東海道五十三次と菩薩五二位

延喜式には東海道の諸國驛傳馬として55駅が定められておりこれが慶長6（1601）年正月に江戸幕府が定めた東海道五十三次の元となっているといわれています。そもそもこの55とは華厳経の入法界品で善財童子が菩薩の道を探して尋ねる聖者の数です。延喜式の55は入法界品で善財童子が訪問する菩薩方を重複もいれて数えると55体になります（注）。これらの菩薩を訪問して順次菩薩五十二位を登っていくという設定になっているのです（華厳経探玄記）。しかれば延喜式の55駅や東海道53次を定めた人はこれを辿ることによって庶民が自分の心を高めていくことを期待していたのではないかと思います。現代のわれわれも各自55人の人生の師を思い出して作ってみてはどうかと思います。自分は9月からこの華厳経入法界品をブログで載せその中に自分の55人の師を書き留めておきたいと思っています。
（注、１文殊師利、２功徳雲比丘、３海雲比丘、４善住比丘、５彌伽医師６解脱長者７海憧比丘８休捨優婆夷
９毘目多羅仙人１０方便命婆羅門１１弥多羅尼童女
１２善現比丘１３釈天主童子１４自在優婆夷１５甘露頂長者１６法宝周羅長者１７普眼妙光長者１８満足王１９大光王２０不動優婆夷２１随順一切衆生外道
２２青蓮莘香長者２３自在海師24無上勝長者
25師子奮迅比丘尼２６婆須密多女人２７安住長者
２８観世音菩薩２９正趣菩薩3０大天３１安住道場地神
３２婆沙婆陀夜天（ばしゃばだやてん）３３甚深妙徳離垢光明夜神（じんじんみょうとくりくこうみょう）
３４喜目観察衆生夜神３５妙徳救護衆生夜神３６寂静音夜神３７妙徳守護諸城夜神３８開敷樹華（かいふじゅけ）夜神３９願勇光明守護衆生夜神４０妙徳円満天４１瞿夷くい女４２摩耶夫人４３天主光童女４４遍友童子４５善知綜芸童子４６賢勝優婆夷４７堅固解脱長者４８妙月長者４９無勝軍長者５０尸毘最勝婆羅門５１徳生童子５２有徳童女５３彌勤菩薩５４文珠師利菩薩５５普賢菩薩。