漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0570

2021-05-22 19:16:44 | 古今和歌集

わりなくも ねてもさめても こひしきか こころをいづち やらばわすれむ

わりなくも 寝てもさめても 恋しきか 心をいづち やらば忘れむ

 

よみ人知らず

 

 どうしようもなく寝ても覚めても恋しいことだ。いったい、心をどこにやれば忘れられるのだろうか。

 第五句の「やる」は「遣る」で、ここでは「行かせる」「送る」といった意。恋しい思いに苦しむ心を、自分から遠く離れたところへ追いやってしまいたいという思い。