沢庵禅師・・澤庵 宗彭は、臨済宗の僧。天正元年12月1日(1573年12月24日)に生まれ正保2年12月11日(1646年1月27日)入滅しています(ウキペデア)。紫衣事件で出羽国に流罪となり、その後赦されて江戸に萬松山東海寺を開いています。寛永十六年に三代将軍徳川家光の帰依を受け品川に東海寺を開き、その地で没しますが、遺偈に「夢」の一字を書いたといいます。
沢庵禅師の歌に「闇の夜になかぬ烏の声聞けば 生まれぬ先の父母ぞ恋しき」 という歌があります。闇では烏は見えませんし、鳴いてないなら声も聞こえません、さらに父母の生まれるまえなど恋しがるのも不可能です。不思議な歌ですが以下に述べる「妄心」で凝り固まっている我々にも、なにか宇宙のはてを覗くような森厳な、しかしほのぼのとしたものを感じさせます。
沢庵禅師が柳生宗矩に剣の極意を教えた「不動智神妙録」の一部を載せます。「本心妄心と申す事の候。本心と申すは一所に留らず、全身全體に延びひろごりたる心にて候。妄心は何ぞ思ひつめて一所に固り集りて、妄心と申すものに成り申し候。本心は失せ候と、所々の用が缺ける程に、失はぬ様にするが専一なり。たとへば本心は水の如く一所に留らず、妄心は氷の如くにて、氷にては手も頭も洗はれ不レ申候。氷を解かして水と為し何所へも流れるやうにして、手足をも何をも洗ふべし。心一所に固り一事に留り候へば、氷固りて自由に使はれ申さず、氷にて手足の洗はれぬ如くにて候。心を溶かして総身へ水の延びるやうに用ゐ、其所に遣りたきままに遣りて使ひ候。是を本心と申し候。」
最新の画像[もっと見る]
- 金剛頂瑜伽中發阿耨多羅三藐三菩提心論 8ヶ月前
- 一日は定光佛・熱田大明神・妙見様・天神と地神の日 2年前
- 万人幸福のしおり 4年前
- 佛説彌勒大成佛經 (全巻書き下し) 4年前
- 四国八十八所の霊験・・・その97 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その92 6年前
- 四国八十八所の霊験・・その89 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その88 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その83 6年前
- 四国八十八所の霊験・・・その76 6年前