平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

花燃ゆ 第22回「妻と奇兵隊」~完全に好戦的。攘夷を批判する視点はどこにいった?

2015年06月01日 | 大河ドラマ・時代劇
「このまま異国が黙っとるわけがない」
 高杉(高良健吾)の言葉。
 そうなんですよね、戦争はやったら、やり返される。
 相手の軍事力が強ければ倍返しされる。
 ここんとこ、安倍さん、しっかり考えてね。
 あなたの〝戦争法案〟はそうなる可能性が大いにあるんだからね。
 って、今回は安倍首相批判でなく、「花燃ゆ」だった。

 さて、今回は長州がふたつの〝前代未聞〟をおこなった話だった。
 ひとつは奇兵隊。
 一般民衆、武士でない者がいくさ場で戦う。
 ひとつは女台場。
 武家の女が御台場普請をおこなう。

 まさに総力戦。

 んで、高杉、
「立ち上がる気はあるか!? こん国を守ろうとする志のある者は!?」
 文(井上真央)は、
「だんな様が帰った時、誇りに思ってもらいたい、この町は豊かだと」

 みんな、好戦的だな~。
 文はいつの間に宗旨替え?
 久坂(東出昌大)を支えると決心した時点で、盲目的に応援することを決めたのか?
 今までの大河ドラマなら、〝女性は戦争を嫌がる〟という視点があったのにね。
 これが完全になくなってしまった。

 そもそも、この作品には、攘夷は正しかったのか? という視点が欠けている。
 まあ、今回も
「大筒なんかぶっ放すからじゃ!」
「誰じゃ、誰が異国といくさなんか始めたんじゃ!」
 という民の叫びがあったが、批判的なのは前半だけ。
 あとは前回に引き続き、物分かりのいい民衆と女たちが描かれるだけ。
 今までの大河ドラマなら、攘夷に批判的な〝勝海舟の視点〟があってバランスがとれていたんだけど、今回はそれがない。
 完全に〝長州史観〟。
 あの時代の勝海舟の考え方や徳川慶喜の大政奉還なんかは卓見だったと思うよ。

 徳川300年の平和。
 この平和が脅かされそうな時に出て来た、高杉・久坂らの長州の人間たち。
 現在の戦後70年の平和。
 この平和が中国などの台頭で、脅かされそうな時に出て来た、長州出身の安倍首相。
 この符合は何だろう?
 安倍晋三氏は吉田松陰を師と仰いでいるらしいが、自分を高杉・久坂や長州の政治家たちになぞらえているのかもしれない。
 だとしたら単純な男だね、安倍さんは。
 きっと〝長州史観〟の持ち主なんだろうな。
 最後は結局、安倍批判になってしまった。

コメント (2)
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