ロジャー・スカーレットの Murder Among the Angells(1932年)読了(邦題『エンジェル家の殺人』)。
ボストンの高級住宅街ビーコン・ヒルにあるエンジェル邸には、双子の老兄弟とそれぞれの一家が、対角線を挟んで両側に住んでいる。先代の遺言で、エンジェル家の遺産はどちらか長生きした方が全て受け取るというサバイバル。
ある日、死期を察した兄が、父の遺言を書き換えようと弟に提案 . . . 本文を読む
マイクル・イネスの Lament for a Maker(1938年)読了(邦題『ある詩人への挽歌』)。
スコットランドの田舎町キンケイグ。当代の領主ラナルドはケチで非道な嫌われ者。ある冬の夜、そのラナルドが住まいのエルカニー城の胸壁から転落死する。折しもそれは、姪のクリスティンと、ラナルドが長らく嫌っていたその恋人ニールの結婚を許すからと、ラナルド自身がニールを城に招いた夜。ラナルドの部屋に . . . 本文を読む
マージェリー・アリンガムの Flowers for the Judge(1936年)読了(邦題『判事への花束』)。
ロンドンにある出版社で、役員の一人ポールが数日間姿を現さない。そこは同族経営の老舗出版社で、経営者や役員は親戚や従妹ばかり。ポールは元々そうしてふらっといなくなることも多く、またいつものことかと皆それほど心配していなかったのだが、果たして数日後、地下の書庫で死んでいるのが見つかる . . . 本文を読む
ニコラス・ブレイクの The Beast Must Die(1938年)読了(邦題『野獣死すべし』)。
最愛の息子をひき逃げ事故で失ったフィリクス・レイン。警察の捜査もむなしく犯人は見つからず、やがて自分で犯人を捜して復讐することを誓う。
彼は推理小説家である。犯人の心理を逆に辿って推論を進め、ついに犯人の居場所を突き止める。言葉巧みに犯人の家族に入り込むフィリクス。彼の復讐の首尾はいかに・ . . . 本文を読む