤式部(吉高由里子)に対しては絶大な信頼を寄せているようだ。
「そなたがおればよい」
「すべては藤式部の導きに拠るもの」
 藤式部の言葉はスポンジが水を吸い込むように彰子の中に入って来ている。
「瑕(=欠点)こそが人をその人たらしめるものでございますれば」
「帝がお喜びになるお顔を思い浮かべ下さいませ」
 そして藤式部から漢籍の帝王学を学ぶ。
 このことが後の彰子に繋がるのだろう。

 倫子(黒木華)はふたつの点でショックだろう。
 自分が出来なかった、彰子の心を開くことを藤式部は見事にやってのけた。
「すべては藤式部の導きに拠るもの」
 と娘に言われたことは母親として心穏やかではないだろう。
 そして敦成親王の五十日の儀でバレてしまった……。
 道長(柄本佑)の心の中にいた女性は、まひろ・藤式部だった!
 夫と娘を奪われた倫子の心の中や如何に……?
 大貴族として鷹揚に受け入れることはできるのか?
 これまでもバレる機会はいくつもあったが、まさかここでバラして来るとはなぁ。
 脚本の大石静さん、意地悪だ。

 清少納言(ファーストサマーウィカ)も心穏やかではない。
 帝が夢中になる物語を書いている女房がいる。
 結果、道長の勢力はますます強くなり、帝の心は定子(高畑充希)を忘れて彰子に傾き始めた。
 その物語を書いている女房はまひろだった。
「伊周さま、わたくしもその物語を読みとうございます」
 清少納言の反応や如何に?
 今回の表情を見ると、波風が立ちそうだなぁ。
 脚本の大石静さん、倫子といい、今まで築き上げて来た人間関係を壊し始めた?

 そして後継者争い。
 彰子に皇子が産まれたことで、敦康親王の立場が危うくなって来た。
 彰子は「子が産まれても親王様を裏切るようなことはいたしませぬ」と言っていたが……。
 道長は誕生を喜びつつも「皇子であったか……」と困惑していたが……。
 敦康をめぐる悲劇が起こりそうだ。

 彰子の覚醒と皇子の誕生という光を描きながら、同時に今後の影を描く。
 永遠に続くと思われた明るい満月に暗雲が立ち込める。
 上手い作劇だなぁ。


※追記
 五十日の儀での公卿たちの所業は『紫式部日記』に描かれているらしい。
 公任(町田啓太)に「若紫はおいでかな?」とからかわれて、
 紫式部が「ここに光る君のような殿御はおりませぬから若紫もおりませぬ」と答えたこと。
 実資(秋山竜次)が女房の衣の数を数えていたのは、当時、倹約令が出ていて
 贅沢をしていないかをチェックしていたから。
 泥酔していても仕事をしている実資さま!笑
 
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深圳で日本人男児が刺されて亡くなったことに対する極論・暴論・フェイクニュース……

2024年09月22日 | 事件・出来事
 広東省・深圳で日本人学校に通う男の子が刺されて亡くなった事件。
 心からのご冥福と、ご遺族にお悔やみ申し上げます。

 さて……。
 この事件に対する一部の人々の反応が異常だ。

 登山家の野口健氏。
「またしても日本人の子どこが狙われてしまった。シナの大使を国外追放すべき」
「最も弱い子供を狙うとは。これが連中の本性なのだろうし、それを押さえつける事が出来ない中国政府。もはや邦人を速やかに中国から引き上げさせた方がいい」


 どうして、こういう極論に行くのかな?
 犯人の動機や素性はまだあきらかにされていないが、ひとりの頭のおかしい犯罪者の問題だろう。
 それなのに──
「シナの大使を国外追放すべき」
「これが連中の本性」
「邦人を速やかに中国から引き上げさせた方がいい」

 そして、ネットではこの野口氏の意見に賛同する声が多数。
 はあ……どうして日本人はこんなにバカになってしまったのだろう?
 まあ、言っているのは一部の人なんですけどね。
 彼らが多数派になったり、彼らに持ち上げられる政治家が首相にでもなれば、中国と戦争を始めるのかな?
 くわばら、くわばら。
 やるなら、あんたらだけでやってくれ!
 それと野口健さん、あなた、以前遭難した時、中国の救助隊に助けられなかったっけ?

