福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

十三佛は自己曼荼羅を導く究極の密教曼荼羅であること・・29

2017-11-29 | 頂いた現実の霊験
・十三佛は自己曼荼羅を導く究極の密教曼荼羅であること・・29
第七章

第十一節、阿閦如来。
   阿閦とは梵語でアキシュビヤで、翻訳して「不動」という。この尊は東方に位して菩提心を発することを司る。十三佛曼荼羅は密教の根本思想によって組織せられたのであるから、十三佛は大日如来の四方の眷属の中の南方不二の虚空蔵菩薩を中心として、第二番目修行の初位には北方釈迦如来を置き、修行の終位たる第十一番目には東方の阿閦如来を置いたのである。この如くにして大日如来の東西南北の四方の眷属は皆この一曼荼羅に網羅せられたのである。阿閦如来は左手には拳固を握って膝の上に置き、右手を膝の側に垂れて指頭を以て大地を圧してござる。此の右手で大地を圧する相は密教家には触地印というので即ち降魔の相である。大聖釈尊が菩提樹下に端座成道せとされたときに種々の悪魔が現れ来たって或は誑かし或は驚かして堕落の淵に導かんとした時、釈尊が指頭を以て大地を圧すると地中から堅牢地神が湧出して釈迦の成道を証明し一切の悪魔を降伏して、ここに大覚の位を証明されたなである。阿閦如来の触地印はこの降魔の相である。故にこの佛の三昧を一には無諍三昧と称しておるのでこの如来の三昧は発菩提心の境界である。


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