渋谷のBunkamuraで開催中の「ベルギー奇想の系譜」展。
奇想天外なヒエロニムス・ボスやブリューゲルの作品に始まり、暗喩に富んだ絵こそが語る象徴派や表現主義、そしてマグリットやデルヴォーのシュルレアリスムに至るまで、それが同じベルギーという地やその周辺で生まれたのだと示されると、なるほど面白い。こういう企画力はさすが。
(ヒエロニムス・ボス工房「トゥヌグダルスの幻視」1490-1500 . . . 本文を読む
平日の休日、人生初のマルイカ釣り。海も凪よく絶好の釣り日和。
(城ケ島沖)
釣り方はもちろん、道具立てや諸々勝手が分からないことだらけだったのだが、船長やまわりの名人衆にアドバイスをいただきながら、文字通り無我夢中。
(イカ釣りの必需品、投入機)
(スッテ各種)
これまでに経験したことのない繊細なアタリ、乗れば小ぶりでもズドンと来る重量感、そして釣りあげたばかりのイカの透明感。何から何 . . . 本文を読む
E. S. ガードナー(A. A. フェア)の Cats Prowl at Night(1943年)読了(邦題『猫は夜中に散歩する』)。
Cool & Lam シリーズの第8作。今回もラム君は不在、但し前作と違って手紙での登場もなく、バーサ・クール女史が一人で奮闘する。
このバーサ女史。恐らく探偵としてはあまり器用ではないのだろう、尾行を頼まれたらまんまと巻かれ、証拠の品をくすねたり遺留品を . . . 本文を読む
以前も書いたが、私は内田百閒の貧乏譚や失敗談が大好きである。大真面目でやっているのにうまくいかないから自分でもどうしようもないし、格好をつけても仕方ない。
マルイカ竿に取り掛かって約2ヶ月、とうとうやらかした。
穂先部分の長さは約60センチ、先端の一番細い部分の直径は0.35ミリ。ここに極小ガイドを配置するのだが、決して机上の計算通りにはいかないので、巻いては曲げ、解いては巻き、曲げてはまた . . . 本文を読む
E. S. ガードナー(A. A. フェア)の Bats Fly at Dusk(1942年)読了(邦題『蝙蝠(コウモリ)は夕方に飛ぶ』)。
Cool & Lam シリーズの第7作、今回の依頼人は事務所の近くの路上にいる盲目の老人。
足音だけでそれが誰か分かるその老人が、近くの交差点で交通事故に遭った若い女性を探して欲しいとやって来る。
その女性はすぐに見つかったのだが、あっという間に話が . . . 本文を読む
三菱一号館美術館で開催中の「レオナルド×ミケランジェロ」展。
夏休みが近くなればなるほど混み始めると踏んで、開催早々、しかもFLEXで夕方早めに上がって行ってきたのだが、まぁ名残惜しいこと。
赤チョークや尖筆を使ったその素描はどれも繊細で細密。
結局のところ、平面的な画布や紙の上で立体や遠近をどう表現するか、その試行錯誤や研究の数々。紙面からその息遣いが聞こえてくるようで、鳥肌立ちっぱなし . . . 本文を読む
このところ週末あちこち出掛けることが多かったので、ようやく今シーズン2度目の投げ釣り。
時期的にそろそろかなと考えるのはみな同じで、いつになく釣り人は多かったのだが(写真は5時半時点)、キスのご機嫌はいまいち。
ただ、釣れても釣れなくてもお互い何とはなしに話をするのがここの釣り人の良いところで、別れ際は決まって「じゃあ頑張って 」
GW中に組んだ投げ竿は思った通りの使いやすさ . . . 本文を読む
上野公園の奥深く、国立博物館の前を左に折れて藝大に行く途中に「黒田記念館」がある。
曜日にかかわらず開館時間が17時までと難易度が高く、先週金曜日の夕方ようやく初訪問。
展示室自体は決して広くないのだが、普段はあまり見ることができない下絵やデッサン、遺品のイーゼルやパレット(実物)も展示されており、見応え十分。
(黒田清輝「昔語り下絵(構図Ⅱ)」1896年) . . . 本文を読む
銀座から有楽町界隈には各県のアンテナショップがいくつもある。
規模は様々ながらそれぞれ個性があり、時に思いもよらない発見がある。
この「満照豆」は福井のお菓子。インパクト抜群のこのパッケージは、カミさん曰く「子供の頃からずーっと変わっていない」らしい。
何だか干からびた納豆みたいだが、原材料は大豆・砂糖・黒糖・胡麻油のみ、その素朴な味わいはまさに孤高。
あんまり再々買って帰 . . . 本文を読む
E. S. ガードナー(A. A. フェア)の Cool & Lam シリーズ、第6作 Owls Don't Blink(1942年)読了(邦題『梟はまばたきしない』)。
ニューヨークの弁護士から、ニューオリンズで女性を探せという依頼。女性は難なく見つかったのだが、その理由や目的は一切明かされず、そもそものこの弁護士自身が相当胡散臭い。と思う間もなくその女性は姿を消し、彼女の部屋には銃で撃たれ . . . 本文を読む
週末になったらやろうと思っていたことをやらず、そういえばと思い出して『アラバマ物語』を観る。
原文の To Kill A Mockingbird を読んだ後にこの Blu-ray を買ったのはかれこれ5年前。あの長編をよくここまでコンパクトに、しかも大事な台詞は原文そのままに、2時間ちょっとにまとめ上げたもの。そのくらい違和感のなく、一個の作品として完成されている。
グレゴリー・ペック自身の . . . 本文を読む