漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0549

2021-05-01 19:00:18 | 古今和歌集

ひとめもる われかはあやな はなすすき などかほにいでて こひずしもあらむ

人目もる 我かはあやな 花すすき などかほに出でて 恋ひずしもあらむ

 

よみ人知らず

 

 人目を憚っていても何にもならない。花薄のように、どうして気持ちを明らかにせずに恋などしていられようか。

 「もる」は「守る」で、気にする、慎むの意。「花すすき」は「ほ(穂)」に掛かる枕詞です。恋情が募り、人知れず思いを寄せることに耐えがたくなってきた心情を詠んでいます。