サウジアラビア人記者カショギ氏の死が死後、世界に衝撃を与えています。ベールに包まれていたサウジアラビア国内で起きている政治的弾圧が次々に明らかになってきているからです。❝改革者のはずのムハンマド皇太子が自分に異を唱える声を、ことごとく潰している独裁者だと、サウジの人権活動家たちは言う。皇太子はこの1年、大勢の富裕層や草の根の活動家たちを逮捕し、人々に恐怖を植えつけてきた。「誰も安全ではいられない」と、国民を脅しているのだ。当局はさらに、そうした逮捕の是非が問われないよう、「容疑者」たちの親族を力づくで黙らせ、非公開の秘密裁判がおこなわれている。❞一連の流れからカショギ氏も独裁政権の口封じのため殺害された公算が高いとみるべきで、世界中のサウジアラビアへの警戒感は高まる一方です。
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サウジアラビア人記者、ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件で、サウジ検察当局者は15日、実行犯ら11人を起訴し、このうち薬剤投与や殺人、遺体切断に関与した5人に死刑を求刑する方針を示した。一方、サウジのジュベイル外相は同日、事件への関与も報じられたムハンマド・ビン・サルマン皇太子(33)について、関与を完全に否定した。
カタールの衛星テレビ局アルジャジーラなどが伝えた。サウジ検察当局は、皇太子の側近で事件後に更迭されたカハタニ前王室顧問らの捜査を継続していると述べた。
❷サウジアラビア人記者、ジャマル・カショギ氏がトルコのサウジ総領事館で殺害された事件で、米紙ワシントン・ポスト(電子版)は事件から1カ月となる2日、トルコのエルドアン大統領の寄稿を掲載した。エルドアン氏は、「私たちは殺害命令がサウジ政府の最も高いレベルから出たものだと知っている」と述べた。
エルドアン氏がサウジ政府中枢の事件への関与を指摘したのは、初めてとみられる。同氏はサルマン国王が殺害を命じたとはまったく疑っていないとも述べており、名指しを避けながらも、次期国王と目されるムハンマド・ビン・サルマン皇太子やその周辺が関与した疑いを示唆した形だ。