 あと言っておくべきは「大きな主語」を使うな!
「ひとりの中国人犯罪者」→「中国人」。
 主語が大きくなり過ぎている。

 中国人には悪いやつもいれば善良な人もいる。
 日本人にも悪いやつもいれば善良な人もいる。
 こんな当たり前のことを言わなくてはならない時代が来るなんて。
 …………………………………………

 フェイクニュースも飛び交っている。

①今回の事件は個人の問題ではない。中国政府が反日教育をしているからこうなった。

 だが、中国の学校に通っている人に拠ると、
「愛国教育、歴史教育はあるけど反日感情を植え付けるようないわゆる反日教育はない」
「学校では大日本帝国時代の日本と今の日本は違うと教えている」

②現場には1000を超える献花が集まったが、すぐに取りのけた。これが中国人だ。

 だが、Xのコミュニティノートに拠ると、
「広東の気候が暑いことを考慮し、学校側は花束をエアコンのある献花室に置いています。
 慰問の花束や気持ちは、順次遺族に伝えられています。
 これまでのところ、領事館の公式アカウントの追悼記事には、3,000件を超える慰問のメッセージが寄せられています。
 領事館は届いてる哀悼と慰問の気持ちを必ず遺族にお伝えいたします」

 飛び交うフェイクニュースに踊らされる人たち。
 これは関東大震災の時に朝鮮の人が井戸に毒を入れた、というデマが飛び交ったのと同じだね。
 彼らは少しも進歩していない。過去から何も学んでいない。

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「痴人の愛」① 谷崎潤一郎~ナオミちゃん、これからはほんとに友達のように暮らそうじゃないか

2024年09月20日 | 小説
 谷崎潤一郎の『痴人の愛』には大正デモクラシー時代のさまざまな風俗が描かれている。

 主人公・河合譲治(28)の職業はサラリーマン。
 そんな河合が引き取って育てるヒロイン・ナオミ(15)は浅草のカフエの女給の見習い。
 その姿は活動女優のメリー・ピクフォードに似ている。
 そんなふたりが共に住むのは、大森にある、「文化住宅」と呼ばれる「お粗末な洋館」。
 赤い屋根、白いマッチ箱のような外側、長方形のガラス窓の洋館を見て
 ナオミは「まあ、ハイカラだこと!」と目を輝かせる。
 ふたりがデートをするのは活動写真、デパートメント・ストア、洋食屋。
 洋食屋でナオミはビフテキを食べる。
 河合はナオミを理想の女性に育てるため、音楽と英語を学ばせる。
 稽古に行く時のナオミの服装は、銘仙の着物・紺のカシミヤの袴・黒い靴下・可愛い小さな半靴。

 カタカナがいっぱいだ。
 西洋風でお洒落で明るい。
 大正デモクラシーと言えば「個人の自由」が尊重された時代。
 人々は新しい文化や自由を満喫していたのだろう。
 ……………………………………………………………

 さて、このような河合とナオミはどのような物語を紡いでいくのか?

「ナオミちゃん、これからお前は私のことを『河合さん』と呼ばないで『譲治さん』とお呼び。そしてほんとに友達のように暮らそうじゃないか」

 両親からナオミを引き取った河合は大森の文化住宅でこう提案する。
 ナオミは河合が与えてくれる新しい生活に大満足だ。
 ふたりは「お伽噺の家」で、世帯じみてない楽しい生活を送る。
 河合はナオミを背中に乗せ、馬になって「ハイ、ハイ、ドウ、ドウ!」と部屋の中を歩きまわったりする。笑

 共同生活を始めた頃の気持ちを河合はこう表現している。
『その頃ナオミに恋していたかどうかは自分にはよくわかりません。彼女を立派な夫人に仕込む楽しみの方が強かったようにも思います』

 だが、次第に河合はナオミに女を感じるようになる。
 鎌倉に海水浴に行き、彼女の水着姿を見て、
「ナオミよ、ナオミよ、お前は何と云う釣合いの取れた、いい体つきをしているのだ」

 そして共同生活を初めて二年目──ふたりは結ばれる。
 事が終わり、ナオミは「譲治さん、あたしを捨てないでね」と語り、河合は結婚の話をする。
 ナオミは引き取られてからこうなることを薄々理解していたらしく、結婚に同意する。

 こうして河合は幸せの絶頂に立つわけだが、ここから先が谷崎潤一郎の真骨頂。
 ナオミに翻弄されて、河合は泣き、怒り、狂い、消耗していく。
 ナオミを理想の女性に育てて支配しようとしたのに逆に支配される。
 だが、どんなに酷い目に遭っても河合はナオミを捨てられない……。

 その詳細は次回。
 
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「坂の上の雲」第1話「少年の国」~少年は青年になる。秋山真之も日本という国家も

