教育費は一人当たり1000万円最低かかり、さらに卒業する大学のランキングにより、受け取る生涯賃金にも大きな差があります。学者や医者になれるほどの知能が無いのであれば、個人の資質よりも親の年収の方が重要なのかもしれません。しかし、今後この構図が大きく変わることなるでしょう。もはや日本の硬直した大学では成長は見込まれないのです。更にお金をかけて海外に目を向ける必要があります。親の財力なく、成功するのは一握り格差社会なのです。
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筧家では友人の結婚式から帰宅した恵を囲み、「人生、いくらお金がかかるか」を話題にダイニングテーブルでだんらんしています。結婚と出産の話題が一段落したところで良男が引き菓子のバウムクーヘンをほお張っていると、恵が突然、話を切り出しました。
恵 ところで子供を育てるのって、いくらぐらいのお金が必要なのかしら。
良男 むむっ! 恵、やっぱり決まった相手が……。
恵 結婚、出産の次は育児でしょ。「子供1人あたり1000万円」って聞いたことがあるけど、何の費用かしら?
幸子 教育費のことね。文部科学省によると、幼稚園から高校までの授業料や給食費、学習塾、習い事などにかかった「学習費」の総額は、すべて公立に通った場合で523万円。日本政策金融公庫によると、国公立大学の受験費用や授業料などの総額はおよそ485万円。合計で1008万円になるわね。
良男 幼稚園からすべて私立だと、大学が文系なら2465万円、理系だと2650万円か。弟の満にはがんばって有名国立大学を目指してもらおう。
恵 そんなにたくさんのお金を準備できるのかしら。
幸子 特に高校卒業後の教育費を不安に思う人が多いわ。義務教育の小中学校は授業料はかからないし、高校も世帯収入が一定以下ならば授業料を上限に国から就学支援金を受け取れるけれど、大学などの費用は自己負担と考える人が多いようね。
恵 いつまでに、いくらためればいいという目安は?
幸子 ファイナンシャルプランナー(FP)の菅原直子さんは「子供が高校3年の夏を迎えるまでに、国公立大の4年分の授業料などがまかなえる500万円以上が最低限の目安」と助言しているわ。実際、国公立大で4年間なら500万円程度はかかるとの統計はいくつかあるの。私立大の4年間は無理だけど、入学料や初年度の授業料など入学時に支払う初年度納付金には十分なので、お金が足りずに進学できないという最悪の事態は避けられるわ。
良男 18年間で500万円なら何とかなるかもな。収入が増えたり、やりくりがうまくなって家計にゆとりができたりするかもしれないし。
幸子 計画的にコツコツと準備しなきゃだめよ。内閣府によると、子育て全般にかかる費用は教育費がほとんどかからない0歳でも71万円(預貯金など除く)。中学3年の141万円までほぼ右肩上がりで増え続けるから、後で楽になることはないし、準備する期間が長いほうが1カ月あたりの負担も少なくてすむわ。だからFPの菅原さんは「教育費は子供が生まれた直後からコツコツと備えるべきだ」と指摘しているの。