漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

古今和歌集 0574

2021-05-26 19:49:12 | 古今和歌集

ゆめぢにも つゆやおくらむ よもすがら かよへるそでの ひちてかわかぬ

夢路にも 露やおくらむ 夜もすがら かよへる袖の ひちて乾かぬ

 

紀貫之

 

 夢の中の通い路にも露が置いていたのだろうか。いとしい人のもとへ夜通し通った私の袖が濡れて乾かない。

 初句の「にも」は、起きている間はもちろん、の意。「露」が涙の比喩なのは定番ですね。