2024年09月18日 | 大河ドラマ・時代劇
「坂の上の雲」第1回「少年の国」前・後編を見た。
 14年前の放送は見ているのだが、あの頃よりは少しは成長していると思うので
 改めて「坂の上の雲」を考えてみる。
 ………………………………………………………

 御維新を経て日本人は「国家」というものを意識するようになった。
 自分はその「国民」だと言われた。
 その「国民」は学問をして努力を続ければ、政治家・軍人・企業家など何にでもなれる、
 と言われた。

 このことは当時の人々にとんでもない高揚感をもたらした、と司馬遼太郎は考える。
 これが司馬遼太郎の「明治」に対する基本的な史観だ。
 確かに僕がその時代に生きていたら、ものすごくワクワクしていただろう。
・「村」という小さな世界に生きていた人間に「国家」という大きなものを突きつけられた。
・自分もその一員だと言われた。
・農民は農民として生涯を終えると思っていたのに、何にでもなれると言われた。
 このワクワクは現代に生きていても想像できる。

 秋山真之(本木雅弘)、正岡子規(香川照之)もこのワクワクを抱いて東京にやって来た。
 大学に入るために予備校に入る。
 そこで後に財務大臣・総理大臣になる高橋是清(西田敏行)に英語を習う。

 だが横浜の外国人居留地に行った時、真之たちは自分たちの「国家」の現実を知る。
 欧米の西洋人から「サル」と蔑まれている現実だ。

 外国人居留地で真之たちはこんな事件を目撃する。
 英国人が難癖をつけて日本の商人(蛭子能収)から鎧を奪い取ろうとしていたのだ。
「金を払って下さい……!」と懇願する商人に英国人は「これは盗まれたものだ!」と
 突っぱねて、鎧・兜を荷車に乗せる。
 なおも食い下がる商人の背中をステッキで叩く。
 この横暴に対して、真之は英語で次のように抗議する。

『イギリス紳士は博愛精神に富み、弱きを助け強きをくじく。
 常に法を拠り所にして犯罪や不正を憎み、正義を貫く』

 高橋是清の英語授業のテキスト『万国記』に書かれていた「英国人像」だ。
 英国人にとって、このフレーズは一般的なものらしい。
 言われた英国人は一瞬ひるむが、横暴をやめない。
 そこにひとりの人物が現れる。
「ひさしぶりに懐かしい言葉を聞きました」
 英国人の海軍大尉ジョーンズ(ブレイク・クロフォード)だ。
 ジョーンズは英国人にあるまじき行為をした英国人に謝るように言う。
 英国人にもまっとうな人がいるのだ。
 ジョーンズと真之は握手をする。

 事はこれで収まるが、真之は自分たちの国の課題を知る。
『治外法権』だ。
 犯罪を犯した外国人を日本人は裁けない。
『治外法権』に対して高橋是清は真之たちに言う。

「この国の法律と憲法をつくり国会を開く。
 国としての正義を世界に示すのです。
 日本が紳士の国だと世界に認めさせることができたら治外法権はなくなるでしょう」

 真之は日本の現実を知り、具体的に自分は何をすればいいかを考え始めた。
 少年のようなワクワクから現実的な行動へ。
 無邪気な少年は考え悩む青年になっていく。
「坂の上の雲」はこうした青年たちの成長物語でもある。

 そして、それが日本という国家の成長・成熟とリンクしている。
 物語は「少年の国」の時代から新たなステージへ。
 青年たちと日本国家はどのような道を歩んでいくのだろう?


※追記
 英国人のアイデンティティは──
『イギリス紳士は博愛精神に富み、弱きを助け強きをくじく。
 常に法を拠り所にして犯罪や不正を憎み、正義を貫く』
 日本人のアイデンティティはどんな言葉で表わせばいいのだろう?

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「光る君へ」 第35回「中宮の涙」~光る君の妻になるのがよい! 藤式部、そうなるようにしておくれ!

2024年09月16日 | 大河ドラマ・時代劇
「お上、お慕いしております!」
 まひろ・藤式部(吉高由里子)に自分を正直にぶつけてみたら、とアドバイスされて
 彰子(見上愛)が叫んだのが、この言葉!
 ストレートだな~。
 不器用だな~。
 平安人なら巧みな歌に自分の想いを偲ばせて……。
 でも、それができないのが彰子だ。

 彰子は帝への想いを隠せない。
『源氏物語』の紫の上が今後どうなるのか? を尋ねて、まひろが「考えています」と答えると、
「光る君の妻になるのがよい! 藤式部、そうなるようにしておくれ!」

「まるでわたしのようであった」というせりふもあったが、
 彰子はやっと『源氏物語』で自分を重ね合わせる人物を見出したようだ。
 それは無垢な少女の紫の上。
 それでいて帝には「ずっと大人でした」と言っていた。
 これはどういうことだろう?
 道長(柄本佑)の期待に沿うように生きてきたということだろうか?
 本当は嫌だったのに「仰せのままに」と入内を受け入れたことだろうか?
 ずっと帝に抱かれることを待っていたということだろうか?

