古今和歌集 0563 2021-05-15 19:05:49 | 古今和歌集 ささのはに おくしもよりも ひとりぬる わがころもでぞ さえまさりける 笹の葉に 置く霜よりも 一人寝る わが衣手ぞ さえまさりける 紀友則 笹の葉に置く霜よりも、一人で寝る私の衣手の方が、一層冷え冷えとしていることよ。 衣手が冷えているのは、涙で凍っているから。「衣手」は袖のこと。「さえ」は「さゆ」の連用形で、冷える、凍るの意です。