エドマンド・クリスピンの The Moving Toyshop(1946年)読了(邦題『消えた玩具屋』)。
ロンドン住まいの詩人キャドガン。ある夜ふと思いついて母校のあるオックスフォードに向かったは良いが、途中で電車がなくなり、ヒッチハイクでようやくオックスフォードに辿り着いたのはもう深夜。ふと見ると玩具屋のドアが空いている。興味本位で中に入ると、誰もいない店内で女性の死体を発見する。そして次の瞬間、何者かに頭を殴られて気を失ってしまう。
しばらくして目が覚め、裏口から文字通り這々の体で逃げ出し、旧知のフェン教授の元を訪れたキャドガン。事情を話して二人で現場に戻ると、玩具屋だったはずの店は雑貨店に変わり、勿論女性の死体も消え失せた・・・
オックスフォード大学セント・クリストファーズ・カレッジのフェン教授が事件を解決するこのシリーズ。英文学やオックスフォードの街に造詣の深い人には親しみやすいのだろうが、浅学の哀しさ、何となくの雰囲気しか味わえないのが辛い。けれどアメリカ人のジョークとはまた違ったユーモアや言い回しはなかなか面白く、ちょっぴり教養人の香りをかすめ取ったような気がする。きっと気のせいだろうけど・・・
エドマンド・クリスピン、もう1作行きます。
Edmund Crispin,
The Moving Toyshop
(Kindle)
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