『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

天皇陛下、「生前退位」強くにじます「国民の理解を得られることを、切に願っています」

2016-08-08 19:58:11 | 日記

天皇陛下が実質生前退位の意向を示されたことにより、一気に話は進みそうです。反対する公人は皆無でしょう。皇太子さまが新天皇に即位され年号とは裏腹な平成の世は終わり、新たな元号に変わることになります。昭和生まれの筆者からみれば寂しい限りです。バブル熟成、崩壊、東日本大震災に見舞われた衰退の平成時代が終わりを告げるのです。さらに、次の「皇太子」は誰がなるのかについては、現在の皇太子さまには男子がいないため、「皇太子」は不在になるようです。

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戦後七十年という大きな節目を過ぎ、二年後には、平成三十年を迎えます。

 私も八十を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることもあり、ここ数年、天皇としての自らの歩みを振り返るとともに、この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました。

 本日は、社会の高齢化が進む中、天皇もまた高齢となった場合、どのような在り方が望ましいか、天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、私が個人として、これまでに考えて来たことを話したいと思います。

 即位以来、私は国事行為を行うと共に、日本国憲法下で象徴と位置づけられた天皇の望ましい在り方を、日々模索しつつ過ごして来ました。伝統の継承者として、これを守り続ける責任に深く思いを致し、更に日々新たになる日本と世界の中にあって、日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていくかを考えつつ、今日に至っています。

 そのような中、何年か前のことになりますが、二度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった頃から、これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるかにつき、考えるようになりました。既に八十を越え、幸いに健康であるとは申せ、次第に進む身体の衰えを考慮する時、これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています。

 私が天皇の位についてから、ほぼ二十八年、この間(かん)私は、我が国における多くの喜びの時、また悲しみの時を、人々と共に過ごして来ました。私はこれまで天皇の務めとして、何よりもまず国民の安寧と幸せを祈ることを大切に考えて来ましたが、同時に事にあたっては、時として人々の傍らに立ち、その声に耳を傾け、思いに寄り添うことも大切なことと考えて来ました。天皇が象徴であると共に、国民統合の象徴としての役割を果たすためには、天皇が国民に、天皇という象徴の立場への理解を求めると共に、天皇もまた、自らのありように深く心し、国民に対する理解を深め、常に国民と共にある自覚を自らの内に育てる必要を感じて来ました。こうした意味において、日本の各地、とりわけ遠隔の地や島々への旅も、私は天皇の象徴的行為として、大切なものと感じて来ました。皇太子の時代も含め、これまで私が皇后と共に行(おこな)って来たほぼ全国に及ぶ旅は、国内のどこにおいても、その地域を愛し、その共同体を地道に支える市井(しせい)の人々のあることを私に認識させ、私がこの認識をもって、天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務めを、人々への深い信頼と敬愛をもってなし得たことは、幸せなことでした。

 天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろうと思われます。また、天皇が未成年であったり、重病などによりその機能を果たし得なくなった場合には、天皇の行為を代行する摂政を置くことも考えられます。しかし、この場合も、天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません。

 天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ二ヶ月にわたって続き、その後喪儀(そうぎ)に関連する行事が、一年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。

 始めにも述べましたように、憲法の下(もと)、天皇は国政に関する権能を有しません。そうした中で、このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返りつつ、これからも皇室がどのような時にも国民と共にあり、相たずさえてこの国の未来を築いていけるよう、そして象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ、ここに私の気持ちをお話しいたしました。

 国民の理解を得られることを、切に願っています。

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「『うん』の意)一言」FBつぶやきで逮捕起訴。タイは憲法改正で軍政延命へ

2016-08-08 09:46:12 | 日記

著名な学生活動家の母親を、フェイスブック上に投稿された一言のコメントを理由に不敬罪で起訴した。パトナリ・チャンキット被告(40)は今年5月、王室を侮辱した容疑で逮捕された。タイでは不敬罪で有罪が認められれば、最長で禁錮15年が科される。
 チャンキット被告の弁護団によると、同被告は王室批判に当たるとされる私的なメッセージを受け取り、それに一言「ja(タイ語で『うん』の意)」と返信したために訴追されたという。人権活動団体はこの件について、王室に関するあいまいな言及でさえ犯罪だと拡大解釈する軍事政権の非道な事例だとみなしている。今後承認された草案に基づく憲法改正でさらに厳しくなりそう。ビジネスでの政局不安はおろかフェイスブックでの呟きさえ不敬罪で起訴の対象。軍関係者が首相就任できる可能性さえ指摘されいる民主主義が保障されていない国へ逆戻り。自分の中ではもはやタイは投資不適格国です。

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【バンコク時事】軍事政権下にあるタイで7日、新憲法草案の賛否を問う国民投票が行われた。

 即日開票され、賛成が反対を大きく上回り、草案を承認。これにより、実質的な「軍政延命」に道が開かれ、軍が長期間にわたり強い政治的影響力を保持することが可能となる。草案に反対してきたタクシン元首相派には大きな打撃で、政治勢力図が今後、大きく塗り変わることになりそうだ。

 選挙管理委員会の非公式集計によると、開票率94%で賛成61.4%、反対38.6%。公式結果は10日に発表される。選管によれば、投票率は60%前後の見通し。

 草案は、2014年5月のクーデターで旧憲法が廃止されたのを受け、軍政が設置した憲法起草委員会がまとめた。5年間の経過措置として、上院議員250人のうち6人は陸海空軍司令官ら軍・警察首脳が兼務し、残りは軍政が任命すると規定するなど、軍の政治への関与を合法化する内容となっている。

 今回の国民投票で有権者は、草案への賛否だけでなく、首相の指名投票に上院も加わるべきかどうかも追加質問で問われ、賛成多数で承認。軍の実質的な管理下に置かれる上院が主導する形で、軍関係者を首相に選出することが可能となる。

 軍政のプラユット暫定首相は投票結果を受けて国民向けにメッセージを出し、「政府はきょうの国民の意思を真剣に受け止め、わが国の政治問題に対する持続可能な解決策を提供するとともに、国民の懸念に取り組むため最善を尽くす」と表明した。

 草案をめぐっては、01年以降4回の総選挙で全勝したタクシン派政党の影響力を弱体化させる狙いがあるとみられている。同派のタイ貢献党は「国民の力が抑えられ、管理されてきた時代に逆行することにしかならない」などと反対の論陣を張ってきたが、軍政に反対運動を禁じられたことが響き、予想以上の大差をつけられた。

 投票結果について貢献党報道官は記者会見で「これまでよりも非民主的な憲法に後退するのは遺憾だ」と指摘。「タイに民主主義を取り戻すため全力を尽くす」と述べた。

 今回の投票結果を受け、プミポン国王の署名を経て、新憲法が公布される。軍政は選挙法を含む関連法を整備した後、民政復帰に向けて17年中に総選挙を実施する方針を示している。 

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