Year In, Year Out ~ 魚花日記

ロッドビルドや釣りに関する話題を中心に。クラシック音楽や本、美術館巡りに日本酒も。

ミッチ・アルボム/Tuesdays with Morrie (邦題 『モリー先生との火曜日』)

2013年01月05日 | 

誰にでも人生において師と呼ぶ人が居ると思います。この本の著者にとっては大学時代の恩師、モリー先生がそれでした。

著者は大学を卒業後スポーツライターとして活動していましたが、ふとしたことから大学時代の恩師が難病で余命幾許もないことを知ります。そして毎週火曜日にそのモリー先生の自宅を訪れ、先生と色々な話する。それがこの本のストーリーです。

読みながら色々なことを考えました。自分がモリー先生と同じ状況になった時、果たして同じような行動がとれるか。周りの人は自分に同じように接してくれるか。

我々日本人は人前で love という言葉を積極的に使うのにどこか面映ゆい気持ちがするものですが、モリー先生は違います。

love is how you stay alive, even after you are gone. (p.133)

Te most important thing in life is to learn how to give out love, and to let it come in. (p.52)

それはモリー先生が不治の難病にかかったから言える言葉ではないのです。結婚について話し合った時、モリー先生はこう言います。この本のなかで私が一番好きな箇所です。(文中の you は見かけは単数ですが、同時に複数としても読んでください。)

If you don't respect the other person, you're gonna have a lot of trouble. If you don't know how to compromise, you're gonna have a lot of trouble. If you can't talk openly what goes on between you, you're gonna have a lot of trouble. And if you don't have a common set of values in life, you're gonna have a lot of trouble. Your values must be alike. (p.149)

それからもうひとつ。上の文章にも出てくる value というのは色々な意味がありますが、次の culture という言葉にも深い含蓄があります。

you have to be strong enough to say if the culture doesn't work, don't buy it. Create your own. (pp.35-36)

Here's what I mean by building your own little subculture,... Take my condition.... not being able to walk, not being able to wipe my ass, waking up some mornings wanting to cry -- there is nothing innately embarrassing or shaming about them.
It's the same for women not being thin enough, or men not being rich enough. It's just what our culture would have you believe. Don't believe it. (p.155)


この本は、決して人生指南や恋愛指導の本ではありません。そういう分かりやすい答えや耳障りの良い言葉を期待して手に取ると、少し当てが外れます。これはあくまでもモリー先生自身が出した生涯の答えであって、それが必ずしも万人に当てはまるは限らないからです。

それでも私はこの本を、十分楽しんで読み終えました。恐らくまた時期を置いて、再び読むことになるでしょう。そんな本です。

Mitch Albom,
Tuesdays with Morrie
(Anchor Books)

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