いつも決まった通路を通って決まったお店にしかいかないので(手元重視の遠近両用メガネでそもそも遠くは見えないし)全く気づかなかったのだが、最近やたらと曜変天目の写真を見ると思ったら、静嘉堂文庫美術館の分館がすぐ近所にあると知る。
今日夕方の打ち合わせが飛んだので、これ幸いと早上がりで覗いてきた。
茶道の心得も知識も全くない私が観るのも何だか恐れ多いが、何度見ても美しいものは美しい。
(国宝 . . . 本文を読む
乃木坂の国立新美術館で開催中のマティス展に行く。
昨年も上野でひとしきり堪能したマティスだが、今回はニースのマティス美術館の収蔵品がメイン。
多作ということもあるのだろうが、若い頃の作品から様々な振り幅のなかで画風が変容していく様は(これは確か昨年も同じようなことを書いた気がするが)まるで一巻の巨大な絵巻物のよう。
(アンリ・マティス「小さなピアニスト、青い服」1924年、ニース市マティ . . . 本文を読む
カミさんと新宿へ。
お目当ての小皿を購い、家に戻ってお菓子を載せる。
毎度こんな使い方ばっかりでお恥ずかし・・・
平戸藤祥五光窯 藤本江里子 器展
2024年2月7日~2月13日
伊勢丹新宿店 . . . 本文を読む
平日の休日、新宿のSOMPO美術館で開催中の「ゴッホと静物画」展に行く。
久々の新宿もあちこち再開発の最中で、見知ったつもりの通りやビルがなくなって迷子になりそうになる。
それにしてもみんな大好きゴッホ(私も含め)。午前中の早い時間に行ったのに、帰りは入り口で長蛇の列。
静物画と銘打っただけのことはあり、よくこれだけ集めたなぁというくらい、ゴッホの静物画が並ぶ。しかも、似たようなモチーフの . . . 本文を読む
会社のナントカの日で平日の休日。先日のテート展で懲りたので、始まったばかりの「ポンピドゥーセンター キュビスム展」に行く(国立西洋美術館)。
セザンヌに触発された若き画家たちがその跡を追い(ピカソとブラックの若い頃の作品が並ぶのは壮観)、やがて面は刻まれ、視点を変えて再構成されていく。その過程は実にエネルギッシュで、展示を辿ればその激動のうねりを体感することができる、素晴らしい構成。
(ポー . . . 本文を読む
平日の休日、乃木坂の国立新美術館で開催中のテート美術館展に行く。
夏前にチケットを買い、学校の夏休みが終わる頃に行こうと思っていたらもう会期終わり間近。当地に行かずして観られるだけでも幸せなので文句を言ったら罰が当たるが、人波に急かされずに行きつ戻りつできるくらいのタイミングで行きたいなぁ・・・
と、会期終盤に慌てて駆け込む泥縄の権化みたいな私が言う資格はありませんな
(ジョゼフ・マロー . . . 本文を読む
土日に都心に出るのは億劫なので、美術館に行くなら平日出社した時の夜、もしくは半休にして行くのだが、この松岡美術館は閉館が17時ゆえ、長らく果たせぬ宿題だった。
この日は平日の休日、上野に行った帰りだったので1ヶ月ほど前。白金台の駅から地上に上がり、これまでもこれからも全く縁がなさそうな街並みを抜けて、緑に囲まれた松岡美術館に行く。
それほど広くないスペースではあるが、古代オリエント、ガン . . . 本文を読む
平日の休日。
上野の東京都美術館で開催中の「マティス展」に行く。
絵画だけでなく素描や彫刻、切り紙絵に至るまで、マティスの全容をぐるっと辿るお腹いっぱいの展示。
初期の点描っぽい作品から、線が面になり、面が色になり、立体が平面になり・・・と変遷していく様がよく分かる構成。歩きながら辿っているだけで、さながら歴史絵巻を見ているような気がしてくる。
(アンリ・マティス「緑色の食器戸棚と静物」 . . . 本文を読む
平日の休日。毎度の表参道から湯島経由、上野へ。
お昼は「阿吽」、(辛さ)4の(痺れ)4。
リニューアルオープンと言われても見たところ何も変わっていないように見える国立西洋美術館は、懐かしい常設の常連に加え、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の収蔵品からの展示。
(カスパー・ダーヴィット・フリードリヒ「夕日の前に立つ女性」1818年頃、フォルクヴァング美術館蔵)
(ポール・セ . . . 本文を読む
平日の休日。
乃木坂のメトロポリタン美術館展に行く。
今回は特に初来日の作品が多いと聞いて楽しみにしていたのだが、噂に違わぬ名品揃い。特にバロック絵画のゾーン、四方の壁にルーベンス、ベラスケス、プッサン、ムリーリョと並んでいるところなど、周回しすぎて頭がくらくらする。
(エル・グレコ「羊飼いの礼拝」1605-10年頃、メトロポリタン美術館蔵)
(ヨハネス・フェルメール「信仰の寓意」16 . . . 本文を読む
アーティゾン美術館(旧ブリヂストン美術館)で開催中の「STEPS AHEAD」と題された新収蔵作品展示。
素人の悲しさで、抽象画を前に想像力を全開にするにはしんどい時もあるものの、脳みその普段使わない部分が刺激されるのは間違いない。格段に広くなった展示スペースには常設展示の常連も数多く、時間を忘れてゆっくりできる。会期が延長されて9月5日まで(事前の日時指定予約制)。
(ザオ・ウーキー「水 . . . 本文を読む
コンスタブルを見たその足で東京駅に向かい、東京ステーションギャラリーで開催中の 南 薫造 展に行く。
南 薫造(1883-1950)の名前は、恥ずかしながらどこかで聞いたことがある程度。若くしてイギリス、そしてフランスに留学(この順番がまた面白い)した南は、その時々で集中的に色々なことを勉強・吸収しようとしたのだろう、コンスタブル展からの続きで見たから余計にそう思うのかも知れないが、例えば肖像 . . . 本文を読む
三菱一号館美術館で開催中のコンスタブル展(John Constable, 1776-1837)。
テート美術館が誇るコレクションから約40点。そこにターナーをはじめとする同時代の画家の作品が加わって、見応え十分。
かっちりとした構図に自然な遠近感。木々や空、雲の描き方。そして手前に赤を置いて目線を誘導させるところ。等々、後の印象派やその少し前のバルビゾン派に与えた影響は計り知れず、それがまる . . . 本文を読む
私は映画マニアでも何でもないし、DVDやBlu-rayを何枚か持っている程度だが、いつ見てもそこにその世界が存在し、始まると一気にそのなかにタイムスリップするような作品は、繰り返し見てしまう。
『U・ボート』(1981年)もその一つ。
全編に揺蕩う閉塞感と息詰まる緊張感は、紛れもなくここにしかない世界。
U・ボート ディレクターズ・カット [Blu-ray] . . . 本文を読む
出光美術館で開催中の「狩野派 ─ 画壇を制した眼と手」。
室町時代から江戸時代にかけて画壇を制した狩野派の全貌を、収蔵品だけで見せるというさすがの展示。伝来の「漢画」を鑑定する(もちろん料金を取って)ついでに模写して画嚢にしていたとか、普段不勉強なだけに知らないことの連続。
個人的には前半、探幽の六曲一双の水墨画に目を奪われる。写真は右隻・左隻それぞれの拡大部分だが、実際はこの間に空間があり . . . 本文を読む