高校生の頃、福永武彦という作家にハマったことがある。
大学に入った年に刊行が始まった全集20巻は今も手元にあり、時々思い立っては頁を繰る。
ニコラ・ド・スタールという画家の名を初めて知ったのは、その「海景」という抽象画が福永の小説『海市』の新潮文庫版の表紙に使われていたからだが、その後、同じ福永の『藝術の慰め』という随筆でも触れられていて、いつか実物を見たいと思っていた。
前置きが長くなっ . . . 本文を読む
釣った魚は自分で食べるか人にあげるかのどちらかで、人からもらうことはほぼ皆無。
・・・だったのだが、先週某日、休みが取れたと息子が一人で釣りに行き、獲物を置いて去って行った。
(イシモチは23センチ、キスは16~18センチ)
場所は馴染みの内房だが、この時期に陸からミニ天秤の飛距離でこのサイズは立派。
キスはカルパッチョ、イシモチはこんがりソテー。
あー俺も釣り行きてぇ . . . 本文を読む
少し確かめたいことがあり、再度ペンケース。
裏を漉かずに済む薄手の山羊革。縫っては裏返し、解いてはまた縫う。
毎度ながら試作と実験は楽しく、時間を忘れる。
以下は自分のための備忘:
①山をしっかり跨いで縫って潰した方が、折り返した時にキュッと立つ。
②穴を開けたら必ず縫う。穴が残るのは数が合っていない証拠。 . . . 本文を読む
中学・高校と吹奏楽部だったのだが、中3の時に吹いた金管五重奏曲が忘れられない。
当時私はテューバが担当で、トランペット2本、ホルンの代わりにテナーのトロンボーン、そして1つ下の後輩がユーフォニアム、計5本という編成。
「3つの小品」というタイトルだけ覚えていて長らく特定できなかったのだが、今回ようやくマウラー(Ludwig Maurer, 1789-1878)という作曲家の名前と、CDも発見 . . . 本文を読む
週末恒例の革弄り、GW中に作ったものと同じ青の山羊革でペンケース。
折り返し部分の裏を漉く(色が変わっている部分)のだが、なかなか同じ厚さにならず、折り返した時に薄い方が少しヨレっとなる。まだまだ課題あるなぁ・・・
このところよく近所のユザワヤに行くのだが、裁縫上手な女子たちに交じって店内をひと回りすると、使えそうなものがあれこれ見つかる。
写真は短めのマチ針で、縫い穴の位置合わせに重宝 . . . 本文を読む
John Green の The Fault in Our Stars 読了 (邦題 『さよならを待つふたりのために』)。
甲状腺がんが肺に転移した少女 Hazel と、骨肉腫で片足を失った少年 Augustus。二人のティーンエージャーの儚くも美しい物語。
余命いくばくもない二人がアムステルダムの運河沿いのレストランで食事をする場面があるのだが、何世紀も前から変わらぬ街並みと、開けた瞬間に . . . 本文を読む
L字型ファスナー付きコインケースの試作、第三弾。
ファスナーの曲がり角を少し緩やかにしたことで随分縫いやすくなった反面、そもそもファスナーを真っ直ぐに付けるのが難しい。う~ん・・・
因みに今回使ったのはブライドルレザーで、表面に浮き出た蝋(ロウ)がその証。
丈夫な(つまり硬い)革とは聞いていたが、事前にたっぷり蝋を引いて縫った麻糸の表面が、最後は少しささくれ立っ . . . 本文を読む
日々変わり映えのしないお昼ご飯ではあるが、たまにその季節ならではのものを食べると、くたびれた身体が少し元気になる気がする。
京橋「美々卯」の季節限定メニュー、これからは鱧。これを食べると、いよいよ夏が来るなぁと実感する。
美々卯 京橋店
中央区京橋3-6-4 . . . 本文を読む
P. D. ジェイムズの An Unsuitable Job for a Woman 読了。
こんなにかっちりしたイギリス英語のスリラーは久々で、字面は簡単そうに見えて実は知らない単語が続く続く。しかも否定×否定で肯定とか、たいがいにしてくれんかなぁ
・・・と思う間もなく、新米探偵コーデリアの目で見た個々の登場人物の細かな描写と、ポツポツと点で張られたプロットがやがて線になり面になっていくス . . . 本文を読む
週末の美術館のハシゴ。2軒目は乃木坂の国立新美術館で開催中の「ルノワール展」。
「ぶらんこ」や初来日の「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」の他にも、初期の風景画や肖像画、おまけにゴッホも3点来ていて、まぁお腹いっぱい。
(ピエール・オーギュスト・ルノワール「ぶらんこ」1876年、オルセー美術館蔵)
(ピエール・オーギュスト・ルノワール「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」1876年、オル . . . 本文を読む
職場の某先輩の言葉を借りると、仕事をしていて電池が切れる、もしくはカラータイマーが鳴り出すタイミングが、自分の頭で思っている以上に早くやってくる気がする今日この頃。思い立って美術館をハシゴする。
1軒目は新宿の損保ジャパン日本興亜美術館。「樹をめぐる物語」というタイトルでフランスの風景画の展示。
テオドール・ルソーやデュプレ、コローやドービニーのバルビゾン派からポスト印象派まで、初めて知る画 . . . 本文を読む
食事や料理のきっかけは様々だが、食材は勿論、それを盛る器や道具も立派な要素のひとつ。
写真は南木曽のろくろ細工、いわゆる挽物(ひきもの)の鉢。
使う人間がご同様なので文句は言えないが、しょっちゅう箍(たが)が外れるこれまでの寿司桶とはまるで別物。
栓(セン)の木の丸太から削り出した器は、内側の曲面が絶妙で酢飯を混ぜやすい。
丁重なお便りが入っていたり、発送の件でメールや電話でお話しす . . . 本文を読む
今週のバッハ・コレギウム・ジャパン定期演奏会 (5/31 東京オペラシティ)。
この日は余裕を持って会社を出たので、立ち食い蕎麦の「加賀」で腹ごしらえ。
立ち食いと侮るなかれ、注文してから揚げ始めるかき揚げは、適度に隙間があって、ほろりとさっくさく。
(クリックで拡大)
親父さんも元気そうで良かったな
加賀
渋谷区本町1-2-3
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