今日は三好達治の命日です。1964年(昭和39年)4月5日に64歳で亡くなっています。
達治の詩は教科書にもよく出てきます。「甃のうへ」(注1)「わが名をよびて」(注2)など仏教的深みのある詩で大好きです。特に「わが名をよびて」の詩はまさに仏様に「わが名」が呼ばれたら・・と思うとぞくぞくするような詩です。仏様からでなくても亡くなった父母や先祖から「わが名」が呼ばれたら・・と思うと何とも言えない気持ちになります。今読むとこの詩はコロナ禍で各家のご先祖様が子孫の名を呼んで励ましてくれていることを表しているようにも思います。
三好家には宗教家の血が流れているらしく、日蓮宗本山本満寺貫首を務めた三好龍紳は実弟で、墓のある高槻市本澄寺の住職は三好の甥だったということです。
注1)「甃のうへ」
「あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音
空にながれ
をりふしに瞳
をあげて
翳
りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍
みどりにうるほひ
廂々に
風鐸
のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃
のうへ」
注2)「わが名をよびて」
わが名をよびてたまはれ
いとけなき日のよび名もてわが名をよびてたまはれ
あはれいまひとたびわがいとけなき日の名をよびてたまはれ
風のふく日のとほくよりわが名をよびてたまはれ
庭のかたへに茶の花のさきのこる日の
ちらちらと雪のふる日のとほくよりわが名をよびてたまはれ
よびてたまはれ
わが名をよびてたまはれ」
達治の詩は教科書にもよく出てきます。「甃のうへ」(注1)「わが名をよびて」(注2)など仏教的深みのある詩で大好きです。特に「わが名をよびて」の詩はまさに仏様に「わが名」が呼ばれたら・・と思うとぞくぞくするような詩です。仏様からでなくても亡くなった父母や先祖から「わが名」が呼ばれたら・・と思うと何とも言えない気持ちになります。今読むとこの詩はコロナ禍で各家のご先祖様が子孫の名を呼んで励ましてくれていることを表しているようにも思います。
三好家には宗教家の血が流れているらしく、日蓮宗本山本満寺貫首を務めた三好龍紳は実弟で、墓のある高槻市本澄寺の住職は三好の甥だったということです。
注1)「甃のうへ」
「あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音
空にながれ
をりふしに瞳
をあげて
翳
りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍
みどりにうるほひ
廂々に
風鐸
のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃
のうへ」
注2)「わが名をよびて」
わが名をよびてたまはれ
いとけなき日のよび名もてわが名をよびてたまはれ
あはれいまひとたびわがいとけなき日の名をよびてたまはれ
風のふく日のとほくよりわが名をよびてたまはれ
庭のかたへに茶の花のさきのこる日の
ちらちらと雪のふる日のとほくよりわが名をよびてたまはれ
よびてたまはれ
わが名をよびてたまはれ」