福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

曼荼羅に関する質疑応答

2012-07-27 | 法話
曼荼羅に関する質疑応答

Q1,曼荼羅とは何ですか?
A1 、曼荼羅とはお釈迦様の悟りの世界を表すとともに本来の自分自身の姿をも表しています。
曼荼羅はわれわれ衆生に「絶対の大慈悲の心に住せば自分自身が佛であり佛の世界にいることになる」ということを一目でさとらせるために作られたものです。悟りの世界にいる阿闍梨は自分の心から曼荼羅を出すとされています。
「密蔵深玄にして翰墨にのせがたし。さらに図画をかりて悟らざるに開示す」
「大日如来は普遍常恒にかくのごときの唯一の金剛秘密最上佛乗大曼荼羅法教を演説したもう」(大師「秘密曼荼羅教付法伝」)
「曼荼羅は三密円満具足の義なり」(大師「秘蔵記」)
「一切衆生の自心の中に金剛胎蔵曼荼羅因果を遠離して法然として具足せり。」(異本即身義)
「曼荼羅とは諸佛の本源、衆生の身と心である。・・・密教に遇い身心は両部の曼荼羅に他ならないと悟る。この身このままに佛なのである。これを真言宗の即身成仏という。」(隆瑜「両部曼荼羅執要記」


Q2、ではなぜ胎蔵、金剛界のふたつの曼荼羅があるのですか?
A2,現図曼荼羅の胎蔵曼荼羅は善無畏三蔵がインドの乾陀羅国金栗王[ガンダーラ国カニシカ王]の塔下で空中に現じた経典の句をもとに図書されたたものであり(『大毘廬遮那経供養次第法疏』)、金剛界曼荼羅は龍猛菩薩が南天の鉄塔を開こうとした時に、塔外に現じたままを書かれたものという伝説も伝えられています。(慈雲尊者「両部曼荼羅図随聞記」)
胎蔵曼荼羅は基本的には大日経を根拠として描かれています。これはわれわれの身体が曼荼羅であるとともに地獄餓鬼畜生など全ての世界(十界)はもとから大日如来の悟りの世界であることも示しています。真理を表しているという意味で『理』の曼荼羅と呼ばれます。
金剛界曼荼羅は金剛頂経を根拠として描かれています。これは我々の心が曼荼羅であることを示すとともに覚りをめざす修行の過程も表しています。大日如来の智慧の働きをあらわしたものとして『智』の曼荼羅とも言われます。
そしてこの二つが合い離れずに一つの世界を作っているので「理智不二」とか「金胎不二」といわれます。
「胎蔵とは理なり、金剛とは智なり」(秘蔵記)
「秘密荘厳心とはすなわちこれ究竟じて自心の源底を覚知し、実の如く自身の数量を証悟す。いわゆる胎蔵海会の曼荼羅と金剛界会の曼荼羅となり」(弘法大師「秘密曼荼羅十住心論」。秘密荘厳心(究極の悟り)とは衆生が究極の自分の身心の本質を自心の源底(金剛界曼荼羅)と自身の数量(胎蔵曼荼羅)であることを覚ることである。)
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