うばたまの わがくろかみや かはるらむ かがみのかげに ふれるしらゆき
うばたまの わが黒髪や 変るらむ 鏡の影に 降れる白雪
紀貫之
私の黒髪が変わったのだろうか。鏡映る私には白雪が降りかかっているよ。
「うばたまの」は「黒」「夜」などにかかる枕詞。鏡に映る白髪を雪に例え、自らの老いに嘆息しての詠歌ですね。隠し題は「わがくろかみや かはるらむ」と詠み込まれた「かみやがわ(紙屋川)」で、京都の桂川に流れ込む、現在では天神川と呼ばれている川とのことです。
早いもので今日からもう2月。巻第十「物名歌」も残り八首となりました。コロナの収束が見えない中、なかなか気持ちも切り替わりませんが、それを嘆いていても仕方ありませんので、前を向いて過ごしていきたいですね。 ^^
引き続きお付き合いください。