八月
あまくもの よそのものとは しりながら めづらしきかな かりのはつこゑ
天雲の よそのものとは 知りながら めづらしきかな 雁の初声
八月
遠く離れた天の雲のようによそのものとは知りながら、雁の初声を聞くと新鮮で心惹かれることよ。
「天雲の」は「よそ」にかかる枕詞ですが、ここでは解釈にも反映してみました。同じモチーフの在原元方の歌が 古今集0206 にも見えますね。
まつひとに あらぬものから はつかりの けさなくこゑの めづらしきかな
待つ人に あらぬものから 初雁の けさなく声の めづらしきかな
在原元方