漢検一級 かけだしリピーターの四方山話

漢検のリピート受検はお休みしていますが、日本語を愛し、奥深い言葉の世界をさまよっています。

貫之集 389

2024-05-09 06:05:05 | 貫之集

同年閏七月、右衛門督殿屏風の料、十五首

正月元日、人々遊びしたるところの庭に梅の花咲けり

おいらくも われはなげかし ちよまでの としこむごとに かくてたのまむ

老いらくも われは歎かじ 千代までの 年こむごとに かくてたのまむ

 

天慶二年(939年)七月、右衛門督殿の屏風の歌、十五首

正月元日、人々が遊んでいる庭に梅の花が咲いている

老いが来ても私は嘆くまい。新しい年を迎えるごとに、このような祝賀の宴が催されることを、いつまでも楽しみにしていよう。

 

 「右衛門督」は第57代陽成天皇の子、源清蔭(みなもと の きよかげ)のこと。清蔭自身もまた、後撰和歌集他にその詠歌が入集している勅撰歌人です。

 

 

 



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