星に願いを

5年間続けた海外生活から帰ってきて、5年がたちました。趣味の自転車(アウトドア)、読書(インドア)を綴っていきます。

活躍

2009年08月27日 23時30分10秒 | 思うこと
ずっと以前にこのブログに書き留めていたと思っていたけれど、
検索したら見つからなかったので、ここで書いてみようと思う。

今からもはや10年前のことになります。

初めて海外出張へ行くことになりました。
スウェーデンの山間部での車の試験のためでした。
期間は一ヶ月半
前半の2週間は、主催者の会社のガレージで車の予備試験と試験の準備。
後半の1ヶ月は、800km離れたスウェーデン北部へ自走で向かい、
山間部のテストコースで試験の本番。

借りているテストコースのレンタル料がもったいないから、
土日の休みなく、9日間働いて1日休みのスケジュールをこなし続けた。

1クール目は、勢いと気合で乗り切れた。ペース配分もわからないので、
常にフル回転で走り続けた。
2クール目に入るとさすがに疲れがボディブローのように利いてきて、
溜まってきているのがわかった。

今まで里心がつくような気持ちにならなかったけれど、
さすがに海外の出張が一ヶ月を越えると、日本に戻りたい気持ちが
募ってきた。
実験もなかなかうまくいかず、周りのスタッフもストレスが溜まってきていて、
その責任問題に発生しそうな雰囲気だった。
その中で、僕の立場がどんどん悪くなってきているのも感じていた。

そんな時、ホテルの部屋で独り、ユーロスポーツという
スポーツ専門のテレビ番組を流しながら、
データ整理とレポートの作成をしていたときのこと。
「ハーラーダ」、「フーナーキ」、とか、
聞き慣れた日本人の名前を連呼する海外のアナウンサーの声が聞こえてきた。

ノルディックスキーのジャンプ競技の中継だった。
99年の2月のこと。98年の長野オリンピック以来、大ジャンプの原田選手と
世界一美しいと言われていた舟木選手のジャンプだった。

こちらでも原田選手は人気の選手のようで、豪快に着地した後、
中継のカメラに向かって、飛びついて喜んでいる原田選手の姿を
そのまま流していた。
舟木選手は、静かに着地し、クールにスコアを見上げる姿が映っていた。

結果は、表彰台ではなかったと記憶してるけれど、
二人とも力を出し切った清々しい顔をしていた。

ああ、世界のトップで頑張っている日本人がすぐ近くにいるのだと思って、
ぽろぽろと涙が出てきた。

世界の舞台で活躍すること、その機会に恵まれたことを感謝し、
その場にいられるというだけでなく、今の自分の実力を持ちうる限り発揮し、
悔いのないようにする。
そこまでやりきった人だからこそ、あの顔になれるんだと思った。

僕は、まだその域まで達していない。
だから、まだまだ頑張れるはず。
もっともっと存分に自分の力を出してこようと思えた。


今年、ツールドフランスを観ていて、二人の日本人が史上初の完走をした。
しかも、二人とも入賞を受賞し、最終日には先頭集団に残って、
最後までレースを湧かしてくれた。

ベルリンの世界陸上では、やり投げの選手が史上初の銅メダルを獲得した。

世界で活躍する日本人の姿を見ているといつもあの時のジャンプ競技を見ていて
勇気付けられたことを思い出し、自分もここでもっと頑張らなければという気持ちになる。