はるがすみ かすみていにし かりがねは いまぞなくなる あきつゆのうへに
春霞 かすみていにし かりがねは 今ぞ鳴くなる 秋露の上に
よみ人知らず
春霞の向こうへ去って行ってしまった雁が、再び渡来して秋露の上で今まさに鳴いているよ。
「春霞」と「秋露」を対比させることで強調される季節の移り変わりが、去って行った雁の帰来を詠み込むことでさらにあざやかに描写されています。わずか三十一文字で表現された時の流れのダイナミズムで、個人的にはとても好きな一首です。
はるがすみ かすみていにし かりがねは いまぞなくなる あきつゆのうへに
春霞 かすみていにし かりがねは 今ぞ鳴くなる 秋露の上に
よみ人知らず
春霞の向こうへ去って行ってしまった雁が、再び渡来して秋露の上で今まさに鳴いているよ。
「春霞」と「秋露」を対比させることで強調される季節の移り変わりが、去って行った雁の帰来を詠み込むことでさらにあざやかに描写されています。わずか三十一文字で表現された時の流れのダイナミズムで、個人的にはとても好きな一首です。