『名も無く豊かに元気で面白く』

読んだ本、ニュース、新聞、雑誌の論点整理、備忘録として始めました。浅学非才の身ながら、お役に立てれば幸いです。

朝鮮労働党幹部が激白「拉致被害者は返せない。なぜなら……」

2018-04-22 05:56:46 | 日記

北朝鮮の金正恩氏は、歴史的な南北首脳会談を目前に、そして前代未聞の米朝首脳会談を視野に入れ、核・ミサイル実験の中止と核実験場の廃棄を宣言した。金正恩氏にとっては❝米大統領との首脳会談実現は、もはやそれ自体で手柄として十分で、なりふり構わず実現する。❞ ということでしょう。今後は日本を始めとして経済支援へ軸足を移すでしょう。日本にとっては、拉致問題、中距離ミサイル問題を棚上げにして、日朝平壌宣言『日本側が過去の植民地支配に対し、痛切な反省と心からのおわびの気持ちを表明、過去の清算では互いに請求権を放棄し、代わりに、国交正常化後の無償資金を始めとする幅広い経済協力を実施する旨を約束した。』を迫られる可能性がありますが、拉致問題、ミサイル問題を抱え、解決なしでは無償資金提供など国民の支持が得られるとは思えず、安倍総理には諸刃の剣で、妥協するぐらいなら米朝首脳会談は行われない方がいい。

以下抜粋コピー

北朝鮮の積極外交が止まらない。日本は「バスに乗り遅れる」のか、それとも金正恩委員長の攻勢は、トランプ大統領に一蹴されてしぼむのか。平壌で朝鮮労働党幹部に、北朝鮮のホンネを聞いた。

『労働新聞』が日本大批判

 電撃的な中朝首脳会談が終わったかと思いきや、今月27日には南北首脳会談が開かれ、来月には米朝首脳会談が予定されている。

 風雲急を告げてきた北朝鮮を巡る情勢だが、いま金正恩政権は何を考えているのか。
昨年、3度にわたって「週刊現代」で掲載した、北朝鮮の朝鮮労働党幹部インタビューの最新版をお届けする。

 ――3月29日、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』は、日本の安倍晋三政権を痛烈に批判する記事を、2本も掲載した。

 一つは、「自滅を促している愚かな仕打ち」というタイトルで、「日本が拉致問題を声高に叫ぶ裏には、朝鮮半島を再度、侵略しようという野望と、森友学園問題から世間の目をそらそうという安倍政権の野望が潜んでいる」と非難している。

 もう一つは、「おこがましく遊びまくっている戦犯国家」というタイトル。「国連人権理事会で、日本がわが国の人権問題を取り上げるのは、かつて20万人もの性奴隷(従軍慰安婦)を作った、島国国家の鉄面皮的性格の発露だ」とこき下ろしている。

 どちらも長文の記事だが、こうした激しい日本批判は何を意味するのか? 「周知のように今年に入って、朝鮮半島情勢は、劇的に変化してきている。

 わが国は、核実験とミサイル実験を一時的にストップし、平昌冬季オリンピックに参加。元帥様(金正恩委員長)は北京を訪問し、この後、北南首脳会談と朝米首脳会談も控えている。ロシアのプーチン大統領と会うのも、時間の問題だ。

 そんな中で、日本の安倍政権だけが、まるで冷戦時代に取り残されたかのように、やれ圧力強化だ、経済制裁だとほざいている。

 そこで、わが国の人民だけでなく、アジアに住む誰もが感じていることを、『労働新聞』が代弁したのだ」

 ――金正恩委員長は、安倍総理と日朝首脳会談を行う意思はないのか。また日朝両政府は、水面下での接触を行っていないのか。

 「水面下での接触はある。正確に言うなら、日本側から一方的に、安倍総理が平壌を訪問したいと願い出てきているのだ。

 だが、平壌まで来るのは勝手だが、来て何をするのかが問題だ。安倍総理が元帥様の前で、前世紀の35年にわたる植民地支配や性奴隷、徴用工などの問題を謝罪し、わが国に相応の賠償を行うと宣言するのであれば、歓迎するが」

 日本は信用できない

 ――安倍総理が訪朝するとしたら、その最大の目的は、日朝間の最大の懸案である日本人拉致被害者の全員帰国を果たすことにある。

 「日本は口を開くと拉致問題のことばかり言及するが、拉致問題というのは、'02年と'04年に小泉純一郎総理(当時)が2度にわたって訪朝した時点で、解決済みだ。すなわち、生存していた5人の拉致被害者とその家族は、全員帰国させた。

 残りの日本人は、すでに全員亡くなっている。死者を生き返らせるのは不可能だ。このことは、過去15年あまりにわたって再三再四、日本に説明してきた通りだ」

 ――北朝鮮の言うことには、信用がない。日本人拉致被害者は生存しているというのが、日本政府の一貫した見解だ。

 「われわれの側から見れば、日本ほど信用のできない国はない。

 例えば、('04年11月に)日本政府の訪朝団が平壌にやって来て、『横田めぐみの遺骨』を持って帰った。ところが『日本で調べたら、遺骨は偽物だった』と騒ぎ出した。

 日本が偽物だと言うなら、それは朝鮮人の遺骨だということだから、早急に返還してほしいと、われわれは何度も言ってきた。だが日本は、いまだに返還しない。

 わが国に埋まっている植民地時代の日本人の遺骨も、収集するとわが国が対価を要求すると言って取りに来ない。だがわが国は、日本人が自国の国民の遺骨を収集しに来るのに、カネを要求すると言ったことなど一度もない」