 抑圧されていた人物が解放されていく姿を見るのは心地いい。
 感情が芽生え、顔がイキイキとして来るのを見るのは楽しい。

 というわけで、彰子様、もう他人の顔色をうかがうのはやめよう!
 嫌われたって、笑われたっていいじゃないか。もっと自分を出していこう!
 彰子様は十分に魅力的なのだから!
 
 彰子のもとを訪ねる時、一条天皇(塩野瑛久)は雪を見ていたが、
 あれは香炉峰の雪で楽しい時を過ごした定子(高畑充希)に別れを告げたのだろうか?
 …………………………………………………………

 その他、宮廷ではさまざまな恋愛模様。

 惟規(高杉真宙)と斎院の中将(小坂奈緒)。
 日向坂のこさかな来たー!

 あかね・和泉式部(泉里香)は愛する人を亡くした。
 これがものを書くきっかけに。

 まひろにとって、これらは『源氏物語』を書く材料になっている。
 作劇的には、情熱のままに自分をぶつけられない彰子との対比。

 そしてまひろと道長。
「お帰りなさいませ。よくぞご無事で」
「うん」
 完全に夫婦じゃないか!
 紫の上のモデルが幼き頃の自分だとまひろが告げると、
「おまえは不義の子を産んだのか?」
 まひろはとぼけたが、道長は気づいた様子。
 帝が彰子のものに通って来ると、道長は父親の顔になって、
「ああ、よかった」
 ふたりは同じ月を見る。

 まひろと道長、いい関係になったな~。
 心で繋がっていて、まさにソウルメイト。
 年齢を重ねて、今後ふたりがどんな絆で結ばれていくか楽しみだ。

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爆笑! 小泉進次郎名言集!~プラスチックの原料って石油なんですよ。意外とこれ知られていないんです

2024年09月15日 | 事件・出来事
 自民党総裁選。小泉進次郎氏のメッキが剥がれつつある。
 すべての発言が浅いのだ。
 党員票では石破茂、高市早苗に続いて3位に転落。

 というわけで、今回は過去の小泉進次郎発言をピックアップしてみよう!

「プラスチックの原料って石油なんですよ。意外とこれ知られていないんです」←知ってるわ!

「気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ」←感覚的!

 二酸化炭素を何パーセント削減するかを聞かれて、
「くっきりとした姿は見えているわけではないんですけど、
 おぼろげながら浮かんで来たんです、46という数字が」
←やばいだろ、こいつ!

「今のままではいけないと思うんです。だからこそ日本は今のままではいけない」
 ←すごいぞ、進次郎!

「水と油を混ぜるとドレッシングになるんです」←すごいぞ、進次郎・パート2!

 3・11の時のことを聞かれて、
「30年後の自分は何歳かな、とあの発災時に考えていました」←60歳です……。

「私が常に心掛けていることは、私の話している言葉に体温と体重を乗せることです」
 ←どういうこと?

 昨日(9/14)の討論会で
「台湾には何度も行ったことがあります。中国には行ったことがありません」
 ←日本は「台湾は中国の一部」という立場なので外交問題になります。

 昨日の討論会~来年のカナダのサミットで何を語るかを問われて、
「カナダのトルドー首相とは同世代なので胸襟を開いて話せると思います」
 ←そんなこと問われていないのだが……。

 昨日の討論会~拉致問題のことを問われて
「金正恩氏とは同世代なので胸襟を開いて話せると思います」
 ←また、それかよ……! 
  たぶん「拉致された方は亡くなりました」「これはあなたの父上に話しました」で終わって
 「では日朝国交樹立を」「戦争の賠償を」と迫られるぞ。
 ……………………………………………………………

 政策については、もし今後、彼が首相になる可能性が高くなるようなら批判するが、
 過去の発言だけ聞いても、やばいぞ、進次郎!
 彼が首相になったら日本中がメチャクチャになるし、世界中の笑いものになるぞ。

 まあ、短命内閣で終わると思うけど。
 とりあえず進次郎氏で衆議院選挙で勝って、国会論戦でボロが出て退陣。
 小泉進次郎さん、おそらく菅義偉がバックにいるんだろうけど、ここで撤退した方が……。

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