エラリー・クイーン(バーナビイ・ロス名義)の The Tragedy of Y(1932年)読了(邦題『Yの悲劇』)。
2月のある日、ニューヨークの湾口に浮かんだ死体。それは数ヶ月前から行方不明になっていたヨーク・ハッターのものだった。懐の遺書から自殺と見られたその死の謎も解けぬまま、彼の一家をさらに次々と悲劇が襲う。
ニューヨーク市警のサム警部の要請を受けて捜査に乗り出す名探偵ドルリー・レーン。奇想天外とも思えるトリックを数学的・理知的な推理で解き明かす。そしてその謎を解いたレーンが苦悩の末に下した結論とは・・・?
凝りに凝った文体で遅々として進まなかった前作とは対照的に、読み始めた途端に一気に引き込まれるその力。久しぶりにKindleではなく紙の本で読んだのだが、全344頁、一瞬の緩みもなく、間然する所なし。私なんぞが何をか言わん、紛れもない名著名作。
エラリー・クイーン、すぐさまあと2作を追加で発注済、届くのが楽しみ。
Barnaby Ross, a.k.a. Ellery Queen,
The Tragedy of Y
(Forgotten Books)
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