さて、先日の日曜日、「真夏のオリオン」なる戦争映画(邦画)をTV放映で見た。
これが何とも酷い内容で、CGを使ったSFXは進歩を感じるものの役者の演技や演出、とても木戸銭をとれる映画では無かった。
この映画は「雷撃震度19.5」と言う面白い小説を原作としているが原作の持つ面白さなど微塵も無い。そのプロットは名作「眼下の敵」に似ていて、伊号58潜が米海軍の重巡インディアナポリスを追跡して撃沈する話である。このインディアナポリスは第三の原爆を輸送中であったことや、艦長がジグザグ行動をとらずに航行していたことから、戦後に米国の軍事裁判の対象となったそうな。
そしてこの事実から日本海軍の潜水艦戦史の中では”大きな戦果”として扱われえている。
なお、小説では大分脚色されていて人間魚雷「回天」の使用を忌避する艦長像が、印象に残っている。あの駄作「ローレライ」もこの艦長像を参考にしている。(と思う)
潜水艦を扱った映画は結構名作が多くて、例えば「深く静かに潜行せよ」(バート・ランカスターが格好良い)、「眼下の敵」(クルト・ユルゲンスとロバート・ミッチャムの名優演技合戦)、「ペチコート作戦」(良く出来た喜劇)、言うまでも無く名作「Uボート」、「1943」(これは笑えた)、と粒揃いである。
時代が下がると段々と駄作が増えて、「U157」(普通の駄作)、「Uボート最後の決断」(ましな駄作:面白いけど魚雷をやたらと撃つのが気に入らない)。
そして我国の比較的にお金を掛けた大駄作の「ローレライ」や「真夏のオリオン」。
同じ戦争に負けた三国同盟の仲なのに、何でドイツに名作が作れて、我が日本国は作れないのか、民族的にはドイツには負けるかも知れないけれども、戦勝国の米国よりはよっぽど優秀だと思う。
さてここで、第二次大戦の兵器としての潜水艦を眺めてみると、水上最大速力20kt(36km/hr)で水中最大速力8kt(14km/hr)で1時間しか潜れない船。
主な武器は魚雷と大砲1門。ちなみに駆逐艦は最大速力30kt(54km/hr)で水中探知機を使って潜水艦を追い回すから普通では勝負にならない位駆逐艦が強い。
したがってクルト・ユルゲンスさんが艦長をしているUボートならいざ知らず、長髪の玉木君が艦長の操艦する潜水艦が米国の駆逐艦に勝てる訳が無い。
あんまりにもお馬鹿さ加減についナガナガグチグチと駄文を書いてしまった。
↓の写真とイラストは口直しで、大戦末期にドイツ海軍が投入した最新鋭Uボートの21型。水中17kt(30km/Hr:当時としては画期的)で1時間航行出来る電気ボート、後の原子力潜水艦ノーチラス号のお手本になったとのこと。
映画「ローレライ」もこの型のボートを使っていれば、少しはリアリティがあったろうが。
それもKXてのがいいですね。
うーーん、是非まぜてくださいな、釣りでなくて修理の方。
四方山・山荘