漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0552

2021-05-04 19:38:34 | 古今和歌集

おもひつつ ぬればやひとの みえつらむ ゆめとしりせば さめざらましを

思ひつつ 寝ればや人の 見えつえらむ 夢と知りせば さめざらましを

 

小野小町

 

 あの人のことを恋しく思いながら寝たので、あの人が夢に見えたのであろうか。夢だと知っていれば、目をさまさずにいたものを。

 巻第十二「恋歌二」の巻頭歌。一日一首の連載を始めるより前に「古今和歌集」というそのまんま(汗)の表題の記事や、そのさらに一年前に「変体仮名」という違う観点の記事でもご紹介している、小野小町の代表作の一つですね。「恋歌二」の冒頭は、恋と夢を題材に詠んだ小町の歌が三首続きます。