Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

エラリー・クイーン/The Tragedy of Y

2019年03月24日 | 

エラリー・クイーン(バーナビイ・ロス名義)の The Tragedy of Y(1932年)読了(邦題『Yの悲劇』)。

2月のある日、ニューヨークの湾口に浮かんだ死体。それは数ヶ月前から行方不明になっていたヨーク・ハッターのものだった。懐の遺書から自殺と見られたその死の謎も解けぬまま、彼の一家をさらに次々と悲劇が襲う。

ニューヨーク市警のサム警部の要請を受けて捜査に乗り出す名探偵ドルリー・レーン。奇想天外とも思えるトリックを数学的・理知的な推理で解き明かす。そしてその謎を解いたレーンが苦悩の末に下した結論とは・・・?

凝りに凝った文体で遅々として進まなかった前作とは対照的に、読み始めた途端に一気に引き込まれるその力。久しぶりにKindleではなく紙の本で読んだのだが、全344頁、一瞬の緩みもなく、間然する所なし。私なんぞが何をか言わん、紛れもない名著名作。

エラリー・クイーン、すぐさまあと2作を追加で発注済、届くのが楽しみ。

Barnaby Ross, a.k.a. Ellery Queen,
The Tragedy of Y
(Forgotten Books)

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