何とも素晴らしい映画だった、こういうのに遭遇すると一言残さずにはいられない。
でも調べたらともに米国のアカデミー賞やら他の賞も取っているので、そらぁ面白いはずだ、などと納得。
ハリウッド映画の様なハラハラドキドキや派手で無駄なアクションシーンやら特別な美人が出てくる訳でも無い、ともかく見終わった後の気分が最高に気持ち良い。(本なら読後感が良い、と言うことか)
「アーティスト」
どこかで見た様な映画だと思ったら、あの「雨に唄えば」。ところがこの映画はそれを逆手にとってサイレントでモノクロ、しかも片やトーキームービの流れに乗って物語が大展開するところは同じ、でも「アーティスト」は主人公が段々と没落して行く。
さて、知ってる役者は名脇役のジェームズ・クロムウェル唯一人、後は有名なのかもしれないが誰一人知らない。
ほとんどがサイレントで時々(本当に時々)字幕がでる程度、でもしっかりと筋は理解出来るから面白い。
以前メル・ブルックス監督・製作のズバリ「サイレント・ムービー」というのがあって結構面白かった、だがこちらは2012年製のモノクロ・サイレント・ムービーで、なぜかよりアイデアを感じる。
この映画で主人公がトーキ映画を初めて見るシーン、何がおこったのか分からないのが主人公の反応から読み解ける。
頭も使う。
最後の二人のタップダンスシーンは完璧。
映画『アーティスト』予告編
「バベットの晩餐会」
食や食材を扱った映画は面白いのが多い。「マーサの幸せレシピ」なんがが代表的。
さてこの映画は何とデンマーク映画、なので知ってる役者は一人もいない、そして18世紀頃の寒村。
冒頭シーンで鰈(カレイ)の干物が出てきて、おー!などと思っていたら中盤にそれの調理法が出て来る。
干したカレイを水で戻して、固いパンを粉にして、ビールを加えて、魚を刻んで入れて(この部分は想像)、一時間煮てかゆ状にして食べる。もう見てるだけでまずそう。
それが最後の晩餐会のシーンで見事なフランス料理のコースが出てきてそのすばらしさをこれでもかと見せつける。
そしてヒューマンドラマの部分もしっかりしていて、バベット(フランス革命を逃れて亡命した女料理人)が全財産(宝くじで当たった10000フラン)を投じて食材を購入して自分で料理して世話になった村人をもてなす。
田舎者の村人達と豪華なフランス・フルコースr調理の対比も見事、ともかく深い味わいがあって、こんな映画もあったんだ世の中まだまだ広い、などと勝手に関心してしまった。
この映画が公開された当時(1989年)はメチャクチャ忙しい頃だったし、こういうのは趣味でなかったから封切で見ることは先ずなかったろう。
『バベットの晩餐会』 予告編