からごろも なればみにこそ まつはれめ かけてのみやは こひむとおもひし
唐衣 なれば身にこそ まつはれめ かけてのみやは 恋ひむと思ひし
景式王
唐衣は、着馴れれば良く身になじむものなのに、着ずに衣桁に掛けているだけのように、ただ心にかけて思うだけの関係になるなどと思っただろうか。
「唐衣」は、平安時代に女官たちが用いた正装の一つ。丈の短い上着のようなものだったようです。古今集でも、10首ほどに詠み込まれていますね。
第55代文徳天皇の孫、景式王(かげのり の おほきみ)の歌が 0452 以来の登場。古今集への入集はこの二首のみです。