西部地区にある「五島軒本店旧館」。
「五島軒」は、函館を代表するグルメブランドとして、道内外において高い人気を誇っています。
1879年、若山惣太郎氏がロシア料理とパンの店として開いたのが最初で、その後フランス料理店となりますが、初代コック長で店名の由来となった五島英吉氏によるロシア仕込みのカレーが、長い時間をかけて函館の食ブランドとして定着しています。
元々は八幡坂の下で創業されましたが、1901年に基坂の下へ移り、1907年の大火によって現在地に移りました。
その後、1921年及び1934年の大火でも被災しますが、その都度新築して現在に至っています。
写真のこの建物は、1934年の大火後に建築されたもので、1989年に函館市の景観形成指定建築物となり、1997年に、国の有形文化財として登録されています。
この建物のうち、1階のロビーと展示スペースは立ち入り自由で、五島軒を題材にした、船山馨という小説家の「蘆火野」という作品に関するメモリアルホールが設置されているほか、函館で貿易商を営んでいたシュロタというドイツ人が使用していたという日本最古のストーブや、北海道上陸第一号とされるレジスターなども見ることができます。
本店旧館の隣にある「レストラン雪河亭」。
大人気のカレーメニューは、1989年に天皇・皇后両陛下が来店された時に提供した「若山徳次郎リッチ鴨カレー」をはじめ、イギリス風の中辛ビーフカレー、フランス風の生クリーム入り甘口ビーフカレー、インド風辛口チキンカレー、赤唐辛子、ニンニク、ショウガを多く盛り込んだメキシコ風カレー、ココナッツミルク入りのスリランカ風ホワイトソースカレー、それに目玉焼きが添えられた日本風カレーなど、世界のカレーが提供されています。
(「五島軒」公式サイト)