漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0561

2021-05-13 19:33:27 | 古今和歌集

よひのまも はかなくみゆる なつむしに まどひまされる こひもするかな

宵の間も はかなく見ゆる 夏虫に まどひまされる 恋もするかな

 

紀友則

 

 宵のうちからもうはかなく見える夏虫と比べても、さらに迷いがまさる恋をしていることよ。

 自ら火に飛び込んで命を落とす夏虫の儚さと比較しても、さらに惑い迷う恋に苦しんでいるわが身を詠んでいます。夏虫の運命をモチーフとした詠歌は 0544 にも登場しました。
 古今集の撰者でもある紀友則の歌が、ここから五首続きます。