 ――それでは、拉致問題はあくまでも「解決済み」という立場なのか? 
 「その通りだ。一例を挙げよう。いまからちょうど2年前、中国浙江省寧波にある朝鮮レストランのウエイトレスら計13人の朝鮮人が、南朝鮮(韓国)政府の要員によって、南朝鮮に拉致された。

 わが国はこの問題を重大な拉致事件と捉え、彼女たちを全員返還するまで、南朝鮮とは一切交渉しないと言ってきた。

 ところが今年に入って、この問題をいったん棚上げして、南朝鮮と握手することにした。それによって、朝鮮半島の情勢が大いに緩和されたのは、周知の通りだ。だから日本も、そのように振る舞うべきなのだ」

米朝会談は中止もある

中国とは、たしかに過去にはいろいろあったが、今後米トランプ政権とのハードな交渉が待ち受けていることもあり、関係を修復していく時期に来ている。

 習近平主席からも、『(3月20日に)全国人民代表大会(国会)が終わって2期目の政権を発足させたら、一番に北京に来ませんか』と誘ってもらった」

 ――中国はかねてから、朝鮮半島の非核化を実現させるという方針を示してきた。
これに対し北朝鮮は、「すでに核保有国である」と主張。核兵器をめぐる中国側との矛盾は解決できたのか? 
 「それは、3月26日夕刻に開かれた朝中首脳会談で、元帥様が発言された通りだ。

 『金日成主席と金正日総書記の遺訓に照らし、半島の非核化実現に力を尽くすことは、われわれの終始一貫した変わらぬ立場だ。

 もしも南朝鮮とアメリカが、われわれの努力に善意をもって応えるならば、平和と安定の雰囲気を醸成し、平和の実現のために段階的かつ同時並行的な措置を取る。朝鮮半島の非核化問題は、解決に至ることができるものだ』

 つまり、核問題の解決は、南朝鮮とアメリカの出方次第ということだ。特に、トランプ政権がどう出るかにかかっている。わが国の立場には、習近平主席も理解を示した」

 ――トランプ大統領は、「完全で不可逆的で検証可能な非核化」を強く求めている。金正恩委員長は、5月にトランプ大統領と米朝首脳会談を行って、そのことを約束できるのか? 
 「それは、元帥様が仰っているように、『段階的かつ同時並行的な措置を取る』ということだ。つまり、アメリカとの交渉は、あくまでも『行動対行動』が原則だ。

 われわれが求めているのは、アメリカとの平和協定の締結であり、北南の同胞が主体となった朝鮮半島の統一だ。1953年に結んだ朝鮮戦争の休戦協定を、トランプ政権が平和協定に変える意思があるのかということが問われているのだ」

 ――トランプ政権で外交を担っていたティラーソン国務長官が、3月いっぱいで解任された。ティラーソン国務長官は、北朝鮮に対する穏健派の代表格だったが、後任のポンペオCIA(中央情報局)長官は、強硬派で知られる。

 また、ホワイトハウスの大統領安保担当補佐官にも、超強硬派のボルトン元国連大使が就任。こうしたトランプ政権の新たな布陣については、どう考えているか? 
 「当然ながら、大きな懸念を抱いている。これはまさに、トランプ大統領が、われわれと対話する姿勢ではなく、対決する姿勢を示したものだ。そのため、トランプ政権に対する疑念が払拭されることはない。

 そもそもトランプ大統領は、5月にわが元帥様と首脳会談を行うと宣言しておきながら、いまだにまったく準備不足だ。わが国を軽視しているとしか思えない。

 そうした点は、(4月27日の)文在寅大統領との北南首脳会談の際に、元帥様がしっかり注文をつけることになるだろう。それでも疑念が払拭できなければ、元帥様がトランプ大統領と会う理由はない。

 そもそも、トランプ大統領が突然、元帥様と会談すると言い出したのは、11月の中間選挙での人気取りのためだろう。それならば、11月までに開催すればよいのではないか? 

次はプーチンと会談

 ――米朝首脳会談が開かれるとしたら、会談場所はどこになるのか。

 「アメリカやヨーロッパで行うことはないだろう。元帥様が、『列車で移動できる場所』を希望しておられるからだ。

 文在寅政権は、世界に向けて和解をアピールするという意味で、朝鮮戦争の休戦協定が結ばれた板門店を勧めている。

 一方、習近平主席は『北京でやったらどうですか』と、元帥様に提案したようだ」

 ――プーチン大統領との首脳会談は準備が進んでいるのか。

 「ロシアは中国と並ぶ伝統的な友好国であり、(3月18日に)プーチン大統領が再選されたのだから、元帥様が直接会って祝辞を述べるのは、当然のことだ。

 プーチン大統領が、極東のウラジオストクを訪問するのに合わせて、朝ロ首脳会談を行う段取りになるだろう」

 ――北朝鮮は、今後は昨年までのような恫喝外交は行わないと考えてよいのか。

 「それはひとえに、トランプ政権次第だ。トランプ政権がわが国に対する敵対視政策をやめるなら、わが国も拳を振り上げる理由はない。

 今年の年末には、ノーベル平和賞の授賞式に、元帥様と文在寅大統領が揃って並んでいるかもしれないぞ」

 まさに言いたい放題だが、北朝鮮が「拉致被害者が全員死亡した」と言い続ける限り、安倍総理が訪朝する意味は少ない。支持率アップを狙って強引に訪朝しても、しっぺ返しを喰らう可能性が高いだろう。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする