福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

邪婬は國を亡し家を亡す

2024-11-29 | 法話

昔尼僧もどきの作家が不倫を奨励するような発言をしているのがネットに出ていたことがありますがとんでもありません。十善戒は僧俗問わず基本中の基本ですしその中でも不殺生、不偸盗、不邪淫は最も重いとされています。
古来「邪婬は國を亡し家を亡す」とされています。人倫のみだれは文明を滅ぼしてきたことは歴史の証明する所です。また「家運が下降をたどるという場合は必ず先祖に色情問題がでている」とされます。以下引用していきます。


「十善の中で身の三つ(不殺生、不偸盗、不邪淫)は重い。身の三つはいずれも貴いことではあるが不邪淫戒すなわち夫婦の道は国を治め家を整え、天下を平らにする根源であるからこれが乱れると天下が乱れる。昔からこの不邪淫戒を本当に慎んだ人で天下を失った者はいない。・・よって華族紳士とか相応の豪族、豪商というもの、人の頭となるものは最も邪淫を慎まねばならぬ(釈雲照師「十善業道経講義」)」

(慈雲尊者も「十善法語、不邪淫戒」で「法性が男女となり来たり、此の男子あって天の徳を全くする。此の女子あって地の徳を全くする。陰陽ここに配して萬物を育てる。・男女の道が正しければ天地の気候も自ずから正しく、男女の道が乱るれば天地の気候も自ずから乱るる。・・この道に慎みある者は天の福を受くる。この道の乱るるものは其の身に災害集る・・形閨門乱るれば必ず天変にあらわれて、日月の行度五星二十八宿の行度も違ひ、地理に顕われて山川草木人物にも其の変異妖怪ある・・」「是を護れぬものは家を亡ぼし、国を亡ぼす」とされています。

 

最近読んだ「新・家系の科学(与那嶺正勝)」という本に、「二万件の家系を調べたら、亡びる家系は色情問題があるところ」ということが書いてありました。尊者のお言葉を裏付けています。おそろしいことです。

参考までに「十善法語」と「新・家系の科学」を抜粋します。

1、「(十善法語、不邪淫戒)・・不邪淫戒を古より禮に配する。此も的當ではない。古に、禮は庶人に下らず。刑は大夫に上さずと云(『礼記』「曲礼」)。上下推通ずる道ではなきじゃ。此不邪淫戒は國君も乱されぬ。公卿大夫も乱されぬ。士庶人も乱されぬ。君子小人の隔はない。上下推通ずるの道はここにあるじゃ。又禮は學者ならねば盡されぬことじゃ。孔子も周に適(ゆき)て禮を老耼に問ふとある(史記世家)。小人野人まで悉く學び知らしむべからずじゃ。智愚推通ずるの道ではなきじゃ。此不邪淫戒は。萬巻の書を諳んずる者も。持ねば身に災ある。甚に至ては家を亡す。學者も愚者も。一等に謹み守らねばならぬじゃ。誠に智愚推通ずるの道はここにあるじゃ。又論語に。麻免(まべん)は禮なり。今糸は倹なりとある。此類似て。時に随て進退用捨すべし。古と今と進退用捨すべし。殷は夏の禮を襲ふて損益する。周は殷の禮に仍って損益する。又樂記に「五帝殊時,不相沿樂(五帝時を異にして樂を相沿(あいよら)ず)。三王異世,不相襲禮(三王世を異にして禮を相襲わず)」とある。此進退損益みな禮に妨なきじゃ。

不邪淫戒は。昔も持たぬ者は國を亡し家を亡す。少も進退損益はならぬ。誠古今に推通ずるの道とすべき道は。此にあって彼には無じゃ。又古書に禮は豐儉に随ふ。豐饒なる時と困窮なる時と。禮の用い様違ふことじゃ。不邪淫戒は。豐饒なる時も用ひく様の違ひなく。寸毫の用捨はならぬ。困窮なる時も用ひ様の違ひなく。寸毫の用捨はならぬ。一切時推通ずるの道は。此にあって彼には無じゃ。又禮は國俗に随ふて執行ふ。支那國は支那國の禮有て。是を我國には用不用がある。印度は印度の禮式有て。此を余國には通不通がある。中國は中國の禮ある。外夷に在て通不通がある。外夷は各々其禮ある。中國に在ては通不通がある。萬國に推通じて道とすべき道とは云はれぬ。此不邪淫戒は、支那國でも此を乱せば身を残ひ家を破る。我國でも此をもたぬ者は身をあやまり國を破る。假令夷狄の國に往ても。此を持ぬ者は身を残ひ國を亡す。萬國華夷に推通じて道とすべき道は此不邪淫戒にあるじゃ。」

2、「新・家系の科学(与那嶺正勝)」「・・家運が下降をたどるという場合は必ず先祖に色情問題がでているのです。具体的には妾をかこっていたとか、盛んに女遊びをしたとか、そういう人が一人でもいるとそのあと二代三代続けて坂道を転げ落ちるように落ちていきます。しかも、一度不倫を原因としていろいろな問題を起こすと、その次もまた繰り返すという説明のつかない事象がでてきます。そして三代目には自殺者まであらわれることも・・。これはもう不思議としかいいようのないのですが、夫婦関係が壊れると三代目には自殺者や精神的自壊者、あるいは事故死や倒産といった思わざる悲劇が家系の中に出てくるのです。・・」

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