中国政府が18日、資金難にある優良不動産会社(ホワイトリスト)に今年中に1兆7700億元(約37兆円)の銀行融資を追加支援すると明らかにした。中国が景気低迷で当初目標だった「国内総生産(GDP)増加率5%」を達成するのが難しいという見通しが出ている中、景気浮揚の処方箋を出したのだ。中国は、先月に支払準備率の引き下げと今月8日にインフラ関連予算の早期投入及び国債発行拡大案を発表するなど、景気浮揚に積極的に取り組んでいる。
中国の倪虹・住宅都市農村建設相は同日、記者会見で、「年末までにホワイトリスト対象のプロジェクト融資(PF)規模を4兆元に増やす」と明らかにした。中国は昨年11月、不動産分野のホワイトリストを選定し、各銀行に伝えた。また、銀行がリストに含まれる会社に信用融資など積極的な金融支援をするよう指示した。16日現在、ホワイトリストの融資承認額は2兆2300億元で、今年の残りの期間に1兆7700億元をさらに投入することになる。
倪氏はまた、「都市内の遅れた地域と老朽化した(危険)住宅100万戸を改修する」と明らかにした。35の大都市を中心に100万戸を優先的に推進する計画で、今後規模をさらに拡大するというのが中国政府の説明だ。ただし、老朽化した住宅の改修にどの程度の資金を投入するかは明らかにしなかった。このほか、低所得層と若者層を対象にした保障性住宅の供給を増やし、今年末までに450万人が新たに入居できるよう支援する計画だ。
倪氏は不動産市場と関連して、「10月初めに全国主要都市の不動産市場が回復傾向を見せるなど、過去3年間の調整が底を打ち、上昇し始めた」と話した。ただし、今回の対策も市場が期待する政府の直接的な財政投入とは程遠いという分析も出ている。米ブルームバーグ通信は同日、「投資家は、中央政府ではなく銀行と地方政府が不動産市場に資金を提供するようにした措置に失望している」と伝えた。
中国のことし7月から先月までのGDP=国内総生産の伸び率は、去年の同じ時期と比べて実質でプラス4.6%となりました。伸び率は前の3か月のプラス4.7%から縮小し、景気の減速傾向が示された形です。
中国の国家統計局は18日ことし7月から先月までのGDPを発表した。物価の変動を除いた実質で去年の同じ時期と比べてプラス4.6%。
伸び率は、前の3か月のプラス4.7%から縮小し、政府がことしの成長率の目標とする「5%前後」を2期連続で下回った。
輸出の拡大が続く一方、不動産不況の長期化や厳しい雇用情勢を背景に内需が停滞し、個人消費が伸び悩んでいることなどが主な要因で、景気の減速傾向が示された形となった。好調な輸出についても欧米が中国製のEV=電気自動車などに対して関税を引き上げる動きが出る中、輸出好調がいつまで続くのか、先行きには不透明感も広がっている。
伸び率は、前の3か月のプラス4.7%から縮小し、政府がことしの成長率の目標とする「5%前後」を2期連続で下回った。
輸出の拡大が続く一方、不動産不況の長期化や厳しい雇用情勢を背景に内需が停滞し、個人消費が伸び悩んでいることなどが主な要因で、景気の減速傾向が示された形となった。好調な輸出についても欧米が中国製のEV=電気自動車などに対して関税を引き上げる動きが出る中、輸出好調がいつまで続くのか、先行きには不透明感も広がっている。