ダーティハリーについて考える。
44マグナム(S&W M29)という拳銃を有名にしたシーンですが
まあ007のベレッタ/PPKと並んで、これほど効果的な
CMというのも無いでしょうな。
さて、映画解説ではたいていは、上は6発撃って、
下は5発しか撃っていなかったとされています。
現に上の動画には6発のサウンドが入っていますが
良く見ると、撃つ芝居の無いところで、一発分のエフェクトが入っています。
これは、DVDにするときにエフェクトマンが、”あ、一発分足りない”と後入れしたのだそうです。
そう、両方のシーンでハリーは5発しか撃っていないんです。
そうでないとラストのシークエンスはご都合主義になってしまいます。
ではどういうトリックか?
発砲音は全部で6つ
①0:26強盗が銀行から出るところ
②0:29その直後
③0:30強盗が逃げる車の中
④⑤0:34逃げる車のフロントガラスの2発
⑥0:40車から降りた犯人
このうち 0:30の車の中のシーンだけ
ハリーが撃っているところがありません
たぶんこれは追加された一発ですね。
ではなぜ、犯人に向けて引き金を引いたときに弾が出ないのか?
③は撃っていないんですが、①、②、④、⑤、⑥と撃った後に
撃鉄を起こして(6発目がすぐに撃てるようにして)
して犯人に近づきます。
このまま引き金を引けば、発射可能です。
"This is a 44magnam・・・"とやった後で犯人があきらめます
撃鉄を戻しします(レストポジションに戻します)
犯人に”I got to know” といわれて撃鉄を起こして引き金を引きますが
このとき撃鉄が撃つのは一発目の空薬莢ですので当然弾は出ません。
(撃鉄を起こすとシリンダーが回転して一発目の空薬莢が発射位置に来る)
引き金を引いてカチッと言いますが
撃鉄が撃ったのは一発目の発射済みの薬莢
アメリカの警官は撃った数を忘れるなと アカデミーで叩き込まれますので
忘れちゃうなんてことは無いのです。(脚本はガンマニアのミリアスだしね)
このYouTubeの動画を見てそんなはずはない(6発撃ってるわけはない)
と信じた男が、思いついたのはVHSのソフトを見て確かめること。
まあ、出れば100円くらいですかね、1000円行くことはまずないですね
と、即決価格100円で落札しました。
送料が900円かかりました。
あけてびっくり
ダーティーハリー全巻セットでしたとさ どうしようコレ
レンタル落ちですが画質は悪くないです。
で、VHSで見てみるとやっぱり5発しか撃っていません。
一発足したエフェクトマンには蛇足という言葉の意味を教えたいものです。
どっとはらい
ちなみに44マグナムは走っている車を止めるほどのエネルギーが有ると信じている人がいますが
この映画でハリーは車ではなくウインドウ越しにドライバーを撃っています。
(アカデミーでも運転手を撃てと教えるようです)