おもひつつ ぬればやひとの みえつらむ ゆめとしりせば さめざらましを
思ひつつ 寝ればや人の 見えつえらむ 夢と知りせば さめざらましを
小野小町
あの人のことを恋しく思いながら寝たので、あの人が夢に見えたのであろうか。夢だと知っていれば、目をさまさずにいたものを。
巻第十二「恋歌二」の巻頭歌。一日一首の連載を始めるより前に「古今和歌集」というそのまんま(汗)の表題の記事や、そのさらに一年前に「変体仮名」という違う観点の記事でもご紹介している、小野小町の代表作の一つですね。「恋歌二」の冒頭は、恋と夢を題材に詠んだ小町の歌が三首続きます。