北の風に吹かれて~独り漫遊記~

町歩きを中心に、日々の出来事を綴ります。 
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弁天様の島

2017-09-01 19:34:00 | 函館



函館から渡島半島を東回りに進んだ戸井地区(旧戸井町)の漁港近くにある小さな島。
「武井の島」という名前ですが、読み方は「たけい」ではなく「むい」で、ムイという名(「オオバンヒザラガイ」という貝のアイヌ語)の貝とアワビが諍いを起こし、この島より西側はアワビの国で東側がムイの国と定められたという伝説が残されています。
(その後、西からの津軽暖流と、東からの親潮(暖流)の接触により潮境に変化が生じ、両者の領地は互いに越境し合っているとのことですが)

そんな伝説があるこの島は、高さ57メートル、周囲720メートルで、1,000万~500万年前の海中火山噴火によってできたと考えらている、玄武岩で構成される島です。





小さな島の上に何やら建っていますね・・・。





何と、ここには小さな神社が。
ここには、海の守護神である弁天様(弁財天)が祀られています。

この弁天様に関しても伝説があり、大阪の豪商の船が津軽海峡で暴風に遭い、漂流した遭難の危機に直面するも、この島の辺りで暴風が収まり難を逃れたことから、乗組員がこの島を神の島と崇めて、船の舳先に祀っていた弁財天を島に移して帰って行ったとか、地元の商人が、海に漂流している弁天様を拾って島に祀ったなどのいわれがあるようですが、旧戸井町の町史によると、この二つの伝説が繋がり、「豪商が島に移した弁天様が更なる暴風で漂流し、それを商人が拾って再度島に祀った」というのが有力説になっているようです。
現在の社殿は、1937年(昭和12年)6月25日に建立されたもので、この6月25日が、弁天様の例祭となっているとのことです。





漁港側にある「柱状節理」と呼ばれる崖。
ここでは、約1,000万年前の火山噴火によってできたとされる巨大な岩石の地層が見られます。
コメント (2)
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